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熊本県の農家さんと一緒に作ったお店

私の活動の一つ、熊本県から農家直送のお店「えと菜園オンラインショップ」について今日はご紹介させていただこうと思います。
コトモファームを立ち上げる前に、熊本県の農家の奥さんたち、ベーグル職人・安達さんや大学の同級生と一緒に作った小さなお店で、今は熊本県にいる弟と弟の後輩君が中心に取り組んでくれています。

えと菜園オンラインショップは、自然栽培・有機栽培から生まれたお米・野菜・小麦粉・米粉や、それらを材料に作ったベーグル・ジュースなどの商品を、熊本県直送便でお届けするお店です。

●オンラインショップが誕生した経緯

当時・自分も農家になることを目指していた私・小島が、故郷・熊本県の農家さんたちにお話を聞きにお伺いしていくうちに、奥さんたちと「もっと自分たちの栽培のこだわりを知ってもらえる方法で販売していこう!」と話が盛り上がり、一緒に、2006年に作った農家直送のオンラインショップ(旧・よかもん発見たい)です。その時は会社にもなっていなくて、活動のような形でスタートしました。
農家さんの顔がみえるだけでなく、お客様のお顔も見えるような小さな規模感で、
作っているのも『人』、食べているのも『人』―お客様には、農業の生産の現場を買い支えていただき、私たちは、お客様の食卓の安全を守るような、未来世代の食の安全や自然についても思いを馳せられるような規模・関係性を目指していこうと考えました。

なので、

①    農作物生産において再生産可能な価格設定
②    主食であるお米はお客様の食卓おいて安定供給可能な「年間契約(定期便)」もあり

で販売しています。決して安くはないですが、商品価値、農業や環境を守る価格設定という思いで設定しています。マニアックにこだわった一人一人の農家さんの現場をみたら、納得の価格だと私は思っています。


●大事にしていること
作っているのも「人」、食べているのも「人」だから。
「誰がどんな思いで作っているか伝えること」と「直送で商品を伝えること」

どこで誰がどんな思いで作っているかを大切にしているため、
お米にしても単に「熊本県産お米」、ではなく、「〇〇さんが●●というこだわりで作った◎◎という品種」というような形で販売しているため、お米だけでも、8農家さんの8種類のお米を販売しています。

●お米のページ

お米の定期便ー定期便(年間契約)のお客様のお米は1年間分、貯蔵庫で確保しているので、在庫切れになることはありません。(このスタイルで15年以上やってます。)


当店の商品は、熊本県の農家さんが自分で袋詰め、箱詰めし、農家からお客様へ直接お届けする商品が主流です。(※農家さんの農繁期や手が回らない場合に、熊本事務所から発送したり、即配送のようなスピードを重視するための対策として、出荷依頼により対応している商品も一部ございます。)

農家さんからお客様へ直送する配送方法を選択することで、大きく2つの目的があります。
1つは、8割以上のお客様が、東京・神奈川・大阪など、都会に住む消費者が中心なのですが、直接、農村の農家から商品が届くので、商品の作り手は、業者・メーカーではなく、「人間である」ということを感じてもらいたいという思いからです。
2つめは、逆に農家側にとって、「たった一人の人とその家族」に商品を発送するので、自分の農作物を買って食べているのは、市場ではなく、「人間である」ということを感じていただきたいからです。
「直送」をすれば、商品とお金の交換という無機質な関係から、「作るのも人」「食べるのも人」といった人間同士のコミュニティになることによって、一緒に未来の安心な食卓のこと、熊本県の自然のことなど考えていくパートナー関係になっていくのではと考えました。

② 「農を源は自然界」-熊本県の自然を守り、自然を感じられるような農作物を届けること

当店の商品は、全国的に見ても希少価値の高い農作物、有機認証を取得した農作物、自然栽培の農作物など多数ございます。農業ができているのは「自然の力」のおかげなので、環境循環型農業を心がける農家さんたちと商品企画したりしながら運営しています。

だいぶ前の動画ですが・・・農家さんも私も、わ、若い・・・!

自然栽培米の澤村さん。お米もかんきつも野菜も味が凝縮されていて感動します!


有機小麦粉&有機米の東さん。日本を代表する有機小麦農家さんです。

EM農法の田中さん。田中さんは、私が5歳くらいから知ってます(笑)
田中さんの私のイメージは「いつの間にかトラックの荷台に乗って遊んでいる元気すぎる子ども」だそうです(笑)

合鴨米の山本さん。カラスとの攻防戦の話(透明より黒のテグスがいいという)、畑でも参考にさせていただきました。


ついでにベーグル職人安達さんと一緒に撮影した動画も一緒に。彼女とは高校1年生からの柔道部の仲間。


●お店を立ち上げて嬉しかったこと
お米農家さんから、「毎月、お米を買ってくれるお客様がいるけど、注文量が増えたら、家族が増えたのかな、とか、お子さんが食べ盛りの年齢になったのかな、とか食卓に想像を馳せることができて楽しい。ありがとう。」といっていただけたこと、

●感謝したこと
天候不良で不作だったため、予約商品が欠品してしまい、お叱りを受けるのを覚悟でお客様に連絡したところ、「農家さん、生活大丈夫ですか?」と逆に心配いただいたことです。
あ、関係が人と人のつながりになってるって感じた瞬間でした。

●結局のところ
こうやってまとめてみると、結局のところ、最初は頭の中で「自分が思い描いた理想の世界」を具現化する方法としてお店とか農園とか、畑の理科実験教室とか、(違う団体ですが、就農支援のNPOなど)やっているなーと。

温かく支えてくださるお客様、農家さん、スタッフ、仲間などに感謝しながら、日々過ごさせてもらっています。
僅かでも次世代のお役に立てるよう取り組んでいきたいと思っておりますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。



●この記事を書いた人(文責)
小島 希世子
株式会社えと菜園 /NPO農スクール/
慶應義塾大学 環境情報学部 特別招聘准教授(非常勤)
神奈川県藤沢市の認定農業者として農業研修を提供中
体験農園コトモファーム湘南藤沢を運営中

書籍「農で輝く! ホームレスや引きこもりが人生を取り戻す奇跡の農園」(河出書房新社)

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