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優秀な部下の育成方法:細かく指示をするのではなくゾーンディフェンスを意識する

プロローグ

上司ガチャという言葉があります。新卒で入社して、いい上司に出会えるかどうかで、本人が今後社会人として成功するスキルを身に着けられるかどうか、左右されてしまう、という話です。

では、ハズレ上司にならないためには、どうすればいいのでしょうか?

細く指示をすればいいのか?

最近入社した新卒に、流行している生成AIサービスの調査をお願いするとしましょう。下記のように、細く指示することで、優秀な部下に育つのでしょうか?

レッド部長:「ChatGPTのような生成AIサービスが流行している。ブルーさんには、サービスの機能、活用方法の調査をしてもらいたい。」

レッド部長:「言語生成AIとしてはChatGPT、BARD、Watsonを調査してほしい。調査項目は、機能概要、利用料金、利用ユーザー数/シェア、用途あたりだと思う。」

レッド部長:「1週間で十分にできると思うから、来週に報告頼むよ。」

・・・1週間後

新卒ブルーさん:「レッド部長、調査しましたので、報告書を提出します。」

レッド部長:「うーん、ChatGPT、BARD、Watsonだけを調査しているけど、AmazonやFacebookも有力なサービスを開発しているよね。なんで、入れてないの?」

新卒ブルーさん:「部長が指示されたのは、この3つだけでしたので・・・」

レッド部長:「指示されたのは3つだったとしても、調査の過程で関連する競合サービスがでてきたら、調査対象に追加するものじゃない?」

新卒ブルーさん:「そうであれば、「調査の過程で関連する競合サービスがでてきたら、調査対象に追加してね」と、事前にご指示頂きたいです。」

レッド部長:「・・・」

レッド部長:「機能概要、利用料金、利用ユーザー数/シェア、用途はある程度調査しているけど、実際のツールの使いやすさ・ユーザビリティーは、どうなの?各社のシェアに大きな違いがあるけど、何が理由なのかな?」

新卒ブルーさん:「実際にツールの使い勝手や各社シェアの違いの理由は、ご指示頂いた調査内容に入っていませんでしたので、事前に言っていただかないと困ります。

レッド部長:「・・・」

これは、上司が悪いです。目的を示さずに細かく指示をすることで、指示がないと動けない部下を作ってしまいます。

Stable Diffusionで生成・ベラスケス流風景画
ゾーンディフェンスをイメージ

細かく指示をするのではなくミッションを示す

ミッション・目的を示して依頼する場合はどうでしょう?

レッド部長:「ChatGPTのような生成AIサービスが流行している。当社のビジネスに対する生成AIサービスの影響を分析し、当社のビジネス内容をどのように変革すれば生き残ることができるのか、検討したい。」

レッド部長:「ブルーさんには、「当社のビジネスに対する生成AIサービスの影響を分析し、当社のビジネス内容をどのように変革すれば生き残ることができるのか」を検討するために、インプットとなる調査をお願いしたい。」

レッド部長:「2週間後に社長へのプレゼンが控えているため、調査は1週間後までにお願いしたい。調査内容自体の検討が必要だと思うので、明日このミッション・目的に即した調査内容の案を検討してもらって、認識合わせをしよう。」

このように、お願いするミッション・目的を明示し、必要となるタスク自体は本人に考えてもらうことで、ミッション・目的達成に必要なタスクをもれなく導出しようというマインドになりますし、自発的に考える力もつきます

細かく指示をするのではなくゾーンディフェンスを意識する

スポーツにたとえるならば、野球において1球毎に細く監督が「次は打て、次は送りバントだ」と指示するのではない、ということです。スキルがない内は最初は細く指示して、スキル習熟する後押しをすることはいいでしょう。しかし、いつまでも細く指示し続けると、選手は考えなくなってしまい、投手ではなくいつも監督を見てしまう選手となってしまいます。

