ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則

「ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則」という本を読んだきっかけは最近抱いていた「将来への絶望感」による。その理由はまた別の記事に書くけれど、かくかくしかじかそういうわけでこの本を読んだ。

はじめに感想を。タイトルだけ聞くと、最近よくあるポジティブ信奉の本ですか、と思うかもしれないけれど内容は全く違う。価値観をぐるりと、納得させた上で変えてくれる。ネット記事ひとつ読めば代替がきくような内容の本も、情報過多の世の中では多いけれど、そんな中でそういった失望のデジャブに出くわすことなく読むことができた。 なんとなく知っているような知識も、より説得力を持って解説してくれていて、落ち込みがちな方がすぐにでも使えそうな工夫も明瞭に書いてある。とても良い本だと思った。

この本で書かれる<ポジティビティ>とはよく誤解をされるものだけれど、「笑顔で耐えよう」とか「心配するのはよそう」とか「機嫌よくいよう」とかいう表面的なモットーではない。前向きな自己肯定的な感情を含んだ、おおらかな姿勢のことだ。また、無理してまで世間の創造した「ポジティブな人」になる必要はまったくなく、むしろそれは無理をしてしるのであれば、いくら傍からみて「ポジティブな人」だとしても実際は<ネガティビティ>の強い行いなのだという。きっと思い当たる人は多いだろう。

私がこの本の中で特に気になったのは、次の3点だ。

①ネガティブな人との付き合い方

②ネガティビティな思考と定着

③ポジティビティを増やすには


まず①ネガティブな人との付き合い方。きっとどこにもネガティブな人とはいて、ネガティブな人というのはなにも「落ち込んでばかりいる人」ではない。「怒りっぽい人」「口下手な人」、自分に対して様々なネガティブ感情を生む人を言う。だからある人にとってネガティブな存在Aさんは別のある人にとっては全くネガティブな存在ではないこともある。

この本で書かれている対抗手段は、

・状況の手直し  ・異なる視点から見る  ・意味付けを変えてみる

関係を断つこともできるはずだけれど、その前にこの3つを試してみよう。「状況の手直し」では、自分も相手のネガティビティを引き出すようなことをしていないか、言っていないか、の再確認。また、ユーモアを生むよう努力すること。 「異なる視点から見る」では、相手のいい面に着目してみる。「意味付けを変えてみる」では、怒りっぽいのは、上昇志向が強いからだ、とか、不安が強くて頼りないのは、慎重すぎるからだ、とか、嫌味な同僚は自分の考え方等を成長させてくれる導師様の化身かもしれない、とか。

それでも厳しければ、距離をおいたり関係を断つのもひとつありだ。

②ネガティブな思考と定着

私はこの項目を読んではっとさせられた。「真面目な人ほどうつ病になりやすい」とはよく言うが、自分がどれだけそれを甘く見ていたことだろう、と。

ネガティブな思考は、反芻する事で定着する。例えば、ひとつ悪いことが起こったとする。真面目な人はそれをいろんな角度から考える。「こうしていれば」「ああしていれば」「でも本当にそうだろうか」「いやこうなのではないか」。 また失敗を起こすまいと、自分ではただの反省のつもりで思考する。しかしその多方面からの思考は結局どれもひとつの失敗に関する考察であり、それはいくら考えたところで「失敗」なのだ。言葉の保つ力は偉大で、自分でも知らないうちに、「失敗するたびに考えすぎる」思考回路をクセづけてしまう。意識的にしていたはずのことが、気がつけば無意識下にまで及び、気がつけばうつ病になっているのだ。

私自身、あまり性急に物事の正しさを決めてはいけないと思うので、多方面から考えて誠実に決断しようと考えすぎる癖がある。それを自分では誠実であり、真実を知りたいというポジティブな姿勢だと思っていた。しかし実際には、ネガティブな思考回路を定着させる習慣に過ぎなかったのだ。

けれどそう言っても、考えるのは好きだし、やはり思い込みだけで正しさを決定づけたくはない。だからこれからは考えるとき、その時間を何分と決めてそれは仕事だと思うことにしようと思う。仕事以外ではあまり悩みすぎないようにするのだ。ふだんからくせにしないよう、気をつけよう。

③ポジティビティを増やすには

冒頭でも書いたように、ポジティブな人とはなにもいつも豪快に笑っていたり、コミュニケーションの軽い人を表すのではない。無理なく自然体でありながら、自分自身の幸せを尊重できること。それがポジティブな人だ。

ポジティブになるために、ふたつの方法がある。

ひとつは「ネガティビティを減らす」という方法で、もうひとつは「ポジティブを行動に移す」という方法だ。ひとつ目の方法には具体的に、

・ネガティブに反論する反射神経を鍛える ・健全な気分転換

というものがあり、ふたつ目には

・人にポジティブな気持ちを返す

というのがある。記事が長くなってしまったので、そのやり方は次の記事に書くことにする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?