見出し画像

「5種の箔・箔押し乱れ打ち」

こんにちは、現場の前田です。

今回ご紹介するのは、「 東京造形大学メディアデザイン専攻領域 」のパンフレット箔押し乱れ打ちです。

画像2
写真 2020-03-26 9 34 17


こちらは以前、noteでご紹介させていただいた KASUGAMARU 宮前陽さまによるデザインです。この度も光栄なことにコスモテックがお手伝いさせていただきました。


計算された "テキトー感" を作り出すこと

パンフレットは5種類の箔で押し分けられており、さらに押し位置は固定せず、私、前田によるランダム押し加工を行いました。

1枚1枚手作業で、箔押し位置を固定せず加工


押した箔は LUMAFIN 740 blue(透明青) ・ LUMAFIN 730 green(透明緑) ・ レッドメタリック箔 ・ シルバー箔 ・ 金消しNo.101 の計5種類。

画像3

LUMAFIN はドイツの箔メーカーKURZ(クルツ)社によるもの


シロップのように透き通った箔 LUMAFIN は下地の印刷が透過して見える面白さがあり、メタリック箔は下地の印刷を隠ぺいしてしまいますが、メタリック箔 特有の金属質な光沢感によって画面から文字が浮き上がってくるようにも見え、それぞれの良さが活きています。

画像4

LUMAFIN は下地の印刷が透過して見える
( LUMAFIN 740 blue ・ LUMAFIN 730 green )

画像5

メタリック箔は下地の印刷を隠ぺいする
( レッドメタリック箔 ・ シルバー箔 ・ 金消しNo.101 )


手動箔押し機の強みを最大限活かす

ランダム押しは1枚につき、5〜7回押し位置を手動で変えながら1枚1枚加工しているのですが、この押している半円形の文字の版、こちらはデザイナーの宮前さまによると、当初は半円ではなく、緩やかな波の形であったそうです。

手作業で加工位置を変えながら、ランダム感を作り出す
その回数、10000回を超える


しかし、乱れ打ちした際にランダム感が出過ぎて乱れ押しの良さが損なわれてしまうのではと考えられ、半円形にされたそうです。

また、平らな印刷物に立体感を出すために、ランダムな位置に箔を押すことで、1枚の紙の中で大きく流れるような文字が自然に出てくるような形にデザインされたとのことです。

画像6

全てが1点ものの仕上がり

宮前さまがおっしゃるように( 下記、宮前さまコメントをご参照くださいませ )、徐々に大きく広がる半円形の文字が用紙全体に無造作に散りばめられることで躍動感あるパンフレットになっているのが分かります。

また、押し位置がランダムであるため、今回のパンフレットは1冊1冊全てが1点ものの仕上がりになっている、ということにも注目です。

宮前さま、この度もお手伝いさせていただきありがとうございました!
( 下記、宮前さまより嬉しいコメントを頂きました )


KASUGAMARU 宮前陽さまより

東京造形大学 デザイン学科メディアデザイン専攻領域 パンフレット

画像7

流れるように配置されたタイポグラフィが魅力的


今回は例年通りの小型のカードタイプではなく、より充実した内容をという事で再構築しました。

対象は高校生、浪人生なので進路の選択肢が大きく変わっていくタイミングで受け取る広報物にも受け取るひとりひとりに向けたものを、また東京造形大学は他美大に比べ少人数制で個別にきめ細かい教育が行き通るのが一つの魅力の一つでそれぞれに違うものを渡す事できないかと考えた結果、コスモテックさんの箔押し乱れ押しに行き着きました。


箔押しの色は透明箔青、透明箔緑、メタリック赤、つや消しゴールド、つやシルバーの5つを使用しています( 青木さん、前田さんに色の選択はおまかせしました! )

画像8

透明箔青は下地の印刷がうっすらと箔押し部から視認できる


透明箔、透明という名がついていますが、輝き方がとても上品で美しい色で 1500部印刷していますが、すべて違う押し方になっていて全部違うのが特徴です。

画像9

ぱきっと、クールな印象で箔押しされたシルバー箔


コスモテック前田さんにランダムに箔を押してもらうのを見越して、タイポグラフィの版を半円に描く事でランダムに打っても 「 流れ 」 が起こるようにデザインしています。

現物が想像以上にかっこよくできたので大変満足しております。
超感謝!!


【 箔押し加工 】

有限会社コスモテック 現場リーダー 前田瑠璃
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL:03-5916-8360 / FAX:03-5916-8362

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?