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MBAの意味

MBAは意味があるのか?という議論はつきないと思います。MBA修了済みの人は自己否定をしない傾向があると思いますし、MBAを持っているのに仕事ができない(と見える)人がいるから無駄だ、という人もいますし、そもそもMBAとしても国内国外/フルタイムパートタイムと幅が広いと思うので、条件をきちんと揃えないとこの議論は平行線をたどる気がします。改めて自分にとってMBAはどうだったのか、振り返りとしてアウトプットしたいと思います。

MBA or Self learning? 

ハードスキルも学ぶために、そもそもMBAに行くべきなのか。MBAで学ぶの科目は学部レベルと呼ばれており、おそらく優秀な方であれば自習をすれば身につくスキルかもしれません。今はわかりやすい本もYouTubeもありますし、学んだことを仕事で使えばインプットとアウトプットを高速で繰り替えされるので、効率という観点とコスパという観点では非常に高い気がしております。

では、MBAは不要、かというと自分はそうではないかなあと思っています。一つ目の理由は、体系だった学習です。アカウンティングやらエコノミクスやらオペレーションやらマーケティングやら広範なハードスキルを一度に一気に勉強させれられるのがMBAの特徴かな、と思っています。大学側も意識しているみたいですが、それぞれの科目で学んだことが違う科目につながる、ということが多々ありました。いわゆる、これ、まるまるで学んだところだ!という感じです。例えば、戦略の授業でマクロ経済的知識は求められますし、国際ビジネスを考えるのにマーケティングの概念は重要になります。そもそも社会は複雑な事象が絡み合って出来ているので、その事象を分けたり組み合わせたりして学ぶことは本来当たり前なことかもしれないですし、学んだことが役立っている!と感じられる瞬間はテンションあがります。どのMBAも最終のアウトプットとして修論やらプロジェクトやらがありますが、今まで学んできたことをまとめて出し切れる、というのは効果的なアウトプットだと思いますし、役に立つと思います。

もう一点目は、大量のインプットとアウトプットの繰り返しをさせられる!という点です。自習で勉強すると、インプットの量を調整してしまう(あくまで自分の場合ですが、、)ことがあるのですが、大学院だと否応なしにたくさんのリーディング課題が与えられます。そして、アウトプットとして大量のグループディスカッション、プレゼンテーション、レポートが貸されます。このインプットとアウトプットの強制的繰り返しは深い理解につながる気がしています。決して授業を受けるだけではなく理解をするためのプロセスが整っていることがMBAの強みかなあと。

MBAネガティブな点はコスパですね。。月数十万もかかるので、ハードスキルを学ぶには効果的ですが、それだけを目的に考えるとコスパは最悪です。ハードのみならずソフトスキルだったり、その他の経験を得られることを考慮して、やっと費用感に見合うのかな、と思います。

Full time? Part time?

MBAは就労経験を前提にしているため、キャリアの空白を生んでしまう可能性があり、パートタイムで学ぶ方が多い印象です。国によってまちまちかと思いますが、オンライン&パートタイムは結構メジャーで、ネイティブが多く(オンラインでもネイティブは多かったです)、平均年齢が高い(立派なキャリアの人が多い)印象です。忙しくキャリアも充実しているが、更に学びたい、という思いがあるからでしょうか。素晴らしいですね。。

一方、フルタイムは少し年齢層が若くなり、グローバルの人が増える印象です。更に英語を鍛えたい、国際経験を持ちたい、というアジア人やキャリアを積みたいインド、アフリカの方々に比較的人気でした。どちらかが言うと、目的次第ですね。。個人的には、Full timeの良さは、自分のキャリアを探求する時間が持てることなので、何かキャリアを見直したい、と言う時間が欲しい人には向いている気がします。また、フルタイム/オフラインであれば色々な国の人と対面で話すことができるので、その人の振る舞い、自分との違いを学ぶ機会は得られるのかな、と思います。

フルタイムの問題はコスト、ですね。いわゆる逸失利益が発生します。年収1千万だった人は単純に1千万損します。ただ、個人的にはこの考えはあまり賛同できないです。生涯年収で見たら、確かに1千万を損しますが、大学浪人や留学による留年をする際にそこまで考えているのかと考える人はあまりいないと思います。重要なのはあくまでキャッシュフローかな、と。どうしても年齢を重ねるにつれてフローとしての支出が増えてしまいますが、キャッシュフロー が持つのであれば逸失利益についてあまり深刻に考えなくても良いと思います。損得を考えるのは大事ですが、逸失利益についてはあくまで絵に描いた餅とも言えますし、何かに挑戦をしたい場合は足かせになりかねないので程々に考えとくのが良いかと。。

国内国外?オンライン?

