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たったの30分で脳にもメンタルにもいい行動とは?

みなさんこんにちは!こしあんです。

みなさんは「もっと学校の成績を伸ばしたい」とか「もっと仕事の効率をあげたい」と感じたことはないでしょうか。

効率的に学習するための様々なノウハウ本はたくさんありますが、まずはここから手を付けた方がいいのではないのか?
と思えるものを紹介したいと思います。

ほとんどの人がすぐにできて、お金もかからず、
しかも脳の働きも良くするし、ストレス軽減にも効果があります。

そんな都合のいいものがあるのか?
と思う人もいるかもしれませんが、確実にあります。


それは、




「歩く」ということです。

見間違いではありません(笑)
ウォーキングです。

「それならいつもやっている」という人もいれば、「最近歩いてないな~」という人もいるでしょう。
そもそも運動不足は社会問題にもなっていますよね。

今回は、そんな脳とメンタルを鍛える簡単な方法、運動についてのお話です。


【運動すると脳は成長する】

私たちの脳の中にはニューロンという神経細胞があります。
成人の場合では、この細胞が100憶から1000憶程度あると言われています。

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ニューロンは上図のような形をしており、軸索は細胞体(細胞核の周りの部分)からの信号を他のニューロンに伝えるためのもので、電気信号の出力用繊維としての役割があります。
樹状突起は、他のニューロンから信号を受け取る部分で、他のニューロンの軸索終末と結合します。

つまり、電気信号は軸索を通ってその末端までいき、他の樹状突起と結合します。
そして、この結合部分をシナプスと呼んでいます。
電気信号がシナプスまでいくと、神経伝達物質がそれを化学信号にかえて次のニューロンに伝えます。
※厳密にはシナプスは接触しているわけではないのですが、神経科学者はニューロンのつながりができることを「結合」と表現します。

このようにして、どんどん違うニューロンに信号を送るわけですが、この脳内の信号送信の約80%を担うのがグルタミン酸ガンマアミノ酪酸(GABA)になります。
グルタミン酸はニューロンの活動を活発にして信号の連鎖的反応を始動させます。
一方、GABAはその活動を抑える働きをします。

みなさんもストレスを低減させるといったチョコレートを見たことがないでしょうか?
ガンマアミノ酪酸(GABA)はチョコレート、発芽玄米、キムチ、納豆、じゃがいもなどに多く含まれるそうです。
また、グルタミン酸がそれまで結合したことのないニューロンのあいだに信号を送ると、結合が促されます。
信号のやり取りをすればするほど、ニューロンどうしのつながりが強くなるため、グルタミン酸は学習する上で重要な要素と言えます。

その他にも、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどがあります。
これらを作り出すニューロンは、1000憶個あるニューロンの1%に過ぎませんが影響力はとても大きいことがわかっています。
この1%のニューロンたちは、グルタミン酸をたくさん作らせたり、余計な信号がシナプスに伝わらないようにしたり、逆にほかの信号を増幅したりもします。
役割としては情報の流れを調節したりして、神経化学物質全体のバランスを調整することです。


セロトニン・・・脳の機能を正常に保つ働きをする。脳の警察官とも言われていて、気分、衝動性、怒り、攻撃性に影響する。
ノルアドレナリン・・・注意や知覚、意欲、覚醒に影響する信号をしばしば増強させる。
ドーパミン・・・学習、報酬(満足)、注意力、運動に関する神経伝達物質と見られている。
また、脳の部位によって正反対の役割を果たすこともある。
塩酸メチルフェニデートはドーパミンを増やして気持ちを落ち着け、注意欠陥・多動性障害(ADHD)を緩和する。

ここまで紹介してきた神経伝達物質は、役割は知らなくても「どこかで聞いたことがある」といったものもあったのではなでしょうか。
それだけ広く一般的になってきているのかもしれません。

しかし、この神経伝達物質と同じくらい重要なものがあります。
その中でも最も有名なものは、脳由来神経栄養因子(BDNF)といわれるものです。
先ほども言ったように、神経伝達物質は信号を伝えますが、BDNFのような神経栄養因子は 脳のインフラ(基盤)を構築し、維持していることがわかっています。


