見出し画像

自分の提案を通すプレゼン術

ハーバードビジネスレビューに掲載されていた論文。「提案を通したいなら相手によってプレゼン方法を変えろ」という話なのだが、わかっちゃいるけど実践は難しい。アプローチを変えるためのフレームワークのお話。

完璧なプレゼンを相手に合わせてプレゼン(説得方法)を使い分ける

すきがないロジック、完璧なデータ、熱のこもったプレゼンをしたのに、提案が通らなかった。なぜ通らなかったのか具体的な理由がわからない。そんな経験をお持ちの方もいらっしゃるのでは。

議論の中身に気を取られるあまり、メッセージの伝え方を誤っていた、ということが原因であることがしばしばみられます。しかしこれは工夫次第で提案を通す可能性を飛躍的に高めることができるのです。

そのポイントは下記の2つ↓

1.プレゼン対象者の中から、「ここでのキーパーソン」を見抜いておく

2.そのキーパーソンの意思決定スタイルに合わせて論理を組み立てる

例えば、人によってはリスクを嫌う人もいれば、逆にリスクを追い求める人もいるように、相手のタイプに応じてプレゼン(説得方法)を使い分けて適切な表現や形式、順番で適切な情報を伝えていきます。

意思決定スタイルは5つのタイプがある

意思決定スタイルは主に「カリスマ」「思索者」「懐疑主義者」「追随者」「コントローラー」の5つ。キーパーソンの判断スタイルに合わせてプレゼンを進めている例は極めて少ない。

プレゼンの約80%は懐疑主義者・コントローラー向けになっているが、懐疑主義者・コントローラーの割合は全体の28%ほどしかいないらしい。

カリスマ

調査対象の25%を占める。新しいアイデアに出会うとすぐに心惹かれ、夢中になる。しかし、自身の経験から好き嫌いではなく、多彩な情報に基づいて最終判断をすべきという点を心得ている。リスクをとることを恐れない。情熱家、カリスマ的な魅力を持ち、力で他を圧倒する。

説得の秘訣:カリスマがアイデアに心奪われたとしても、あくまでも成果に焦点を当てながら説得を進める。わかりやすさ、率直さを前面に押し出し、特徴やメリットについては図などを用いてビジュアルに訴える。

キーワード:成果につながる、実績がある、行動や表情で示す、注目する、容易に実現できる、明快、フォーカス

思索者

全体の11%。5つのタイプの中で最も手ごわく、データで裏付けられた議論に大きな関心を示す。リスクを避けようとする傾向が極めて強く、時間をかけて判断を下す。思慮深く、知的。論理的で学者肌なのが特徴。

説得の秘訣:豊富なデータで武装することが肝心。思索者は市場調査・顧客調査・ケーススタディ・費用対効果分析など、ありとあらゆる情報を求め、提案内容をすべての角度から理解しようとする。

キーワード:品質、アカデミック、よく考える、数値・業績データ、知的、プラン、専門家、証拠

懐疑主義者

全体の19%。あらゆるデータに疑いの目を向け、とりわけ自身の世界観に反する情報には強い警戒感を抱く。往々にして攻撃的、あるいは戦闘的な姿勢をとる。要求水準が高く、付き合いにくい。型破り、革命児タイプであることが特徴。

説得の秘訣:できる限りの信頼を勝ち取るように手を尽くす。十分な信頼を得ていない場合は、プレゼンの当日までに対策を講じておく必要がある。説得相手から信頼されている人に力添えをしてもらうのも一つ。

キーワード:感じ取る、つかみ取る、影響力、実践、真実をさぐる、信頼、要求、常識を覆す

追随者

全体の36%。類似の状況で過去に自分がどのような意思決定を下したか、あるいは信頼する部下たちがどのように判断するのかを参考にする。リスクを避けようとする傾向が強い。責任感が強く、石橋をたたいて渡る。ブランドを重んじ、コスト意識が強い。

説得の秘訣:実績のある方法に強い関心を示すため、先例やお墨付きは心強い説得材料となる。このタイプは「自分の判断は正しい」と思えないと落ち着かないので、過去の成功事例などを示すと安心する。

キーワード:イノベーションをじつげんする、スピーディに、専門性、~に倣って、先例

コントローラー

全体の9%。不確実性や曖昧さを嫌い、純然たる事実と分析のみ関心を向ける。論理的、常時平静、鋭敏、細部へのこだわりが強く、分析志向。

説得の秘訣:理路整然とした説明によって信頼を築く。コントローラーは詳細を把握しようとするが、専門家による説明でなければ納得しない。提案内容を売り込みすぎるのは逆効果になる可能性もあるので、求めに応じて情報を揃え、あとは本人が納得するのを待つこと。

キーワード:詳細、時事る、根拠、論理、影響力、統制、実質を伴なった、つかみ取る、実行あるのみ

まずは自分の意思決定スタイルを把握することから

相手の意思決定スタイルは前述のとおり、5つのいずれかに当てはまるので各タイプに応じたプレゼンを準備して、、、という流れになると思うのですがその前に、まずは自分の意思決定スタイルを押さえておくと良いのでは。自分の意思決定タイプを踏まえ、プレゼンの進め方が自分の意思決定スタイルに合わせたものになってしまっていないか、なぜ自分にこのプロジェクトが任されたのか、ているのか、自分の視座を高めるきっかけにもなると思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?