「FRANCK MULLER グリーティングカード」
こんにちは、現場の前田です。
今回お手伝いさせていただいたのは、スイス高級機械式時計メーカー『 FRANCK MULLER( フランク ミュラー ) 』 の日本輸入代理店、ワールド通商株式会社さまからご依頼いただいたグリーティングカードです。
光栄なことに、今回はコスモテックは加工だけではなくデザインにも携わらせていただきました。
前田がデザインした、加工に使用する「 テクスチャー 」 の金属版
手仕事へのこだわり
「 豪華で煌びやかな印象にしたい 」 というご要望でしたので、箔の煌びやかさを存分に活かせるようなデザインを心がけました。
皆さんもご存知のように、フランク ミュラーの時計には、近代的な先端技術だけでなく、伝統的な手作業による職人技術が欠かせません。
テクスチャー作りも手作業で行い。繰り返し検証。
このクラフトマンシップに感銘を受け、デザインの段階からいつも以上に手仕事を意識して取り組みました。
まずは自分の手で筆などを使用してテクスチャパターンをいくつか作り、フランク ミュラーのトレードマークとも言える “ビザン数字” のイメージに合うテクスチャを選びました。
紙はグムンドコットンを使用
紙は、フランク ミュラーの素材へのこだわりや時計の美しさから、白色度の高いグムンドコットン マックスホワイト 420kgを使用しています。
グムンドコットンはコットン100%のファインペーパーで、肌触りの良いコットンのふかふかとしたやわらかさと強度をあわせ持っています。活版印刷、箔押し、そして今回のように圧を強めに押すような凸凹表現等を美しく仕上げられます。
1枚の紙に6回加工すること
加工は1枚に対して、箔押しから抜き加工まで合わせて、なんと6工程!
盛りに盛ったゴージャスな仕様にしています。
表面は
① 消し金No.108(数字)
② LUXOR377(数字)
③ コーヒーブラウン(数字の中のテクスチャ)
④ P-7白箔(数字の周りのテクスチャ)
表面の加工に使用した金属版は4版構成
裏面は
⑤ 消し金No.108(ロゴマーク)
⑥ 抜き加工
①〜③は特に見当合わせ( 位置合わせ )が難しく、細心の注意をはらいながら作業しました。
消し金No.108 の少し薄い色合いのツヤのない金箔と LUXOR377 のチタンのように渋めに光る黒銀箔、そこにテクスチャをコーヒーブラウン箔でのせることで、3色もの箔を使用していながら、まとまりのある落ち着いた雰囲気に仕上がっています。
“ビザン数字” には3色の箔の光彩が混じり合って輝く
④の数字の周りのテクスチャ部分には、白箔で圧を強めに押してボコボコとした陰影を付けています。
白箔と紙地の色は同じ白色でも質感に違いがあるため、圧を強めに押すことによって平面でありながら奥行き、立体感を感じられるようにしています。
“ビザン数字” の輪郭をさり気無く囲む繊細な箔の線も特徴
箔押し+凸凹押しの加工満載となっている、豪華で煌びやかなグリーティングカード、フランク ミュラーの製品をご購入される方に喜んでいただければ幸いです。
ワールド通商株式会社さま、この度はデザインから加工まで携わる機会をいただきまして、誠にありがとうございました!
コスモテック 青木より
今回、ワールド通商株式会社さまからご依頼をいただき、デザインと加工、双方を一貫して弊社の前田瑠璃が担当させて頂きました。
前田が日常的にお客様からの様々なご要望に応えて身に付けた加工のテクニックや肌感覚と、美大時代に培ったデザインのノウハウという2つの視点を駆使して、今回の製品を完成させました。
フランク ミュラーのクラフトマンシップに感銘を受けた前田が今回特に力を入れたのは 「 手作りのテクスチャー作り 」 と 「 手仕事 」 です。
デザインする上でも自らの手を動かし、加工に挑む上においても最初から最後まで一枚一枚の紙を手作業で加工。 紙選び、箔色選びなども前田のデザインと加工の視点が存分に活かされております。
“ビザン数字” の輪郭に繊細な箔の線を配置したり、背景の紙地に紙と同色の白でテクスチャー版を用いて白箔押しを施し、そして各工程時には圧を上手くコントロールすることで、独特で特徴的な立体感と存在感を生み出しました。
圧を加えることで凹む部分があったり、逆に盛り上がる部分があったり
デザインする視点、加工する視点、前田独自の2つの視点が合わさることで生み出された製品です。 前田が気合を入れて試行錯誤しながら生み出した製品、お客様にご満足頂けて何よりです。
【 箔押し加工 】
有限会社コスモテック 現場リーダー 前田瑠璃
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL:03-5916-8360 / FAX:03-5916-8362
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