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ドクダミ(毒痛み)

「花を撮影して名前を覚える」個人プロジェクト。35日目は「ドクダミ」。自宅の庭に群れて咲いていたのを撮影。何の花だろうと調べたらドクダミとわかり驚いた。

ドクダミの名の由来は、毒を抑えることを意味する「毒矯め(ドクダメ)」が転じたもの。いかにも毒がありそうな名前だが、実際には毒がないどころか、さまざまな効用を持つ薬草だった。内服薬として、胃腸病、食あたり、便秘、動脈硬化予防などに効果があるほか、外用薬として腫物や皮膚病の毒を抜くのにも使われる。他にも多くの効用を持つことから「十薬」とも呼ばれ、ゲンノショウコ、センブリとともに、日本の三大民間薬の一つに数えられている。

花の特徴は、4枚の白い花びらと、その中心から突き出た黄色い突起物。だが、これは花びらではなく葉が変形したもの。本当の花は、突起物に点々と付く黄色い部分である。小さな花の集合体が大きな花に見せているといのが面白い。植物の世界の奥深さを感じる。
また、葉にも特徴がある。きれいなハート形で、周囲が赤紫色に色づいているので見分けがつくほか、いかにも菌が寄り付かなそうな特有の臭みがある。だから、ドクダミがコショウ目の植物というのもうなづける。コショウ目には、調味料のコショウの木が含まれ、独特の風味と抗菌や防腐・防虫作用があるからだ。
こうして薬用として使われる一方、葉を加熱すれば臭みが抜け、天ぷらなどにして食べられる。また、薬用ハーブティーのドクダミ茶として飲用もできる。体の中をきれいにするデトックス効果があるそうだ。今度買って飲んでみたい。他にも化粧水になったり、どくだみ風呂としても使われる。まさに万能薬である。

反面、ドクダミは繁殖力が強く、抜いても抜いても生えてくる厄介な雑草でもある。薬草、食用草、雑草と、一口にくくれない魅力ある花だ。

<ドクダミの分類>
被子植物>双子葉類>コショウ目>ドクダミ科>ドクダミ属

写真 2020-06-14 午前6 35 08



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