ビジネスでも同様に、上司ではなく、顧客を見るべきです。

サッカーに例えると、ゾーンディフェンスという概念があります。ひたすらボールに向かっていくのではなく、各選手が自分達の担当範囲を持ち、担当範囲に入ったボールに対して、対処をするという概念で、現代サッカーの基本的な方法論となっています。

※下記マンガを見ると詳しくわかります。サッカーマンガは、フォワードが華麗に得点を取る系のイメージが強かったのですが、アオアシはデフェンダー視点も入れて、戦略・戦術的な動き方・マインドを扱っていて興味深いです。

上司が部下育成する際に、部下が担当するゾーンを意識してもらうこと、担当できるゾーンをどうやってさらに広げいくかを考えるよう促進すること、が重要だと考えます。

サマリ

細く指示しすぎると、考えない部下を生むハズレ上司になってしまいます。

お願いするミッション・目的を明示し、必要となるタスク自体は本人に考えてもらうことで、ミッション・目的達成に必要なタスクをもれなく導出しようというマインドになりますし、自発的に考える力もつきます。

サッカーのゾーンディフェンスのように、部下が担当するゾーンを意識してもらうこと、担当できるゾーンをどうやってさらに広げいくかを考えるよう促進することが、上司の役割だと考えます。

Stable Diffusionで生成・ベラスケス流風景画
ゾーンディフェンスをイメージ

ChatGPT4の回答

質問:
あなたは経験豊富で顧客からも絶大なる指示を得ている、人材育成の専門家です。
新卒を優秀なビジネスマンになれるように、育成したいと考えています。優秀な部下の育成方法について、具体的な例示とともに、最高のアドバイスをしてもらえますか?

回答:
もちろん、喜んでアドバイスさせていただきます。新卒を優秀なビジネスマンに育成するためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

コミュニケーションスキルの向上:
新卒には、上司や同僚、お客様と円滑にコミュニケーションを取る力を身に付けさせることが重要です。例えば、定期的にプレゼンテーションの練習をさせることで、彼らの表現力や聞き手の気持ちを理解する能力を向上させることができます。

タスク管理と効率化:
新卒には、自分の仕事を効率的に進められるスキルを身につけさせましょう。例えば、タスク管理ツールの使い方を教えることで、彼らは自分の仕事を優先順位付けし、効率的にタスクをこなすことができます。

問題解決能力の育成:
新卒には、自分で問題に取り組み、解決策を見つけられる力を養わせましょう。例えば、ケーススタディを用いたトレーニングを行うことで、彼らは状況を分析し、適切な解決策を提案する力を身に付けることができます。

チームワークと協力:
新卒には、チームの一員として協力し、他者との連携を重視する姿勢を身に付けさせましょう。例えば、グループワークやチームビルディングのアクティビティを実施することで、彼らは協力し合いながらタスクに取り組むことができます。

メンター制度の活用:
新卒には、経験豊富な先輩社員をメンターとして指名し、彼らから学ぶ機会を提供しましょう。これにより、新卒は業務上の悩みや疑問を相談できるだけでなく、先輩社員の成功事例や失敗談を学ぶことができます。

定期的なフィードバックと評価:
新卒には、定期的にフィードバックと評価を行い、彼らの成長をサポートしましょう。具体的には、月次や四半期ごとの個人面談を実施し、彼らの業務遂行能力やチームでの貢献度を評価します。また、改善点や新たな目標を共有し、彼らが次のステップに進むための具体的なアクションプランを立てることが重要です。

自己学習への意欲を促す:
新卒には、自分で学び、成長する意欲を持たせることが重要です。例えば、外部の研修やセミナーへの参加を奨励し、自主的なスキルアップをサポートします。また、業務に関連する書籍やオンラインコースを提供し、自己学習の機会を増やすことも有効です。

