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【音楽×本 鑑賞録】"366日の西洋音楽" 1月18日~レオシュ・ヤナーチェク 『クロイツェル・ソナタ』

音楽観を鍛える鑑賞録。
1月18日 本日のテーマは、
【逸話】本人や家族の珍エピソードから恋愛や病気による苦悩まで作曲家の波瀾万丈な人生を紹介。
とりあげる作品は、
レオシュ・ヤナーチェク /
『クロイツェル・ソナタ』
です。

いますぐ聴きたくなる! 1日1ページでわかるクラシック音楽の魅力
1週間で7テーマ! 1年で「クラシック音楽」の虜になる!
本書には、いまでも多くの人に愛好されているクラシック音楽の名曲の数々を、より深く楽しむための知識や情報を盛り込みました。366の名曲を、「音楽史」「主題」「ジャンル」「逸話」「作曲・演奏」「周辺」「謎」といった7つの共通テーマで考察・解析・推理・解説します。

1923年に作曲された弦楽四重奏曲。
"逸話"ということで、タイトルにある『クロイツェル・ソナタ』というのは、トルストイの小説に触発されて手がけたもの。
トルストイの小説では、不義を働いた妻は罰せられても仕方がないと、断罪されてしまいましたが、ヤナーチェクは、音楽を通じて結ばれ真実の愛を守り通そうとした妻は、誰にも責められるべきではないという抗議の思いを込めて、楽曲を手がけたそうです。

なにもかも初見初聴でしたが、凄まじい楽曲ですね。
複雑怪奇な旋律で、展開がめまぐるしく破天荒。
いままで聴いてきたどの音楽にも属さないようなセンスで、端倪すべからざる音楽家と言わざるをえません。
スコアが確認できたので、それを見ながら演奏を聴くと、ことの異常さに「ちょっとまってよ〜・・・すごすぎない?」と悶絶してしまいます。
これを演奏できる演奏家どんだけいんのよ?
と思ったらけっこういるんかい!?と。
その演奏を見聞きすると、人間の能力はこの曲が演奏できるほど発達できることに驚き、『スゴいね 人体♡』と感動してしまいます。

4楽章構成で約15分〜18分、揺れ動く精神世界の描写を4パートがさまざまに弾き倒す。
この時間をつくれるようになるために、どれほどの経験を積んできたのでしょうか。正直、心地よい音楽とは言えませんが、とにかくすごいことをやっていることはビジビジ伝わってきます。
なにより驚くのは、不協和音のような感慨をもたらしながらも、聴くに堪えない音がまったくないというところです。
4人が技術をもち、調和がとれる人物であり、そして楽曲が素晴らしいということにほかありません。
知れば知るほどドラマチックな楽曲であるということも、さらに味わい深く愉しませてくれます。

今日の楽曲はまさに音楽観を鍛えさせてもらったというものでした。
また明日も驚きの楽曲がきそうなので、この本を読んでから毎日ワクワクできますね。

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