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風の記憶、時の雫

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note をはじめてみようと思う。 秋晴れの空を眺めていたら、風がやってきて、 そのときにふと思ったわけです。
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2015年12月の記事一覧

冬待空

冬に向かう空はあおい 醒めたあおは 澄んだあおより潔い 冬に向かう空には何もない 目覚めた感性は 眠る知性より覚悟を映しだす 何もない空の向こうには 漆黒の宇宙がある
 この空を透かして宇宙を見上げたら 目を細めた白い月が 見下ろしている目線の先で
 ぼくは一瞬で冬になる

枯れ葉

枯れ葉が軽いのは 思いをなくしたからではない 乾いた風をつかみたいから 枯れ葉がはかないのは 希望をなくしたからではない 次の世代に託したから 枯れ葉にこころ奪われるのは 来たる冬を思うからではない 裸の枝に胸を刺されるから 白い空に伸びた腕が 見透かされたこころを刺すから 乾いた冬に胸を熱くする

静夜

静かに 眼をとじてごらん 雪の降りつむ音が 聞こえないかい 時間を止めるような やさしい囁きに そっと 耳をかたむけてごらん ひとひら ふたひら 雪の子守唄が聞こえてくる 遠い宇宙を旅してきた ほうき星や ひとりぼっちで寂しかった こどもにも ひとひら ふたひら 時間がねむり始める あたたかい思いやりを持っているなら やさしいこころを信じるなら 淡い光の結晶が イヴの夢を ひとつ ふたつ 運んでくれる さあ 眼をとじて 私の愛しいこどもたち 今日は 不思議な魔法