社内のローテーション制度:
新卒には、異なる部署やプロジェクトでの経験を積ませることで、多様なスキルや知識を身に付けさせましょう。社内のローテーション制度を活用することで、彼らは自分のキャリアパスを見つけることができるだけでなく、異なる部署間でのコミュニケーション能力も向上します。

リーダーシップスキルの育成:
新卒には、将来のリーダーとして必要なスキルを身に付けさせましょう。例えば、プロジェクトのリーダーやサブリーダーを任せることで、彼らはチームをまとめる力や意思決定力を養うことができます。

成功体験を積ませる:
新卒には、自信を持って業務に取り組むために、成功体験を積ませることが重要です。適切なタスクを割り当て、彼らが成果を上げる機会を提供することで、彼らは自分の能力を実感し、より一層成長する意欲を持つでしょう。

これらのポイントを踏まえた育成プログラムを実施することで、新卒を優秀なビジネスマンに育てることができます。それぞれの新卒が異なる強みや課題点を持っていることを念頭に置き、個々のニーズに合わせたサポートを提供することが重要です。以下は、それぞれのポイントを具体的に実践する方法です。

ワークショップや研修を定期的に実施し、コミュニケーションスキルを強化させましょう。また、社内外のイベントで発表の機会を提供することも有効です。

タイムマネジメントや優先順位付けに関するトレーニングを実施し、新卒に効果的なタスク管理方法を身に付けさせましょう。

問題解決の練習を定期的に行い、アイデアを出し合いながら最適な解決策を見つけるプロセスを学ばせましょう。

プロジェクトチームやタスクフォースを組み、新卒同士で協力して課題に取り組ませることで、チームワークを養成します。

メンターとメンティが定期的に面談を行い、状況や悩みを共有することで、新卒の成長をサポートしましょう。

KPI(Key Performance Indicator)やOKR(Objectives and Key Results)などの評価指標を設定し、定期的な評価とフィードバックを行います。

スキルアップや自己啓発のための補助金制度を設け、自己学習を奨励します。また、社内で勉強会やセミナーを開催することも有効です。

ローテーション制度を活用し、新卒が異なる部署での経験を積むことで、幅広い知識やスキルを身に付けさせましょう。

小規模なプロジェクトやイベントの企画・運営を任せることで、リーダーシップスキルを養成します。

定期的に振り返りを行い、新卒が自分の成果や達成感を認識できるようにサポートしましょう。

これらのアプローチを組み合わせることで、新卒を優秀なビジネスマンへと育成することが可能です。また、育成プログラムを継続的に見直し、改善することで、新卒のニーズや市場状況に合わせた柔軟な育成が実現できます。以下に、育成プログラムの維持・向上に役立つ方法を示します。

フィードバックの収集:
新卒から定期的にフィードバックを収集し、育成プログラムの改善点や要望を把握しましょう。これにより、プログラムが新卒の成長を効果的にサポートできるようになります。

成果の追跡:
新卒の業績やスキルの向上を定期的に追跡し、育成プログラムの効果を評価します。目に見える成果を共有することで、新卒自身も自分の成長を実感し、次のステップに向けた意欲を高めるでしょう。

ベストプラクティスの共有:
育成プログラムの中で特に効果的だった方法やアプローチを共有し、他の部署やチームにも広めましょう。これにより、組織全体での人材育成が向上します。

外部の専門家やリソースを活用:
業界の最新情報やトレンドをキャッチし、外部の専門家やリソースを活用して育成プログラムを最適化しましょう。これにより、新卒が市場状況に即したスキルを身に付けることができます。

社内文化の醸成:
新卒が安心して意見を共有し、自己成長に向けた取り組みをサポートする社内文化を築きましょう。オープンで協力的な環境が、新卒の成長を促す重要な要素です。

これらの方法を活用して、新卒の育成プログラムを継続的に最適化し、彼らを優秀なビジネスマンに育て上げましょう。新卒一人ひとりの成長を大切にし、組織全体で人材育成に取り組むことが、経営成果にもつながるでしょう。


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