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おがつのね - sounds of ogatsu

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2021年7月22日〜8月30日に開催されてた企画展「おがつの匂い」の会場音楽制作のお話から進化し、サウンドスケープと音楽、映像になり出展した作品のシリーズ。「匂い」と「石」は2… もっと読む
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企画展 おがつの【匂い】【石】【祭り】(2021年〜2022年)と「おがつのね(音)」

2021年夏〜2022年春にかけて石巻市雄勝町を表す水産、石、芸能をそれぞれテーマに、過去と現在を展示し未来を住民視点から照らす内容の企画展がありました。2021年7月に主に漁業、水産、暮らしをテーマの「おがつの匂い」、2022年1月に雄勝石の硯やスレートの産業をテーマにした「おがつの石」、2月には雄勝法印神楽を中心に郷土芸能や神社の祭りをテーマにした「おがつの祭り」。 その企画展がきっかけで始まった映像、サウンドスケープとアンビエントの作品「おがつのね」を一つ一つ制作後記

おがつのね-匂い #01 立浜 - 穏やかな風景|01 ogatsu no ne #01 tachihama - calm scenery

ミュージックトラックはBandcampから視聴、ダウンロードできます。 制作後記: この映像は、2021年5月にこの企画展での会場音楽など話をもらってから改めて雄勝を巡ってレコーダーやiPhoneカメラを構えて普段よりじっくりと一つ一つの場所やものなど丁寧に見て回り始めた時のものです。 動画の海は、確か大須から羽坂、桑浜を回った後に立ち寄った立浜の漁港。ここは普段はあまり来ることも少なくて、大体は春にある北野神社の例大祭の時に神輿渡御で漁港へ来て、そこで雄勝法印神楽の奉納

おがつのね-匂い 幕間01 - 熊沢の水面 02 ogatsu no ne - interlude 01 - water surface (kumazawa)

制作後記: これは、始めのロケハン時に熊沢地区に行った時、集落のおじさん達が収穫した昆布を茹でる作業中でした。その作業もとても興味深くiPhoneで撮影させてもらえて一段落した時にふと漁港の水面に目を落としたら、波に昆布などの海藻がユラユラと、水面の揺れと光が入って落ちた先の石のユラユラが気持ち良くて、これもiPhoneで撮っていました。 後日しっかり時間作ってもう一度撮りに、三脚とマイクもしっかり持って行ってみるとあの海藻たちはもうどこかへ行ってしまい、ただただ水面がゆら

おがつのね-匂い #02 小島 - ある漁師の日常 ogatsu no ne #02 ojima - a daily life of the fisherman

MusicトラックはこちらのBandcampから視聴、ダウンロードできます。 制作後記: 創作和太鼓や郷土芸能関係のイベントなどでもいつもお世話になっている小島の漁師さんにお願いをして銀鮭養殖の朝の作業に同行させてもらえることになる。 企画展の総合監督かつ「おがつクリエイティ部」という様々な媒体の広告物や映像や写真のアーカイブを作っていく自主的な個人の集まり、、的な?(笑)曖昧な衆の中心人物である中村真菜美ちゃん。(メンバーは僕と中村真菜美ちゃんと、画家の宮本悠合の三人く

おがつのね-匂い #05 原〜唐桑 - 循環する水 #05 hara-karakuwa - water circulation

MusicトラックはこちらのBandcampから視聴、ダウンロードできます。 制作後記: 雄勝は海の町。その豊かな海の水はどこからどこから来て、海に還っていくのかを追いかけることをテーマに水を追いかけてみることに。先にゴールを雄勝湾と決めて、まずは雄勝湾に出る水源。一番わかり易い水源はやはり山の神の水、その上の原地区の大原川へ流れる渓流。天気を見ながら数日足を運び撮影しながら録音。晴れ、曇、小雨といろいろな表情を撮れる。しかし雨のザーザー降るタイミングを撮りたいのだけれど中

おがつのね-匂い #06 船越 - ウニ漁 潜り #06 funakoshi - diving for sea urchins

MusicトラックはこちらのBandcampから視聴、ダウンロードできます。 制作後記: 実は、自分が現場に行かないで、別の人が撮った映像をもらって編集して音をつけるという事自体が初めてでもあったので始めは少し緊張というか、色々と考えてしまって、少し手が止まっていました。きっとどのカットも重要に違いないと、切り捨てることができませんでした。 船越地区のウニ漁は潜水漁。僕は別件の用事と重なってしまい現場に殆ど行けず、こちらの撮影の大部分は中村真菜美ちゃんが撮影。地元の漁師達

おがつのね #08 小島 - ウミノイキモノタチ ogatsu no ne #08 ojima - sea creatures

MusicトラックはこちらのBandcampから視聴、ダウンロードできます。 「おがつのね-匂い #02 小島 - ある漁師の日常」でもお世話になった小島の漁師さんの浜にいる様々な生き物にフォーカスした作品を作りました。 中村真菜美ちゃんから「◯日の◯時に小島に行って撮りにいけるけど大丈夫?」という、テーマとかの詳しい説明はなくロケ日の確認。おそらく現場で感じてくれということなんだろうと、返答して一緒に行く。いつも一緒に遊んでくれる石巻のモウリさんも合流してカナディアンカ

おがつのね-匂い #09 雄勝の盆(2021年) - #09 obon of ogatsu(2021)

MusicトラックはこちらのBandcampから視聴、ダウンロードできます。 制作後記: このお盆の映像は、その場の音を使った作品というよりおがつのねシリーズの中でも記録性の高い作品に仕上がったかなと思います。 水難者への供養を行う8月のお盆。雄勝のお盆自体、初めて参加したのは2014年で、僕も雄勝の伊達の黒船太鼓で地域に関わるようになってから一年、復興応援隊で活動していて、その時に夏に大切にしている行事なので手伝いをさせてもらっていました。(復興応援隊は東日本大震災後に各

おがつのね-匂い #11 波板 - 営み(海岸清掃、波板石採石)- #11 namiita - a daily work (beach cleaning, slate quarrying)

MusicトラックはこちらのBandcampから視聴、ダウンロードできます。 制作後記: 雄勝町内でさらに隠れた名所だと思う波板。文字通り限界集落になっている場所でもあります。2014年の復興応援隊の時に波板の住民さんたちと知り合い、どうにかして若い人達に来てもらえる場をつくらなければと色々と力を合わせて活動している方々の地域。 小さな海岸があり、そこで海岸清掃をし、集会場になっている交流館で一服し、その後雄勝石の波板石が採れるところへ硯、石工芸の若人を連れて石をとりに出か

おがつのね-石 石​眠​る​山 夏 - 波板- The mountain where sleeping stone are (Summer​-​Namiita)

MusicトラックはこちらのBandcampから視聴、ダウンロードできます。 制作後記: 企画展「おがつの匂い」に続く展示「おがつの石」の会場でも、石をテーマにした「おがつのね」続投することになり、石と若い工人さんを追いかけて映像と音を拾いにいきました。その第一弾。 雄勝石の産地の一つの波板地区。夏は自然も元気で様々な生物が顔を出し賑やかな山の中。緑色が最も濃い時期。岩肌が出ているところに色々な緑が茂って、池のような大きな水たまりにはその緑色の景色が反射してどこまでも続い