A Day In The Life

18歳の秋、友人たちが”将来のために”と赤本を読んでいる教室の隅っこで、ビートルズの歌詞カードを見ていると、見回りに来た先生にまるまる没収された。そして、ため息と一緒に手渡されたコピー用紙。みんなと同じもの。必ず1つしかない数字や解釈。私を輝かしい未来へと導いてくれるヒントは、そこにはきっと載っていないのに。
先生、あなたは初めて私に、音楽は無力だと教えてくれた人です。
放課後、職員室からでてきた青年4名は一気に年を取っていて驚いた。ジョンレノンってこんなにしわくちゃな顔だったっけ?とよく見てたら、誘拐されそうな彼らを守ったときにできた傷だったようです。
いちど火がついてしまえば、その消し方もわからないような頃で、その晩、彼らは私の部屋の中で燃えかすになった。熱さで顔が歪んでも、じっと私を見つめ続ける8つの目がとても恐ろしかった。
先生、私はあなたを恨んでなんかいません。ちょうど1年前の冬、同窓会で再会したときは、不思議とあなたに対して嫌な気なんてちっともしませんでした。
だけど最近のニュースを見て思うのです。
あの日のあなたは、いじめをなくすためには給食のカレーライスを廃止しろ、と話す人たちと考え方がとてもよく似ています。それがどんなに悲しいことなのか、説明したくても、あなたがこの世で一番に信頼している赤本にもきっと、その答えは載っていません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?