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【音楽×珈琲 鑑賞録】4月3日~ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト 『グラン・パルティータ』

音楽観を鍛える鑑賞録。
4月3日のテーマは、【ジャンル】

とりあげる作品は、
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト /
『グラン・パルティータ』                
           
です。

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
Wolfgang Amadeus Mozart
1756年1月27日 - 1791年12月5日
オーストリアの音楽家。

セレナード第10番 変ロ長調『グラン・パルティータ』
The Serenade No. 10 for winds in B-flat major, K. 361/370a

『グラン・パルティータ』というタイトルは、「大組曲」といった意味。
モーツァルトの譜面表紙に誰かが追記した言葉だそうです。
「第10番」というナンバリングもモーツァルト死去後に出版社が便宜上つけたものになります。

編成が、オーボエ2、クラリネット2、バセットホルン2、ホルン4、ファゴット2、コントラバスで構成。
音色の統一等を理由としてコントラバスの代わりにコントラファゴットが用いられることが非常に多いため、『13管楽器のためのセレナード』とも呼ばれています。

映像をみてみると、たしかにコントラバスは異質の様相です。
モーツァルトがどこまで意図して書いたのかは定かではありませんが、
「低音はいるだろ」という気持ちとひらめきでコントラバスをあてたのかもしれません。
そこをのちの誰かが整合性をもたらすために編成し直したのでしょう。

こうして見聞きすると、原典から人の手がどんどん加わり、かけ離れていっていることがわかります。
モーツァルトからしてみたら、不本意なこともあるでしょうし、原理主義の気持ちもわかります。
ただ、「変わっていく」ことを受け入れると、その多様さ、時代性、個性などが浮き彫りになり、面白さが生じます。
環境が変われば解釈も変わるというものです。
わたし個人はコントラバス編成のほうが響きのぶつかり方が面白く聴こえるので、好みであったりはしますが、どちらが良い悪いではないですし、「そういう解釈もあるよねー(自分は違うけど)」と意見を受け入れない姿勢はとらないようにしたい。
大切なのは、変化や違いを「面白がること」。
「アサーティブ・コミュニケーション」をとることが豊かさを享受できるものだと思います。
同意見でも、意見が食い違っても、そこに何かしらの「和合」を見出す。
コントラバスがいたっていいし、もっと別の解釈をもたらしたっていい。
そこに興味深い示唆や意図があれば、コミュニケーションの糸は複雑に絡まるかもしれません。
過ぎてしまえば、遺志だけが残り、口出しはできない。
語り合うことができるうちに、さまざまな言葉を組み交わしておきたいものですね。

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