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【12/22コスモ女子限定オンラインイベント】新時代のサービス!「宇宙保険」について学ぼう!

みなさん、こんにちは。コスモ女子のケイです。

12/22に、コスモ女子会員限定のイベントが開催されました。
今回はそんな限定公開のイベントの様子を、みなさんにお届けします!

「宇宙保険」というテーマでゲストにお越しいただき、発表いただきました。仕事として宇宙保険に携わる伊藤穂乃香さんから、様々な観点でお話いただき、とても勉強になる時間でした。

近年、スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)社は再使用可能な大型ロケットファルコン9を開発し、手頃で簡単に宇宙を目指すことができるようになってきています。
また同社は「Crew Dragon」という宇宙船を開発し、世界で初めて、民間人のみの有人宇宙旅行の偉業も成し遂げました。

宇宙ビジネスが民間企業へ拡大するにつれ、そのリスクに対するケアの重要性も認識されるようになっており、保険をかける必要性が出てきています。


宇宙開発を支える縁の下の力持ち!伊藤穂乃香様

今回の講師は伊藤穂乃香様。
損害保険ジャパン株式会社に入社され、サステナビリティ推進などを経験され、2021年4月より現在の航空宇宙保険部に着任されました。

もともと大学は文系ご出身ですが、宇宙ビジネスをはじめ、宇宙開発に関する様々なトレンドについてわかりやすくお話しいただきました。
社会人になってから宇宙に関する知識や保険に関する知識を学ばれたとのことで、ベースが何もないところから宇宙分野の第一線で働かれている姿に、同じ女性としてもコスモ女子メンバーとしても勇気を頂く時間になりました。
保険についてはもちろん、宇宙開発の歴史や様々な宇宙ビジネスについての知識も豊富で、とても勉強になりました。

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SOMPOグループの事業内容

最初にお話しいただいた内容は、SOMPOグループが展開する事業についてと、保険がなぜ社会に必要なのかについて身近な例を用いてお話しいただきました。
保険は事故や病気などの予想外の出来事が発生した際、金銭的なリスクなどにより生じた損害を最小限に抑えるため、加入者が事前に少しずつお金を支払い、何かあった時に備えるものです。

実際にどの程度のリスクがあるのかを正確に割り出すことが求められており、これまでに発生した事故や病気などのデータや発生確率から割り出すことで、的確にリスク評価を行っているとのことです。
SOMPOグループは、保険事業以外にも介護など多岐にわたって事業を展開されています。

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宇宙空間への挑戦:リスクとチャンス

いよいよ本題の「宇宙保険」に入っていく導入として、ビジネスの観点から宇宙開発の歴史についても教えていただきました。
宇宙開発の黎明期は、1950年代ごろ。月面着陸で有名なアポロ計画もこのころからスタートを切っており、最初は国家的な事業としてアメリカが主導していました。

1970年代になると、欧州各国も宇宙開発事業に乗り出しますが、やはり国家主導のものが多く、民間企業が参入するには非常に障壁の高い分野でした。
1980年代を過ぎると、衛星放送や気象衛星など身近な分野への利用が広がったことにより宇宙技術の発展が加速していき、ロケットの打ち上げが頻繁に行われるようになりました。
そして、2000年以降、宇宙開発事業は徐々に民間への広がりを見せます。
もともと政府機関などで数百億円をかけて開発していた人工衛星打ち上げも、現在は民間企業でも実施が可能となってきており、小型な人工衛星は数億円で開発が可能になりました。

近年は特に、先述のスペースX社を代表とする民間企業による、短期間・低予算での開発が目立ちます。
また、宇宙ビジネスは輸送・衛星インフラ・宇宙データ活用・軌道上サービス・宇宙旅行・資源開発など多岐にわたって展開されています。

宇宙ビジネスに必要な資材はロケットによって打ち上げますが、打ち上げ失敗や打ち上げ後の機器故障といった様々なリスクも発生します。
ロケットの打ち上げが失敗すると、衛星は基本的に全損してしまいます。お金も時間もかけた人工衛星ですので、再度製造を行う場合、企業にとって大きな経営リスクとなります。

打ち上げが成功したとしても、宇宙空間で事故が発生する可能性もあります。例えば、予定軌道に到達しなかったり、デブリとの衝突、宇宙天気の影響、故障などがあります。

ここまでで紹介した宇宙ビジネスにおけるリスクについて、正確に評価することは非常に困難を極めます。
なぜなら、人工衛星の用途や仕様がそれぞれ大きく異なため、予想されるリスクがそれぞれ異なってきます。
このことから、それぞれの打ち上げ計画に対して、オーダーメイドの保険を用意する必要があります。
また、打ち上げ後に故障が発生した際は全損する可能性も高く、多い場合は数百億円という巨額の損失が生じるため、リスクを適正に判断する必要があります。

人工衛星の開発事業者は、「製造~打ち上げ~宇宙空間での運用」までを見越したうえでリスクを判断する必要があります。
一般的にロケット打ち上げサービス契約の責任範囲は、ロケットの打ち上げの瞬間までで、それ以降のフェーズは責任範囲外となっているため、地上を離れてから宇宙空間で運用するまでの責任は人工衛星の開発事業者が負うことになります。
保険をかけることは、開発や打ち上げ、宇宙空間での運用に関する金銭的なリスクはもちろん、出資者への説明にも重要な役割を果たすと考えられます。

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また、ロケット打ち上げ業者に特有なものとして、打上第三者賠償責任保険というものもあります。
これは、打ち上げ時ロケットが予期せぬ挙動をした結果、民家など第三者の物品を破壊してしまった際の保険です。

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宇宙産業が拡大していくにつれて、SOMPOグループも様々な挑戦をしています。
従来の保険では対応できない、新しいリスクに対する保険の商品化をはじめ、衛星データの活用、スタートアップ企業への支援も行っています。
また水災発生時に被災地域への保険金の支払いを迅速化させる試みなど、衛星データを利用したサービスにも取り組んでいます。

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さいごに

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講義のあとは、コスモ女子限定で交流会のお時間をいただきました。
実績が宇宙保険の審査に影響することや、衛星打ち上げ前は通常保険扱いになることなど具体的にお答え頂きました。2022年度のコスモ女子人工衛星打ち上げについて、保険の面でも具体的にイメージできるようになる、とても充実した時間でした。

コスモ女子では、宇宙が大好きな方から、宇宙に少し興味が出てきた方まで、多くの方に宇宙の魅力をお届けできるよう、今後も幅広く宇宙にまつわるイベントを開催・発信していきます。

一緒に宇宙に関するプロジェクトを進めていきましょう!

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