【脳由来神経栄養因子(BDNF)の役割】

みなさんも仕事を覚えるときなど、先輩の真似をしたり、何度も同じ作業を繰り返したりして覚えていったのではないでしょうか。
このように、何かを学習するには、長期増強(LTP)と呼ばれる動的なメカニズムによってニューロンのつながりを強化することが欠かせません。
脳は、情報を取り込むように命じられると自然にニューロン間の活動が起き、その活動が繰り返されるほど、ニューロンどうしは強く連絡しあい、信号も伝達されやすくなってニューロン間の結びつきができていくわけです。

例えば、新しい単語を一度しか聞かなかった場合、ニューロンは新たな回路を作るため動員され、グルタミン酸の信号を送受します。
しかし、その後シナプスの連絡しあう力は自然に小さくなり、信号も弱くなっていきます。
そして、「あの単語なんだっけ?」となるわけです(笑)。

逆に、学習を繰り返せばシナプスそのものが大きくなり、結合が強くなります。
こうした変化は細胞の適応の一つであり、シナプス可塑性と呼ばれています。
そのメカニズムにおいて、中心的な役割を果たすのがBDNFなんです。
このBDNFはニューロンの機能を向上させたり、その成長を促したりしますが、思考と感情と運動を生物学的に結びつける上で欠かせないものだともされます。


【健康的な人の3つの特徴】

カリフォルニア大学アーヴェイン校の脳老化・認知症研究所所長のカール・コットマンは、老後も健全な精神状態を維持している人に共通点があるかどうかを4年にわたり観察しました。

その中で、認知機能の低下が最も少なかった人には、3つの要因が認められています。
それは、教育、自己効力感(ある行動や課題を達成できるという信念や自信)、そして運動です。

コットマンたちは、マウスの実験をとおして運動が脳の学習を助けることを発見しています。
さらに、2007年にドイツの研究者たちが人間を対象とした実験では、運動前よりも、運動後の方が20%早く単語を覚えられ、学習効率とBDNF値が相関関係にあることが明らかになりました。

ただ、誤解のないように言っておくと、運動していれば天才になれるわけではありません。
確かに、BDNFは情報を取り込んだり、繋がりを持たせるのに必要な道具をシナプスに与えますが、実はそれだけでは足りません。
実際、コットンも「BDNFを注入すれば賢くなるわけではありません」と言っています。

ではその他に何が必要なのか?


結論を言ってしまえば「環境」です。

ラットの実験をとおしてわかったことは、感覚刺激と社会的刺激の多い環境で暮らすと脳の構造と機能が変化するということです。
刺激の多い環境に置かれたラットたちは、学習作業を上手くこなすだけではなく、空のゲージに置かれたラットに比べて脳が重くなっていたことがわかりました。
一方、ハーバード大学では環境を悪化させた場合どうなるのかを調査し、脳が委縮することを証明しています。

また、様々な刺激を受けることができる「環境富化」と呼ばれる実験モデルでは、この環境富化によってニューロンに新たな樹状突起が生じることを電子顕微鏡で確認しています。

この新しい枝は学習、運動、社会との接触という環境の刺激によって生まれたもので、結果としてシナプスは結びつけを増やします。
また、このような結びつき部分の髄鞘が厚くなり、効率的に信号を送れるようになるというわけです。
そして、その成長にBDNFが必要になってきます。


【使わなければ死んでしまうニューロン】

ニューロンはまっさらな状態で生まれてきます。
生まれたばかりの細胞がネットワークに接続するにはおよそ28日かかるそうです。
しかし、使わなければ死んでしまいます。

では、生き残らせるために何をすべきか?

それを確かめるために、ソーク研究所の神経学者フレッド・ゲージはげっ歯類を使って検証しています。
結果は、回し車をひとつ置いただけでもニューロンの数に大きな変化が現れました。

しかし、ただ走るだけではダメでした。
ニューロンが増えることだけは間違いないのですが、それと同じペースでニューロンが死んでいくことがわかっています。

ニューロンが生き残って回路を作るためには、その軸索に信号が流れる必要があります。
つまり、運動によって生まれたニューロンは環境から刺激を受けて生き残るというわけです。
なので、運動の後に学習をすれば多くのニューロンを残すことができるのではないでしょうか。


【どんな運動が必要か】

脳にもメンタルにも良い運動ですが、どの程度すればいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。
いきなりハードなトレーニングをして、続かなくなったりすると意味がありませんからね。

