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酒乱は他人の人生だって狂わせる。酒癖を指摘される人に読んでもらいたい話。

身近にいた酒乱のこと

生まれ育った家の隣家に酒乱がいました。まぁ、飲まなくても暴れるタイプの……近所でも有名な厄介者だったのですけども。飲むと一層酷くなるのだが毎晩欠かさずに飲む。依存していたのでしょうね。欠かさずに飲んで欠かさずに怒鳴り散らす。怒鳴り散らすだけでは飽き足らず、時に近隣の家に因縁をつけに乗り込む。会社経営者でいてソレ、よくもまぁ、警察沙汰にならなかったものだと思います。(実は私が知らないだけでなっていたのかもしれないし、或いは泣き寝入りした人がいるのかもしれない。)

酒乱なんて大人になった今だって怖いというのに、なにせ子どもの頃のこと、隣家から毎夜響いてくる怒鳴り散らす濁声にどれほど怯えたことか。もうどのくらい前になるのか……その人物が他界したと聞いてそれまでの人生で経験したことがないほど安堵したものです。以降は安心できる生活になりました。

いまだに私を悩ませる「夜が怖い」という感覚

それにしても訃報を聞いた時の安堵感たるや言葉にし難く、正直、それ程までに自分が恐怖を感じていたのだとは把握できていなかったし、そこまで影響を受けていたということに気付いて腹立たしくてたまりませんでした。また、誰かの訃報をこれほど喜ぶなどということは想像していなかったし、後にも先にもこれ一度きりだろうと思いますが、今だに何か引っ掛かりのようなものを感じることがあります。刷り込まれた恐怖なのか、人の死を喜ぶということに対しての背徳感なのか。いまもまだよくわからずにいます。加えて、安心できる生活になったとはいえ、子どもの頃にしっかりと染み付いてしまった「夜の恐怖」という部分は完全には払拭できておらず、大人になり環境が変わった今でも夜が怖く、怯える感覚が付きまといます。

大人になったと言えば、当時の私は恨めしく思っていたその一家のこと、今では多少同情もします。家族もまた犠牲になっていたのだな、被害者なのだなということ。実際、家族は毎日近隣の住民を避けるようにして活動していました。日々の買い出しにせよ何にせよ、なるべく近隣の住民と顔を合わせないようにして生活をしていました、とても居心地が悪そうに。

飲み方と酔い方と付き合い方

以下は自分の考え方と対応について記しますが、あくまでも飲み方と酔い方についての話です。アルコールに対しての付き合い方がもはや依存という話であればそれはもう素人がどうこうできるものではないので専門家のサポートが必要となりましょう。今回はそこまでには至らないレベルでの話です。

先述のような環境がすぐ近くにあったため、酒に飲まれる人間が心底嫌いです。乱暴者や絡む者。嫌いだし怖い、怖いから嫌い。なので、仕事関係でも交友関係でもお酒の飲み方や酔い方に問題がある人はとても苦手です。反面、本人の心掛けと思い癖のコントロールである程度は改善できると思っている部分もあります。それゆえに心が痛んだり悩んだりするのかもしれません。

酒癖が悪い人の中には生まれ育った環境や、それに伴う心の問題……「こじらせた」という状態にある人たちが多くいるとも感じています。(※経験則)そして私、先天的なものの場合には変えられないかもしれないが後天的なものの場合には緩和できると思っているクチです。

ただ、後天的なタイプで緩和を目指そうと思う場合には、本人たちがもっとも目を向けたくない部分に目を向けなくてはならなかったり、刷り込まれている価値観がそもそも歪んでいることを認知し受け入れなくてはならないであろうので並大抵のことではないでしょう。だからこそ、本人が変わることを望むなら、変わりたいと願うなら耳を傾けてみよう、可能な限り付き合おう、フォローしようと思います。もちろん、自分が犠牲になりそうになればその時は迷わずに関係を断ちます。どうしてもお酒が断てないのならば関係を断つ、それだけの話です。

なかなかに難しいものはありますが、友人知人であるならば、美味しいお酒と美味しい料理を共にしたいので。

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