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身体と空気感とデータ

ここ2週間とちょっと、フランスのコンテンポラリーダンサーのPhilippe Chehere(フィリップ・シェール)さんと山形のコンテンポラリーダンサーの佐藤あゆ子さんに誘ってもらって、動画に収めた短い身体表現に音をつける、音に身体表現を入れてという感じでデータのやり取りをしながら楽しく作ろうという試みでやっている。

以前、お二人とは新潟越後妻有アートトリエンナーレで、現代舞踏家の森繁哉氏による作品の数々で共演させてもらい知り合った表現者たち。
これまでは現場、その場で空気感などを共有しながら、即興的に音を作っていったけれど今回は映像データでじっくりと見つつ、比較して、ああでも無いこうでも無いと考える感じの制作。

というか、最近はこの作り方が殆どで、いただくお仕事も8割くらいは映像なり音源などの素材データを戴いて制作する。でも、彼らとはなんとなくもっと空気感を共有したいという欲求が溢れてくる、だからまた考え込んでしまうというスパイラルに嵌りつつ。

この音はどうかなと、思った素材になる音をフィールドレコーディングで録音しに行ったり、家中の楽器を鳴らしてみたりと。それらをDAWに入れ込んで映像見ながら音を入れたり抜いたり。でも、何かしっくりこない。

そんなこんなで2週間近く経ったのにあまり進まなくて、ああっとなってしまう。考えるの止めて好きにいつもならこうだなと、ライブをする時のセッティングでギターに持ち替えて演奏する。一番しっくり来る。
それをきっかけに、次々と音が見えてくる感じで録音自体は1日で止まっていた部分を全部終えることができる。

これまでの2週間は一体・・・と思うも、きっとあの試行錯誤が無かったらこういう風にも弾けなかったかもしれないなと思い返して、音を仕上げていく。

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同じ空気を共有しないからこそできる制作というか、データ上でお互いが探り合って寄り添い合う感じというものを体験しつつ、自覚した新し目の感覚も育てていきたいなと思う、数週間。

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