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【コスモ女子勉強会】一般社団法人スペースポートジャパン・片山俊大氏から学ぶ宇宙ビジネスのこれまでとこれから

こんにちは、コスモ女子・Kayoです。

2022年4月6日にコスモ女子勉強会を開催しました。
今回は日本がアジアにおけるハブとなることを目指して2018年に設立された一般社団法人Space Port Japan(スペースポートジャパン)共同創業者、理事を務められる片山 俊大氏をお招きし、宇宙ビジネスのこれまでとこれからについてお話いただきました。

宇宙に興味が無かったところから宇宙事業へ参入したご経歴を持つ片山氏から、日本におけるスペースポート(宇宙港)の話に参加者一同、期待が高まる時間となりました。


街づくりスペースポートシティ構想

▲スペースポートシティ構想図のコンセプト

近い将来、宇宙に人工衛星やロケットを飛ばす機会が増えるにあたって必要になってくるものがスペースポートです。現在、地方などにある既存の空港を利活用したスペースポートが増えています。

世界を見てもスペースポートは建設ラッシュを迎えているそうで、その中でも日本はスペースポートを建設するにはとても適しているとのことです。
なぜなら、ロケットを打ち上げる際、地球の自転を利用して東向き、もしくは南向きに飛ばすため、その方角に街や建物がない安全な場所が条件になります。

日本は東南にある広大な海に囲まれており、ロケットを飛ばすにはとても適した土地なのです。
そんな日本こそ、さらに発展していく宇宙産業のために早急にスペースポートを実現すべきだと片山氏はおっしゃいました。

・スペースポートは地べたの話

▲スペースポートの周辺では大きな市場が生まれる

片山氏から、スペースポートは地べた(=地上)の話で不動産やスペースポート周辺の街づくりの話だと教えていただきました。また宇宙に携わる技術者や関係者だけではなく、宇宙に興味がある方、ない方にも全員に関係していく話であると。

・日本のスペースポート

日本国内には4つのスペースポートがありここからさらに発展していきます。
・北海道・大樹町
・和歌山県・串本町
・大分県・国東市
・沖縄県・下地島

▲日本国内には4つのスペースポートが存在します

どれもベンチャー企業が参入しており、スペースポートが建設されていくと、旅行、空港、通信、エンターテインメント、ホテルや物流などといった観光産業を基軸とした大きなマーケットが創り出されます。

スペースポートをつくることは、様々な産業を生み出していく、いわば街をつくっていくようなものだとおっしゃっていました。


宇宙ビジネスへ参入したきっかけ

片山氏は一般社団法人スペースポートジャパンの理事として宇宙産業で活躍をされていますが、実はもともとは宇宙に興味がある方ではなかったようです。
広告関係の仕事に携わっていた片山氏が宇宙ビジネスに携わるようになったきっかけが、2015年にアラブ首長国連邦(UAE)で開催された石油ガス展示会の日本政府パビリオンに出展するお仕事だったそうです。

「宇宙×資源エネルギー」というテーマでパビリオンの責任者を務められていました。
片山氏が携わった展示会では、内閣府や外務省がパビリオンを使って様々な宇宙外交を行い、それらのテーマや取り組みが翌年に日本で話題になりました。
展示会のお仕事が結果的に宇宙と別の産業をかけ合わせる日本の世論形成のきっかけとなりました。

そこからどっぷり宇宙と他のいろいろな産業をつなげる仕事に携わることになったそうです。


著書『超速でわかる!宇宙ビジネス』

▲片山氏著書『超速でわかる!宇宙ビジネス』

今回の勉強会を迎えるにあたり、片山氏の著書である『超速でわかる!宇宙ビジネス』をコスモ女子会員メンバーで読書会を開催していました。
その著書の内容を片山氏からお話いただき、より理解を深めることができました。

宇宙開発はすべて”妄想”から始まったという言葉から始まり、SF小説から影響を受けた科学者たちが実現してきたのです。
ドイツ、アメリカ、ソ連が宇宙開発競争をはじめ有人宇宙飛行の実現やアポロ計画が出てきました。どの国も国家予算を宇宙開発へつぎ込み成功へ導きました。

しかし、各国の宇宙開発競争は落ち着き、国際宇宙ステーション(ISS)が共同宇宙開発に使われ平和の象徴とされてきました。そこから各国が協力して人類が月へ行くアルテミス計画も進めてきているそうです。

これからの宇宙がみんなのものになるのか領有権争いになるのかは、皆さんの選択次第だとおっしゃっていました。
サブオービタル飛行、地球周回旅行など宇宙旅行も当たり前になる時代が目の前ですが、新婚旅行やホテルが建設されたりと多くの仕事も宇宙の中で生まれることになるそうです。

日本のスペースポートは海外のスペースポートと比べ都市型で観光地もあり、非常に魅力的だそうです。
宇宙旅行の拠点として宇宙関係者だけではなく、いろいろな産業や人との掛け合わせが必要になってきます。今まで見たことのない経済圏ができあがってくるだろう未来を描いて現実を動かす仕事をしているとお話しいただきました。

「人類がまだ火星に行っていないのは科学の敗北ではなくマーケティングの失敗なのだ」
(『月をマーケティングする アポロ計画と史上最大の広報作戦』デイヴィッド・ミーアマン・スコット/リチャード・ジュレック著/ 日経BP 2014年10月発売 より抜粋)

片山氏からこんな言葉をご紹介いただきました。
つまり科学者や技術者など宇宙の専門家ではなく、そうでない人によって宇宙産業がはじまり歴史が切り開かれてきたそうです。


さいごに

▲片山氏、参加者とコスモ女子「C」で写真撮影

今回の勉強会には、一般社団法人スペースポートジャパン共同創業者・理事である片山氏にお越しいただき、スペースポートシティ、そして宇宙ビジネスの歴史と今後の展望についてお話いただきました。
勉強会後には、コスモ女子限定交流会が開催され、勉強会の内容をさらに深堀して伺うこともできました。
 
スペースポートが発展し、日本がアジアにおけるハブになれば、宇宙に興味・関心を持つ方が増えることはもちろん、宇宙がより身近な存在になっていきます。
 宇宙ビジネスのさらなる可能性に、わたしたちコスモ女子もさらに貢献していこうと思いました。

コスモ女子もこのような勉強会を通して、宇宙に興味がある方が増えることはもちろん、宇宙業界でキャリア形成をしていく方が増えていくきっかけになればと思います。

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