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「弱さと向き合う時間は、継続して作っていきたい」|コーチにアセスメントコーチングの感想を聞いてみた【後編】

cotree編集部のほそのです。第4弾前編に引き続き、cotreeでコーチとして働くもぎさんへのインタビュー。アセスメントコーチングの感想を伺うなかでこぼれ落ちた「自信のなさ」という言葉を起点に、もぎさんの幼少期からコーチ職に就くまでのお話です。

もぎさんってこんな人
cotreeコーチ。東京大学卒業後、国家公務員の資格を取得し行政機関に入省。適応障害になった経験などから、興味関心の対象が社会課題から個人の内面やメンタルヘルスの領域に変化し、コーチングとカウンセリングを垣根なく扱う支援を目指す。


「自信がない自分」を「マジメでいること」で保っていた過去

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——もぎさんは「自信のなさ」と仰っていましたよね。しかし、経歴をお聞きしていると、東京大学に進学したり国家公務員の資格を取得し農林水産省で働いたりなど、いわゆるエリートコースを歩んでいるように個人的には見えます

もぎ:そう見えるかもしれませんね。それこそ「マジメでいないとこわい」というところがあったんだなと思います。「期待に応えなきゃ」みたいな。基本的に物心ついた頃から自信のない人間だったんです。幼稚園のお遊戯会の写真なんかを見ても、すごく自信なさそうな顔で立っていて。

だから、軽口の冗談や批判にもグサッときやすい。ベースにそういうぼくがいるんです。じゃあどうしたら批判されず、安心・安全を確保できるかといったら、マジメでいる方が穏やかだなって。

——だれからも文句をいわれないようにとマジメであることを選択してしまう。

もぎ:あ、それ近い。こう行動すれば文句をいわれないだろうの延長です。

——就職先を決めるときも同じように?

もぎ:それも半分ありますね。ポジティブに社会貢献や社会課題の解決をしていきたいという理由もありましたが。

違和感に対し「行動できていない自分」と向き合いった先で出会ったコーチング

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——そんなもぎさんがコーチの職を選ぶわけですよね。それには、どういった経緯が……?

もぎ:いざ入省して仕事をはじめると、被災地の風評被害や豊洲の問題など大きな課題がありました。結局4年ほど勤めたのですが、国の立場からやれることは、公平性の担保や取れるリスク、使える資源の観点からとても限られていて。結局、対症療法的な対応となり、本質的な課題解決ができないというもどかしい状況にモヤモヤがたまりっぱなしで。

この厄介さの根っこは、政策的にどうこうするよりも心理学的なところの方が大きいんじゃないか? ということを思いはじめて、転職や留学を考えはじめたり、専門書を読んだりして興味関心を広げていきました。

——なるほど。

もぎ:その時にエドガー・H・シャインの「謙虚なコンサルティング」(金井壽宏 監修 野津智子 翻訳、英治出版 、2017年)という本を読んだんです。問いかけを通じていい姿勢で問いかけていると相手から勝手に答えが出てくるみたいなことが書いてあって、このスタンスがすごくいいなって。

——コーチング的な姿勢ですよね。

もぎ:そうですね、それは後から気が付いたという感じだけど。転職先のひとつとして、コンサルティングも考えていたのですが自分から介入して変えるというよりも触媒的に変わるみたいな姿勢が自分の性格には合っているなということには気がつきました。

——働く中での違和感から徐々に興味関心を広げていった、と。

もぎ:そうですね。ただ同時に、行動できていない自分にも気が付いて「なんて厄介なんだ自分は」と。

それで、当時たまたまコーチングの会社にいた友人にいろいろと教えてもらったことがぼくの興味と合致していた。はじめは好奇心で、「とりあえず、面白そうだからコーチングを受けてみよう」という感じで10回続けて受けることになったんですよ。

——いい偶然ですね。その時のコーチングはどうでしたか?

