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風の記憶、時の雫

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note をはじめてみようと思う。 秋晴れの空を眺めていたら、風がやってきて、 そのときにふと思ったわけです。
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2017年1月の記事一覧

春をさがしに

張りつめた空気が
 すこし緩んできたら
 春を探しにいこう 

陽射しがほっこりと 
降り注ぐなかで 
どこかに春は潜んでいる 

田んぼのあぜ道 畑の真ん中 
川辺の草むら 屋根の上 
空の谷間 雲の合間 



陽射しを浴びて 
背伸びして
 遠くを見れば 風がくる 

風は春の香りを運んで
 春の居場所を 
こっそり教えてくれる 

おーい、ここにいるよ 
ふふっ、ここにもいるよ 
見つけてほしくて声をだす 

張りつめた空気の底に 
ほっこり陽だまり ひっ

外気たるや、光たるや

 外気におうや 漂うや  冬のにおいに 肌が張る 外気のなかで ゆっくりゆっくり 足を運ぶ 冬を味わいながら 呼吸する 全身の感覚器がいきおい反応する 外気の栄養価はとても高く新鮮だ  光充ちるや 差し込むや  冬の外気に 透き通る 光のなかで たっぷりたっぷり 眼で遊ぶ 冬を忘れないように 記憶する 感覚器は外気と光に静かに同期する 次第にぼくという人間が生まれ変わる  外気たるや、光たるや  外気たるや、光たるや