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Industry-Up Days : Spring 2021 オープニング&キーノート

いよいよDay1のスタート。
Day1のテーマは、「ライフデザインのトランスフォーメーション」です。
「100個の新産業を創る」から始まり、実際に活動し始めて、新産業を創るためのテーマを創る「勇者」が現れ、そして共感する仲間が集まり「クエスト」、そしてその仲間が活動してきた成果を「Industry-Up Days」で知ることができます。
毎回、順調に進んでいること、壁にぶつかっていることが、リアリティをもって報告されるので、非常にワクワクする3日間のカンファレンスがスタートしました。

オープニング。
「新産業は創れる。」ということを確信しました。
これまでは個社ごとの新規事業と、「新産業」を創ることの違いが論点であり、それができるという前提では話をきくことができませんでしたが、今回のカンファレンスではオープニングで「新産業は創れる。」というメッセージが強く伝わってきました。

確信した理由は、3つあります。
1つは、SUNDREDが「創りたい未来」、「あるべき未来」に対して、新産業を創るために必要な方程式と新産業を創るための仕組みについて、リアリティをもって自分で理解できたからです。
おそらくこの新産業を創るための方程式とその仕組みについては以前も説明していたのだと思いますが、私自身が腹落ちして理解できてなかっただけなのかもしれません。

新産業を創るための方程式とは、
1.対話による目的の共創
2.共感でつながるチーム
3.エコシステムの構築

新産業を創るための仕組みとは、
1.新産業共創プロセスの開発
2.新産業共創プロジェクト
3.インタープレナーのコミュニティ
4.新産業共創コンセプトの普及

2つめは、新産業を創るプロセスが具体的に動きだしたというメッセージが強く伝わってきたからです。
この2年間で12個の新産業プロジェクトが動いており、新産業を創るために必要な越境する社会人「インタープレナー」のコミュニティが立ち上がり、より一層この流れが加速することを予感させる状態になっているからです。

3つめは、SUNDREDとして考えている新産業を創る仕組みが機能し始めて、プロジェクトが進捗する中で、ソーシャルインパクトと財務インパクトの両面からビジネスとして評価できるところまできたからです。


キーノート: 対話で生まれる新しい人生デザイン
テーマは「対話」、そして「対聴」

篠田真貴子さん(エール株式会社取締役)
白波瀬章さん(西日本電信電話株式会社取締役)
角勝さん(株式会社フィラメント代表取締役CEO)
留目真伸さん(SUNDRED株式会社代表取締役)

「新産業を創る」を考える背景には、新規事業を個社で起こす限界と、社会課題を個社で解決することの難しさがあり、社会課題を起点に社会課題を解決したいと思う人たちが集まり、みんなで一緒になって考える必要があると、社会課題の解決に取り組んでいる人たちは感じていると思います。

目的をもった人たちが共創するためには、お互いの考え方をぶつけ、お互いを理解する必要があります。それが「対話」です。
お互いが理解し、協力していくための対話は、オープンかつフラットな関係が必要であり、そのような環境が重要になります。このオープンかつフラットな環境が、既存の組織や会社という枠の中で、実現することが難しいので、それを実現する方法の1つが「対聴」となります。

「対聴」とは、話し手と聞き手とのコミュニケーションにおいて、聞き手が判断しながら聞くのではなく、判断しながらではなく、話し手の意図を肯定的にとらえながら「聴く」ということなります。つまりは、話し手に心理的安全性を提供しコミュニケーションを行うこととなります。

今、なぜ「対聴」が求められているかというと、
1)価値創造のプロセスが変わっている
これまでの価値創造は個社という枠組みで課題を解決し、価値を創出することができていましたが、今の時代は社会とのつながりによって価値創造がされ、組織という枠がない流動的な関係の中から価値が創出される時代になっています。つまり、組織という固定的な関係の中だけに閉じて、新しい価値を創造することが難しくなり、組織を超えた関係を構築しながら、新しい価値が生み出す必要がある時代になっているので、常に外部の組織(枠をはずれた関係)の人たちとコミュニケーション、「対聴」が求められています。

2)外の世界と関係を持ちつづける必要がある
自分が所属する組織の外の人たちとコミュニケーションをするためには、相手に興味を持ち続けることが重要です。そのためには「面白がり力」が必要になります。

3)みんなが同じ価値観で動いていない
社会との関係が固定的であれば、考え方も画一的な思考で組織も機能しましたが、社会との関係が流動的になると、多様な考え方が広がるため、相手は同じ考え方なのかを聴いてみないとわからりません。だから、まずは相手の意見を聴いてみる必要があり、話すだけでなく、相手の意見を肯定的に受け入れる「対聴」が必要です。そのためには、常に自分をポジティブな状態にして、いつでもコミュニケーションができるように準備しておくことが必要となります。

共創、そして新産業を創るために必要なことは?
1)自分の持ち場を自分で決めない
社会環境が大きく変わっているとき、自分の持ち場(担当や専門)を自分で決めてしまうと、自分の行動範囲、対応範囲が狭まる可能性があり、その結果変化に柔軟に対応することができなくなります。周りの環境変化により、主体的な行動と客体的な行動の境界が曖昧になります。だから、自分の持ち場をあらかじめ決めずに、主体的に行動することで、変化に対して柔軟に対応することができるようになります。

2)仮説に合致するところを探すのではなく、社会に対聴し、一緒に課題を考える時代
従来の新規事業は仮説に対するソリューションを作り、そのソリューションがはまる顧客を探していましたが、今の時代はそのやり方が通用しなくなっています。まず課題をもつ人に話を聞きにいき、そのヒアリングから課題をみつけ、その課題を一緒に考えて解決することが求められています。これは当たり前のことを言っているようですが、より多くの顧客に、より多く提供しようとする事業ではなかなかこれは実現できてないように思います。

3)自分ごととして考える
社会環境の変化によって「会社」の存在、位置づけが変化し、会社に属する個人の位置づけも変わっています。そのような時代、今自分が取り組んでいることが、やらされていることなのか、自分ごとして活動しているかは大きな違いです。
大企業では自分がやりたいことを最初からやれている人は少ないかもしれないが、やらなければならないことをカタチにしていくことで、やらなければならないことがやりたいことに変わることもある。それは自分ごととして取り組んでいるかどうかが重要になる。そのとき大きな意味をもつのが、その取り組みに係る人がきっかけで、やりたいことに変わるのだと。


Day1オープニング、キーノートについてレポートさせて頂きました。
非常に内容が深く、いろいろなことを考えさせられる事が多く、なかなか概念的なところも多いため、私の文章で「新産業を創れる。」という高揚感をお伝えできているか不安なので、ぜひ明日、明後日のカンファレンスに参加して体験されることをお勧めします。
きっと「新産業を創る」という意味を理解することができ、そして一緒に新産業を創る活動ができるのではないかと思います。

今日から3日間、あと2日はこんなテーマで
Day2 新産業の科学 エコシステム発想の事業開発
Day3 起業家は新産業の夢を見るか?
https://www.industry-up.com/conference-vol-4

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