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【コスモ女子×宙女】裾野が広がる宇宙業界!性別・経歴関係なく活躍していける時代へ


【コスモ女子×宙女(sorajo)】
宇宙飛行士・山崎直子さんから学ぼう!~宇宙飛行士までの道のりや体験談、女性活躍が期待される宇宙業界の展望とは~

このイベントの日を待ちに待った!コスモ女子ライターのKayoです。
2021年3月2日に宇宙飛行士・山崎直子さんの単独講演、宙女ボードのみなさんとコスモ女子とのパネルディスカッションが開催されました。

200名を超える参加者と一緒に宇宙業界やこれから期待される女性の活躍について学び、「宇宙を身近に」感じることができる時間となりました。

山崎直子さんの宇宙飛行士の経験

まずは山崎直子さんから、宇宙へ踏み出すきっかけやスペースシャトルでの活動について、貴重な経験談を様々な角度から語っていただきました。

国際ゾンタクラブの、航空宇宙関連を専攻する女性を対象としたアメリア・イアハート奨学金を受けたことなどをきっかけに、今日まで宇宙事業の道を突き進んできた山崎さん。
ゾンタクラブでは、資金面のサポートだけでなく、人との出会いを通じてこれまでの自分の価値観を広げることができ、その後の活躍に大きな影響を及ぼしたそうです。

山崎さんが滞在したISS(国際宇宙ステーション)の中の様子は、意外にも生活感があり、なんだか親近感がわきます。
「洗練されたクールなイメージがあるかもしれないが、人が入れ替わり立ち替わり生活しているので、案外モノにあふれているし、人間らしい泥臭さがあります。技術といっても人と人とのつながりが大事」とのこと。
最先端で未来の可能性にあふれている分野こそ、根底にはアナログな人間同士のコミュニケーションが必要不可欠なんですね。

2021年は宇宙旅行元年と呼ばれており、山崎さんが2018年に立ち上げた「Space Port Japan」でも、企業や自治体と力を合わせて、日本が宇宙輸送旅行ビジネスの拠点となり、人々が宇宙に行くことを目指して活動中です。
そして、人が宇宙に行くようになると、他の星でも自給自足が必要になってきます!

ISSでは、既に自給自足できている水・空気・電気に加え、現在は食べ物の自給自足、すなわち”宇宙農業”に力を入れているそうで、大豆やレタスなどが栽培されています。
培養肉の基礎実験生成にも成功しており、タンパク質の補給もバッチリになるでしょう!
農業に必要な道具も3Dプリンタで製作しており、地球でできることが宇宙でも当たり前にできる時代へ突入していますね。

月までは片道3日、往復約1週間ほどなので、こう聞くと「宇宙って案外近い!」という感覚に。
山崎さんは、ゆくゆくは修学旅行の行き先が月になることを楽しみにされているとのこと。
また、宇宙に行く年齢の上限は無く、現在の最高齢は77歳のアメリカ人飛行士!
老若男女問わず、宇宙行きが当たり前になる未来が広がっていますね。

今秋はなんと13年ぶりに日本人宇宙飛行士を募集しますが、これまで理系経験が選抜条件だったところ、今年から理系文系問わずさまざまな人材を採用することも検討中など、募集条件にも変化が出るかもしれません。
今後、間口がどんどん広がっていくことも大いに期待でき、多様なバックグラウンドやおもしろい経歴を持った宇宙飛行士が誕生していくかもしれませんね。


この時間の冒頭で、「ウェビナーが終わったあと、「宇宙に関連することを何かやってみたいな」と思ってもらえたら嬉しい。」とおっしゃっていた山崎さん。
「宇宙は皆さんを待っています!」というメッセージに、経歴問わず宇宙に挑戦しているコスモ女子メンバーも勇気をもらいました!
理系文系問わず、これからどんどん宇宙に関わる仕事の裾野が広がっていくことが楽しみです。


女性活躍の宇宙業界について

山崎直子さん、宙女ボードのJAXA・水野素子(みずのもとこ)さん、千葉工業大学大学院・坂野文菜(ばんのあやな)さんをお迎えし、株式会社Kanatta代表・井口恵、コスモ女子・柳原の進行のもと、パネルディスカッションをおこないました。
ここでは「宇宙業界の女性活躍」というテーマで質問をさせていただきました。

日本の宇宙業界はまだまだ女性の比率は少ないものの、NASAやJAXAをはじめとする実際の現場では、男性・女性関係なく働いているそうです。
しかし、女性には結婚、出産、子育てというイベントがキャリアに直接影響を及ぼすので、ワークライフバランスを考える必要があります。

