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上手くやらないから上手くいく。サウナ発達で迎えた元旦

2024年を迎えたその日に、福島県は南相馬市「サウナ発達」に向かった。

南相馬に向かうジムニーシエラ
Photo by Kento Mukai

独立し6年が経とうとしている。
ビジネスの「ビ」の字も知らなかった自分が開業し、よもやここまで続けられるとは誰が思ったことか…。当時、28歳だった自分も34歳。
ライフスタイルも働き方も住む場所も何もかも変わったが、1番大きく変わった事といえば交友関係かもしれない。

もしくはAM4時(なう)に叩き起こしてきた元野良猫「ぽんち」の存在かもしれない
ありがとう君のおかげでnoteを更新できたよ眠いけどな

よくもこんなにも多くの刺激的な素晴らしいお方に出会い続けて来た6年だったと思うけれど、中でも”オドロキ”の出会いだったのがサウナ発達をゼロから作りあげた「調整さん」こと川口さんとの出会いだ。
同じ平成元年生まれ、同じタイミングで新宿で過ごした過去(そしてどちらも挫折)があるなど、数奇な運命を感じる。

川口さんでもあり調整さんでもある
Photo by Kento Mukai

このサウナ発達を文面で説明するのは極めて難しい…
SNSやパッと概要を見ただけでは奇天烈な印象を受けること必至なのだが、もしかすると実は「世界レベル」で凄いサウナ施設なのではないかと、染谷は思っている。

数奇なオブジェクトに異様な世界観。

しかし、その全てに”こうでなければならない”理由と強い信念があるのだ。

絶賛制作中の湯処「興奮」より 牛・魚神・調整さん・牛の図
Photo by Kento Mukai

福島県、南相馬市は東日本大震災、コロナ禍と2度大きな打撃を受けた。
震災の経験から衣・食・住の必要性を痛感した川口さんは、文字通り衣食住全てを提供するサウナ発達を作り上げた。
DIYを駆使しつつ作り上げたサウナ発達に併設する宿泊施設「宿巣(やどす)」では”住”を提供しながら、川口さんが”迷子になっても大丈夫な服”をコンセプトにセレクトした強烈な個性溢れる”衣”が陳列され、全てが購入可能だ。また、奥様が作られる宇宙レベルで手の込んだ美味しすぎる”食”もいただける。
その全てが”自前”である事こそ、サウナ発達の凄みである。

サウナ後に手の込んだ料理をしこたまかっ食らう
Photo by Kento Mukai

「震災の経験があるからこそ廃材を利用したい」
そういった想いから作り上げられるサウナ発達で目に入る物の多くは元廃材、である。

川口さんが廃材を利用するきっかけにもなった「ウッドクラフト 無房」の作品
「虫食いも割れも腐れも・・すべて含めて削る」の精神で制作された

ゼロからイチを作り上げる。
もしかしたら、マイナスからイチを作りあげているのかもしれない。

川口さんは言う
「コロナ禍の福島は震災の時より死んでいた気がする」
駅前には人が誰もおらず、震災からの復興というテーマで団結した震災とは雰囲気がガラッと違ったようだ。そういった最中、福島県、南相馬という地域をより活性化させたい、自分だけが幸せじゃ意味がない、という強い使命感を抱いたそうだ。

熱っぽく語ったサウナ発達誕生の経緯には、リアルな想いと経験が詰まっていた
Photo by Kento Mukai

ここで、サウナ発達の立地について説明したいと思う。
「ここまで奇抜な施設なら、さぞ人里離れた場所にあるだろうな」
そう思ったかもしれない。
”南相馬市役所 北庁舎”から徒歩20歩。
人通りの多い道に面し、両脇は住宅という立地なのだ。
この地を訪れた当初、GoogleMAPの案内が間違えではないか3度見したのを覚えている。

「南相馬という地域をより活性化させたい、自分だけが幸せじゃ意味がない」

そんな強い使命感があるからこそ、この場所にこの施設がある意味が存在している。

元旦の発達はあんこう鍋が用意された
Photo by Kento Mukai

事実、サウナ発達での経験は地場のものとの出会いでもある。
近くの鮮魚店の新鮮なお刺し身。地場の醤油、お酒など、見渡す限りが”南相馬”だ。

ここで、ここまでの話を思い返していただきたい。

サウナ発達の経緯やあり方が「奇天烈」だったろうか?
そして、「ビジネスだから」という免罪符を手にした「上手くやってるな感」を感じただろうか?

その答えは、きっとNoのはず。

ピュアな想い、強い使命、そして体現するスキルを持っている事。
目先の「上手くいくための方法」に囚われない、本質的な行動こそが、この凄まじいアウトプットを生んでいるに違いない。
そしてその余波が次第に広がり、小手先ではなし得ない結果となって現れる。

染谷・川口さん・向井さんのスリーショット
Photo by Kento Mukai

2024年、元旦。
凍える寒さの中、一段と背筋が伸びる思いで帰路についた。

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