「驚異の国内外箔 5色箔押し」

こんにちは、現場の前田です。

今回ご紹介するのは、アートディレクター森田明宏さまのデザインによる、5色箔押しの超見当合わせ（ 位置合わせ ）年賀状です。

写真はグラフィック面。4色箔押しによるものです。

こちらの年賀状の両面に描かれている絵は、年賀状のご依頼主である田中恒太郎さまのご子息様によって描かれた絵だそうです！

筆による色の滲みやかすれ具合など、なるべく原画に精密に近づけるため、データ上で網点とベタ面（ 塗りつぶされた面積の大きい部分 ）の比率を微調整したうえで版を製作しています。


箔色は両面合わせてボリューム満点！

現場で加工する際、
目視で加工順・箔押しで使用する金属版が分かるように
色玉にナンバーを振るちょっとした工夫も

こだわりの5色の箔は国内・国外の箔メーカーの箔材をミックスして使用し、抜き加工も含めて年賀状全体で全6工程の加工を施しています。

また、使用した紙は白色度の高い、高白ラフドリームをセレクト。真っ白な紙が鮮やかな箔色をより引き立てるのに一役かってくれております。

1工程目
宛名面 ： LUXOR-314 のレッドメタリック箔

2〜5工程目
グラフィック面 ： ①メタリックピンク ⇒ ②シルキールージュ ⇒
③LUXOR-391 のブルーメタリック箔 ⇒ ④LUXOR-377 の黒銀箔

6工程目 ： 抜き加工

仕上りトンボを目印に抜き型を使用して、1枚1枚型抜き加工

1工程目の宛名面は、
パキッとした色合いのレッドメタリック箔で、かわいらしいイラスト部分がくっきりと見えるよう調整し加工しています。

2〜5工程目のグラフィック面は、
4色の箔の見当合わせになっております。押し位置の合わせ方が少しでもズレてしまうと絵柄の線がブレて見えてしまうため、特に注意をはらいながら1枚1枚手作業で、位置を目視で調整・確認しながら加工しています。

4版（ 4色箔 ）の箔押し位置をトンボの重なり具合を目視で確認

めずらしい箔色の組み合わせに、完成形がどう見えるのかと想像を膨らませます。1色1色箔を重ねるごとに変化する様にワクワクし、楽しみながら加工させていただきました。

仕上がりは重なり合った箔同士の網点部分からのぞく、別の箔色による、独特の色合いと光彩が目に飛び込んできます。

それぞれの箔の光沢感によって原画の力強い筆跡を表現できたのではないかと思います。そして箔押し特有の印圧による凹凸具合によって、なかなかお目にかかれない箔押し年賀状に仕上がりました！

粒子のような粗目感と箔と箔が重なり合うことで
独特の立体感と物質感を感じさせてくれます

森田さま、田中さま、この度は素敵な年賀状のお手伝いをさせていただきまして、ありがとうございました！

- Credit -
Client ： 田中恒太郎
Design ： 森田明宏
Print ： Cosmotech Inc.

- 仕様 -
用紙 ： 高白ラフドリーム 4/6判T目<310kg>
表面 ： グラフィック面（ 4色箔押し ）
裏面 ： 宛名面（ 1色箔押し ）
仕上 ： 型抜き

【 箔押し加工 】
有限会社コスモテック 現場リーダー 前田瑠璃
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL：03-5916-8360 / FAX：03-5916-8362