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風の記憶、時の雫

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note をはじめてみようと思う。 秋晴れの空を眺めていたら、風がやってきて、 そのときにふと思ったわけです。
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2016年8月の記事一覧

夏の終い

夏が そろそろ終いだよ というときに 空は ふかい蒼色に ほんの少しだけ さびしい色をたす 夕焼けが はじまる前の みじかい時間 空に たした色が溶けて  瞳の奥に すこしだけ映る 夕焼け画伯の パレットには いろんな紅い色が ならんでいて 雲の筆で かろやかに 塗ってみせる 夏が そろそろ終いだよ というときに おひさまは すこし首を傾けて ふたりの影を ちょっぴり長くする

海は天を映す鏡なり、天は海を求むものなり。

淀んだ水は 鏡を曇らせ、 広がる空も 流れる雲も 煌めく星さえも これに映せず 天は澄んだ水に 姿を映しだすもの。 曇ればそれを 見ること叶わず。 学ぼうとする 想いは 曇っていては 行く先も見えず、 淀んでいては その深さも測れず。 澄み切った水の如く 海を見渡し、 冴えた空の如く 天を仰ぎ見る。 学ぶべきは 海や天の 果てにあるものではなく、 地に立つ 足元から広がるものなり。 されど 大海の広さや天の高さを知ることで これに得たるは 学びの道しるべなり。

雪の音

積もりはじめた雪 はいいろの空から かるい気持ちでおりてきて しろい姿に変化する 後から後から おりてくる ちいさな落下傘 つぎつぎと 重なり合うと 音が雪にしずんでいく 空は高くもなく 低くもなく 先はみえない 適度な水分で固まって ひんやりしっとり おりてくる ひらり ふあり  くるくると 舞いおりる チュチュのスカートは六角形 静かに音がしずんでいく 冬の一日は かなしいものではありません ただ静かな一日で やおら眺める雪を待っている 雪の朝は さびしいもので