大切なことは、まず「悩みをシェアする」こと。
同じ悩みを持った仲間がいるんだと知るだけで気持ちが軽くなりますし、お互いの解決策を情報交換できるのは、コミュニティを形成する力が高い女性ならではの強みです。
坂野さんも、相談相手がいることで変に自分を責めすぎず、体調やメンタルの波で低調子になったときも、「この状態で何ができるかな?」と思考を切り替えているそうです。

山崎さんと水野さんからは、子育ての経験が宇宙の仕事に活かせたご経験も教えていただきました。
子育ても宇宙も、予測不可能で突発的なことが毎日のように起こる環境という共通点があります。
山崎さんは、まず子育てで優先順位の付け方や事前準備の大切さを学んだことが、そのまま宇宙でのミッション遂行にも役立ったそう。

水野さんは、当時JAXAで例がない、お子さんを2人抱えての女性管理職という立場に就任したとき、上からは理解を得られず、下には自分より若く子育てをしているメンバーがいて守らなきゃ、という状況。これがとても大変だった!と振り返ります。
そこで大切にされていたのが「世界に目を向けること」。
日本よりも女性進出が活発な国から、「こんな考え方、やり方があるんだ」というヒントを得ることで、もっと自由に、もっと柔軟に活躍できる!
コスモ女子も世界とつながって情報を得て行く必要があるなと感じました。

女性ならではの悩みは尽きませんが、宇宙業界でさらなる活躍をサポートできるよう立ち上がったのが宙女。
もともとアメリカ発祥の「WIA (Women in Aerospace)」のアドバイスのもと発足しており、WIAのようにポジティブな女性の権利主張や意見提案をもっと推進する土壌づくりに尽力されています。

坂野さんからは、「女性が働きやすい社会のために男性を巻き込んで解決していく必要がある、自分自身は男性側の意見を常に受け入れる姿勢でいたい」というお言葉が。
女性ならではの発想も必要、さらに男性や女性に限らずどんどん意見を出し合うことで宇宙業界の発展につながることを教えていただきました。


日本ベンチャー企業の可能性

参加者の方から、日本のベンチャー企業が宇宙業界へ参入していくうえで強みは何か?という質問がありました。
人材確保、法律関係で変化のスピードが遅くなかなかベンチャーが育ちにくい現状はあるが、やはり素晴らしいモノづくり技術が日本の強み!
地道にコツコツと継続する気質もあるので、特にベンチャー企業は今後の成果が楽しみです。
また、海外に比べて異業種間のネットワークが強く、各分野の相互作用で発展していくことができるのも日本ならでは。

「宇宙関連のことをやっていると、様々な学問分野の道具を使って解明していくことが多い、いろんな分野の人と話すことで次のアイディアも生まれるところが魅力」とおっしゃる坂野さん。
まずは自分自身がオープンに、広い視野で知識や交流を深めることが、宇宙の発展につながるのだなと思いました。

コスモ女子も、まさに昨年立ち上がったコミュニティで様々な分野とコラボしながら宇宙に近づいています。
宇宙ベンチャー企業のひとつとして、期待が膨らむ時間となりました。


さいごに

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「宇宙に浮かぶISSに近づいたときに、国際協力でこれだけのものが作れるんだと感動した」とおっしゃっていた山崎さん。
これまでコスモ女子では、アメリカと日本を軸に宇宙を学ぶことが多かったのですが、今回イタリア、ドイツ、ロシアなど各国の宇宙産業の特徴を知ることで、それぞれの強みをかけ合わせた国際協力のおもしろさをイメージできました!

今後は宇宙の教育分野において、国際的な視点や考え方ができる、イノベーションを起こすために自分の意見をしっかりと主張する、といった人材の育成も必要不可欠です。
その他にも、個性を伸ばす、自分に自信をもつ、「好き」を仕事へ、そんな教育方針へのシフトチェンジが、日本社会に求められています。

各国で宇宙開発に取り組んでいるところは多く、日本のベンチャー企業もあらゆる挑戦をしています。
これからは、世界中の企業や団体が一緒になって宇宙業界を盛り上げていくことが期待されているのだと思いました。

宇宙を身近に感じたと同時に、宇宙への可能性を知ることができた時間となりました。

コスモ女子では2022年度に「女性中心で人工衛星を打ち上げる」という目標を掲げ日々活動しております。
宇宙に興味を持たれた方は、ぜひ一緒に盛り上げていきましょう!

【宙女のSNS】
http://www.jrocket.org より宙女Facebookへのリンクがあります。
https://www.facebook.com/日本ロケット協会宙女-Sorajo-1798253010487146/

【コスモ女子のSNS】

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