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自助、共助、公助

2020年9月16日、菅新総裁が誕生した。自民党の総裁選において、党員投票を行わなかったことに対する批判がもっと起こると思ったが特にもめることもなく、すんなり決まった印象がある。コロナ対応が最優先である現状においては、政府の体制を大きく変えるのは得策ではないので、今回はこれでよかったと個人的には思っている。とは言え、何でもかんでも安倍政権と同じでは意味がない。約1年後に再び行われる自民党総裁選までの『つなぎ』などと揶揄する向きもあるが、いずれにしてもどうやって独自色を出すかがカギであろう。個人的には、就任後の記者会見を聞いていて、力強さを感じた。案外、本格的な政権になるかもしれない。

一番印象に残ったのは『自助、共助、公助』という言葉。まずは自助努力、次に身近な人の助け、その先に国や自治体の補助があるというもの。確かにコロナ禍にこのような発言をすると、自助を強調した弱者切り捨てに聞こえてしまうが、言っていることは至極まっとうなこと。誤解を恐れず、よく言ったと思う。

我々が考えていかなければならないのは、自助、共助、公助のバランスである。アメリカは自助寄り、北欧諸国は公助寄り、日本はその中間あたりであろうか。ただ、高齢化社会を迎えるにあたって公助の絶対的な負担金額が増えるのは避けられない。この問題を正面に据えて、全国民で議論していく必要がある。

もう一つ印象的だったのが、各省庁の縦割り打破。新しい社会のしくみを作っていくうえで障害となるのが組織の縦割り、前例主義。慎重になる気持ちはわかるが、世の中の変化に合わせた協調を求めたいところである。

まずはコロナ対策だが、その先を見据えた大胆な改革を期待したい。

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