もぎ:課題としては「転職か留学か」と、目の前の選択について扱っていました。「結局、ぼくは何をしたいんだろう」という問いを何回かに分けて話すなかで、これは譲りたくないという価値観みたいなものがおぼろげながら見えてきたって感じなんですね。

——譲りたくない価値観というと。

もぎ:好奇心を発揮したいとか、ぼくにとって貢献するって大事なんだなとか。例えば目の前に悩んでいる人がいると、自分にも何か力になれることはないかとつい考えたり調べたりしていて。それが実際に相手のためになった時はとても嬉しかったんです。

それと照らし合わせてみた時に留学という選択肢は合っていないと理解して。コーチング自体は、ひとりで四六時中悩むこととは質が違っていて「自分と主体的に向き合えている」とな、と。

——そこで前編で語っていただいた自信のなさや行動ができないといったもぎさんの自身の中にある「弱さ」が、徐々に浮き彫りになったのでしょうか?

もぎ:国家公務員として働いている時は、目の前の仕事に必死で自分自身の問題に切実ではなかったんですよね。そういった幼稚園の頃から変わっていないというような部分に対し、実際は切実だったと思うんですけど、そこをどうこうしようと思ってこなかった。

それまでは自分がどうこうというよりも、求められているものにどう答えるかとか、他者視点で決めていて。ただ、激務のなか働き続けてメンタルが消耗している自覚があったのですが、そこに目がいかなかったというか……。その後に適応障害という診断を受けるんだけれど。

——ずっともぎさんの中にはあったけれど顕在化した、と。

もぎ:そうですね。もうひとつ、2017年には子どもが生まれて。仕事の忙しい時期と子どもが生まれた時期が重なり、自分の時間がゼロになったんですよ。そしたら「やりたかったことこれでいいんだっけ。このままでは、まずいぞ」と、ようやく動き出した。

自分自身と素直に向き合う時間は継続して作っていきたい

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——コーチングを受けた体験は直接「コーチとして働くぞ!」という決断につながるんですか?

もぎ:実は最初からコーチになろうと決めていたわけではなく、本当に好奇心ベースだったんですね。受けるのも面白いし、これは学んでおきたいなというのもあったし。仕事にするかどうかは置いておいても、こういう形での他者への貢献の仕方は、今後の人生でできるようになりたいなと思っていたんです。

——譲りたくない部分も見えて好奇心もあるし。

もぎ:それです。コーチとして転職する可能性もあるかもしれないしいつかな、と。そこでもまたコーチングを10回に渡って受けていますね。

——2回目のコーチングですね。では大きく分けて、転職に悩んでいた時期、コーチングを学んでいた時期、cotreeでのアセスメントコーチングと3回受けているわけですよね。それぞれ、どうでした?

もぎ:それぞれ…… どうだったんだろうな。むずかしいですね。何を得たかっていう観点もあるだろうし。

——たしかに。「どういう時間だったか」というところだと?

もぎ:一番はじめは「自分の主体性を回復する」という時間だった気がするんですよね。自分のためにちゃんと時間を作って、お金もかけて向き合う時間。

コーチングを学んでいた時期に受けたコーチングでは、「コーチングで何ができるのか」とか「このやり方だと何ができないのか」っていうところの瀬戸際を攻めていく時間になった。

直近のcotreeのアセスメントコーチングでは、以前のものに比べるとぼくが向き合いたい課題を素直に扱えたコーチングだったのかなっていう気はしますね。

——(前編で)もぎさんの仰っていた「弱さ」と向き合うことができたという感じですかね?

もぎ:そうですね。ただ、もっと素直に自分自身と向き合うためのコーチングは継続して受けたほうがいいとは思っています。

——一時的ではなく、向き合い続けるものかもしれませんね。

もぎ:うん。実は現在、コーチングを学んでいた会社にまたコーチングをお願いしはじめていて。でも、スキルを身につけるためなので、自分自身の課題についてではないんですよね。

だからやっぱり、cotreeのアセスメントコーチングも同じコーチにお願いしていきたいなと思いつつできていないのですが……もっと自分について扱う時間は、作っていきたいですね。

——コーチとしてのスキルと、もぎさん自身としてもですね。今日はありがとうございました。

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違和感を大切に向き合い続けた結果、職となり、ご自身と向き合える時間となり。弱さを受け入れたり変化し続けたりすることは、ときどきしんどいと感じることがあります。そういう時に、寄り添ってくれるコーチングがあることは心強く感じます。


最後までお読みいただき、ありがとうございます🌱 オンラインカウンセリング: https://cotree.jp/ アセスメントコーチング: https://as.cotree.jp/