国内の大学院については、個人としてグロービスの単科生徒に参加した経験しかないので比較ができないのですが、ケースメインでハードスキルについては国内国外に変わりはないと思います。むしろ日本語の方がわかりやすい。。テキストは比較的薄めで、実務に役立つことにフォーカスしている印象を受けました(あくまで単科を撮っただけなので間違っていましたらすみません)。大学に異なると思うのですが、自分が学修した大学院ではジャーナルをたくさん読まされました。ジャーナルは、本当に細かい事象について正しいのか正しくないのか研究をしてたり、普遍的なモデルを見つけたりする研究をしたりしているのですが、そのジャーナルを学ぶことでテキスト・基本書レベル(いわゆるフレームワーク)の理解が深まったなあと思います。そのジャーナルの知識はケースディスカッションにも役立ちました。フレームワークも万能ではないので。決してアカデミックか実務か、と言うバイナリーな考え方はあまり賛同できなく、アカデミックはどちらかと言うと現象の研究やロジカルさの追求であり、実務はアウトプットかな、と考えているので、両者はポジションが違う概念だと思っています。ただ、大学院がどこまでアカデミック・リサーチに強いかは認定(トリプルクラウンとか)があったと思いますので、参考にされるのはアリかと思います。この考え方から言うと、重要なのは大学院の方針であって、国内国外についてはあまり差がないと思っています。

一方で、国内のメリットは他にもあります。例えば、国内企業のネットワークは生涯国内で生きていく上で意味があるかと思います。グロービスのYouTubeはよく見るのですが、セミナーで物凄い著名人が登壇をされたりしているのでうらやましいなあ。と思うことはあります。国外だとゲストスピーカーはすごい人が来るのですが、身近な企業ではないので、あまり凄さが実感できないことが多々ありました。。

国外については、ビジネスのものの見方がグローバルになりやすい、と言うメリットが大きいと思います。日本でビジネスをするとしてもサプライチェーンを考えるとグローバルは重要な観点なのですが、実際にインド、中国、アフリカの人たちに囲まれると、どうしても自分の考え方が日本起因だったなあと気付かされることありました。実際に出身の人たちとビジネスの議論を重ねるにつれて、考え方の枠を大きくできた気がしますし、日本に囚われないものの見方はビジネスチャンスを捕まえるのに役立つのではないでしょうか。

また、New NormalとしてオンラインMBAがポピュラーになると思います。オンラインMBAですが、かなりいいです。授業が効率的ですし、PPTも見やすい、質問もしやすい、ビデオも振り返りやすい、移動時間がない、などメリットがたくさんあります。ただ、授業の休み時間で友達と話す、と言ったアクティビティがないので友人は出来にくいかもしれません。。英語が苦手な人は尚更英語を鍛えるシーンオフラインよりも少なくなると思います。ただ、英語を学ぶためにMBAへ行くことは、気持ちはめっちゃわかるのですが、効率が良い、とは言えないので、英語ができる前提でオンラインで学ぶ、と言うのはMBAの効率をよくするかと思います。結果的に、目的がMBA科目をグローバルの感覚含めて学びたい=国外のMBAをオンライン、が最強かもしれません。(モチベーション管理は別の話ですが。)

起業するならMBAは不要?

この意見は、結構ポピュラーなのですが、クラスメートの起業希望の子にとって意外にMBAはサポートとお金の面で役立ちそうです。

お金の面については、ビジコンに出れる機会が多いです。学校主体も多いので、おそらく大学院生がメインになり、そこで入賞すれば支援金をもらえます。クラスメートは結構な数のビジコンで入賞していて資金準備をしていたので、賢いなあ、と考えていました。

もう一つはサポートですね。いわゆる壁打ちを有名教授やらエクゼクティブのアルムナイがしてくれます。このネットワークはかなり貴重な経験かなあと。学ぶ前に始めろ、失敗したらピボットしろ と言う意見も正しいと思いますが、きちんと学んで意見をもらえることで多少の失敗は回避できるはずなので、結果的にMBAは遠回りのようで近道になる可能性があります。

また、イギリスだとMBAで学修している間に起業家ビザを得られる機会があります。MBAを出た国で起業をしたい、と言う人はありかもしれません。国内で起業したいから国内でMBAも選択肢として合理的だと思います。


長くなってしまいましたが、自分の意見としてまとめておきます。MBAは応用よりも基礎研究みたいなもので効果はすぐ出ないかもしれませんが、ここMBAで学んだことだ!みたいに役に立ったら良いなあと考えています。

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