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隠れた名作アルバム。Jimmy Webb「Suspending Disbelief」

Glenn Campbellが亡くなってしまったのは、もう5年以上前のことだろうか。カントリーミュージックだけにとどまらず、数々の名曲を歌い続けた偉大なシンガーであり、凄腕のギタリストでもあった。

Glenn Campbellのギタリストとしての側面は、あまり多くは語られてこなかったのかもしれないが、彼は元々スタジオミュージシャン、それも売れっ子のプレーヤーであった。
ビーチボーイズをはじめとして、多くのアルバムで彼はギターを弾いている。私もあまり詳しくはないのでその辺りはもっと詳しい方に譲るとしても、彼のソロキャリアの中でのギタープレイもなかなか印象的なフレーズがたくさん残っている。

Glenn Campbellのソロキャリアを語るとき、やはりどうしても語らずには居れないのは名ソングライターであるJimmy Webbの存在だろう。Glenn Campbellのヒット曲の多くがJimmy Webbの手によるものである。Jimmy Webb自身もシンガー・ソングライターとして数多くのアルバムを出している。

Glenn Campbellの遺作となったアルバム「Adios」の収録曲のうち4曲がJimmy Webbの作品というのもどこか象徴的な印象を受ける。その「Adios」のタイトル曲もJimmy Webbの作品である。そして、そのアルバムに収録されている4曲ともがJimmy Webbの一枚のアルバム「Suspending Disbelief」に収録されている曲であるというのも、どこか象徴的である。

この「Suspending Disbelief」というアルバムは、静かな名作である。Jimmy Webbのソングライティングの素晴らしさが存分に発揮されている。Glen Campbellの「Adios」に収録されている4曲も、それ以外の曲もどれもが凛としていて、少し哀愁を帯びている。Jimmy Webb自身のピアノの音も美しい。

このアルバムは、彼のキャリアの中でも比較的有名ではないアルバムなのだけれど、彼のセルフカバー集「Ten easy pieces」と並んで私の愛聴盤である。

このアルバムのプロデューサーはリンダ・ロンシュタットとジョージ・マッセンバーグなのだが、そのあたりもこのアルバムを名作にした所以かもしれない。

いずれにしても、一度聞いていただいて損はないアルバムだと思う。Jimmy Webbの回しものではないが、ぜひ聴いていただきたい。

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