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風の記憶、時の雫

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note をはじめてみようと思う。 秋晴れの空を眺めていたら、風がやってきて、 そのときにふと思ったわけです。
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2015年2月の記事一覧

量は質を高める

 ディック・ブルーナーという絵本作家を知っていますか?  ちいさいうさぎのキャラクター「ミッフィー」の生みの親といえばお分かりでしょう。あのシンプルな線、色、構図で描かれるミッフィーのシリーズは1955年第1作が発表されてから、現在世界33ヶ国で八千万部以上の絵本が読まれ愛されています。  彼は、こどもが喜ぶ絵を描く秘密を聞かれたとき、こんな風に答えています。「筆と絵の具で、ゆっくりと線を引くと気持ちが出て温かい線が描けます。そして、詳細なデッサンから徐々に単純化していきます

無言劇

いつしか夜も深けて ピエロの背後には 白蒼く いつも怪しい月があり 微笑みすらうかべておりました。 ひかりは まるで白いベールのように ひときわ寂しい気に 身体を包み 陽射しよりもやさしく ぼくまでも濡らしておりました。 からくり箱のような街角で 細い腕を胸にあて 音もなく 風のように踊っておりました。 白塗りの顔に だぶだぶの服を着て いつからか  ぼくの隣で親し気に 誰よりも人間らしく笑っておりました。

悠々の風

いっぱいに拡げた 両腕の内から 風が悠々と地平に吹いてゆく 花の色、街の色、山の色、人の色 染まりながら 揺れながら 悠々と流れ、掴めない、風 小さな存在が 大きな世界へ繋がっている 夜露のしずくが 朝の光を吸い込むように 視覚は見ようとする世界の像を 真実のように取り込む 解釈はしないまま 悠々と時間は流れて ぼくらの意思に左右されない 想いはいつも流れの中で もがき、漂い、先が読めない 悠々の風は気まぐれだ まるで意思を持たない自由さだ しかし それにあこがれる僕は 不自

続けることで生まれる価値

 「継続は力なり」とはよくいったものです。惰性による無意味な継続は大した成果を残せませんが、よく練られた方策の継続や目標を見据え修正を重ねながらの継続は成果を残し価値を生みます。いきなり大きな成果をあげなくても、積み重ねた努力や工夫は技術的進歩や内面的成長をもたらしてくれます。目標に向かって地道に努力を積み重ねることは、個人差はあれ、身に付くものが必ずあるものです。苦手なものも少しずつ続けていけば、その小さな継続が苦手を克服することさえあります。  例えば、長い文章を書くこと

野花

野に咲く花よ 私に名をおしえてはくれまいか 青い花びらよ 笑みばかりうかべないで 何か話をしてはくれまいか 私はこうしてここにいる 雨が降れば 帰らねばならない 言葉なき会話ができるのなら それもよいが 私にはできない 野に咲く花よ 私に名をおしえてはくれまいか 何か話をしてはくれまいか 空がこんなに重くなり もう青い光ではささえられなくなって いまにも雫がおりてきそう 私はただこうして君を見つめ 返事を待つことしかできない 野に咲く花よ 君と私の間には まだ一言

チャンスオペレーション       Chance Operation

 私たちがアイデアを考えるとき、そのヒントを意外な場面で見つけることがあります。そして、その偶然性による発想が大きな成果をもたらすことがよくあります。まるで、そこに引き寄せられる何か不思議な力に導かれたような気にさえなります。そう、出会うべくして出会った恋人のように。  しかし、なかなか好都合な偶然はやってくるわけではありません。だからこそ偶然なのですが。でも、その確率を上げる方法があるとしたら、どうしますか?  偶然とは面白い現象で、考え方の視点を変えるだけで、滅多にないと

遊びの中に発明がある

 「昔のこどもは遊びを発明していたが、今のこどもは遊びを発明することが少なくなった」という話を聞いたことがないでしょうか? また、思い当たる節はないでしょうか?  今のこどもたちの周りには、商品化された「遊び」が溢れていて、「遊び」を発明する、あるいは工夫する必要がないからだそうです。モノや情報が溢れているのは大人社会に限ったことではなく、その影響が顕著に現れるのはこどもの世界です。商品化された「遊び」は、次から次へとバージョンアップはするし、新シリーズは出るわで、その攻略法

探しものは何ですか?

 人の出会いは様々です。突然の出会いも偶然の出会いもあるでしょう。それが自分にとって必要なものであったとき、その出会いは必然だったということになります。  情報との出会いにも同じようなことがいえます。アイデアのヒントを探しているとき、問題解決の糸口を探しているときなど、私たちは有用な情報に出会うことを期待しています。例えば、「確か何かの本で読んだことがある」「何かのテレビ番組でやっていたな」「誰かから聞いた話にあったな」とか、そんな覚えは誰でも持っているでしょう。ただ、すぐ思

二つの未来

 私の好きな言葉に「常に現代は二つの未来の分岐点である。」というのがあります。ここでいう未来とは、「明るい未来」と「暗い未来」です。すなわち、未来はいつも二つ用意されていて、現代はその二つの選択肢を選べる「時(分岐点)」に置かれているのだというものです。  このことは現代という時代についての話だけではありません。私たち一人ひとりの人生においても「常に今という時は二つの未来の分岐点」なのです。自分がどのような未来を選択するか、いつもその意思決定は自分の手にあるのです。「暗い未来

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