本来であれば、心拍計をつけて運動した方がいいと思いますが、それが難しい人向けにある程度の目安を紹介しておきます。

軽い運動:何分やっても汗はかかず、息も上がらないレベル。
 (運動中に会話ができる程度のもの。ウォーキングやストレッチなど)
中程度の運動:じっとりと汗をかいて呼吸が上がるレベル。
(会話はほとんどできない状態。ランニングやジョギングなど)
高強度の運動:運動が終わるとへとへとになって、立ち上がれなくなるレル。(マラソンやインターバルトレーニングなど)

日頃から運動している人なら、高強度の運動も可能かもしれませんが、運動習慣がない人にとって、これは地獄でしかありません。(笑)
また、いきなりの高強度の運動は身体にかかる負担の方が大きくなってしまいますので、まずはウォーキングから始めるのがベストではないでしょうか。

実際、軽い運動でも効果はあるの?
と感じるかもしれませんが、効果はあるようです。

ある研究では、軽い運動を週に1時間するだけで、メンタルの悪化リスクは12%下がることがわかりました。
1日10分程度と考えると「やってみようかな」という気持ちにもなるのではないでしょうか。

また、ドイツのカールスルー工科大学によれば、1日に30~60分のウォーキングを週2回だけ続けた学生は、20週間でストレスに強いメンタルに成長し何もしなかったグループの学生に比べ、期末テストの時期になってもストレス反応が低くなり、試験の成績もアップしています。

また別の研究では、中程度の有酸素運動を30分ほど行なっただけでも認知力が向上していることがわかりました。
もし、ランニングやジョギングが辛い場合は、速足でのウォーキングを心がけるといいかもしれません。
これを週2、3回するだけで高齢者の灰白質が増えたという報告もあります。

また、驚くべきことに運動は創造性を高める効果もあるようです。
2007年に行なわれた実験では、50歳から64歳までの成人40人に対し、新聞紙のようなありふれたものについて、普通ではやらない異なる使い方を思いつく限り考えるという実験をしました。
まず、グループを2つに分けます。
一つのグループは35分間映画を見て過ごします。
もう一つのグループは35分間運動をして過ごします。(最大心拍数の60~70%を保つ)

その直前と直後、そして20分後にテストを受けてもらいました。
映画を見ていたグループには変化がありませんでしたが、走っていたグループは一度運動をしただけで、答える速度や認識の柔軟性が向上しました。
認識の柔軟性は遂行機能(エグゼクティブ・ファンクション)の重要な要素であり、頭を使う仕事で成果を上げるには欠かすことができません。
この機能は、考えを臨機応変に変えたり、型にはまらない独創的な思考や解決策を生み出すのに非常に必要になります。

何か重要な決断をしなければならないときは「う~ん」と考え込む前に、20~30分走ってから考えると良いアイデアや、より良い決断ができるのかもしれません。
ただし、運動しているときは余計なことは考えない方がいいようです。
ある実験で、最大心拍数の70~80%の激しさで運動させながら難しい試験を受けさせたところ、結果はボロボロだったそうです。(笑)
決断するタイミングとしては、運動を終えたあと、脳に血が戻ってきたときがチャンスです。


最後に

脳の働きを良くし、ストレス軽減にも効果のある運動ですが、運動する習慣がない人にとっては辛いものなのかもしれません。
しかし、「歩くだけ」なら多くの人が可能なのではないでしょうか?
自転車を使っているところを徒歩に変えたり、家にいる時間が長いのであれば、スクワットをしてみたりと少しでいいのでやってみることが大切です。
初めは、目標が運動の最低ラインを下回っても構いません。
「30分運動しなきゃ」と考えるのではなく、「自分だったら何分できるか?」という所からスタートすればいいのではないでしょうか。

5分歩くことからはじめてもいいんです。
それが習慣化していけば、運動量は自然に増えていくようなきがします。

今回はここまで、

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それではまた次回お会いしましょう。





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「考え方リノベーション職人」のこしあんと申します。「脳科学や心理学をもっと身近に」をコンセプトにいろんな情報を発信していきたいと思います。また、この学問を通して「固定概念」や「社会通念上」と言ったモノに囚われず、いろんな価値観があることに気づいて頂けたらと思っています。

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