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『どの口が何を言うかが大切』先生だからこそ、生き方にこだわりたい。

独立以前の自分自身は、恥ずかしながら

「生徒への想い」と「企業としての利益追求」という相反する振り子の間で揺られていく中で、いつしか「自分の人生と向き合うこと」を棚に上げてきてしまっていた。

プライベートを犠牲にし、朝から晩まで積み上がる授業のコマを消化しながら、生徒のためにと頑張っていた自分は、いつしか忙しさを理由に自分の人生と向き合うことから逃げていたんだ。

しかし、今ならわかる。

生徒との直接的な交流を含む教育は

「自分の人生と真剣に向かい合っている人間」のみが携わる資格があるんだ。

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どの口が何を言うかが大切

自分の人生とそもそも向かい合っていない人間の言葉に、どれだけの価値があるのだろうか。

生徒に対する励ましの言葉や、もっともらしい動機づけの中で

いかに大学受験が人生を変える力があるのか、高校生だからこそ真剣に進路を考えないといけないんだ、と声高に叫んでも

『じゃあ、あんたは自分の人生と真剣に向かい合っているのかよ』

と言われれば、グウの音も出なかったのではないかと思う。

思い返せば、当時の自分であっても、好影響を与えることが出来たと自信をもって言える生徒が存在するけれど

今思うと、自分自身を棚に上げている部分で、本質的な部分では罪悪感が残っている。

確かに、塾の先生は生徒に対して熱心で、いい先生もたくさんいる。

しかし、その中の何%の先生が、生徒に要求する水準以上に自分の人生と向かい合っているのか、ということに関しては、当時の自分を含めて期待できない結果になるのではないかと思っている。

この事に気づいたのは、2018年初頭に知識も上手くいく根拠もなく、独立を決めた瞬間からだ。

根拠のない自信から始まった、実家の事務所の四畳半の応接室を間借りした独立のストーリーは、ありとあらゆる壁にぶつかり、壁から手が生えてボコボコに殴られるような失敗経験を積み重ねることによって、開始早々に夢物語であることがわかった。

自分なりに考えてチラシを作り、逼迫した資金の中で何とか配ったチラシからの反応はゼロ。最終的にはチラシを配る資金も尽き、ポストにチラシを入れ歩いた時もあった。

そのような中でも、近くで応援してくれた元生徒がいたことは、僕が塾講師として働いてきた数少ない功績の結果だったと思う。

特に、

海老原くん、伊東さん、須藤さん、北村くん、小林くん、小林さん、綿貫さん、長谷川さん、土屋さん、後藤くん、田中さん、岡田くん、武士田くん。

には大変にお世話になった。

本当にありがとう。

一生、何かあったら相談に乗るから、教えてね。

しかし、ビジネス上、否が応でも自分自身の人生と直面し、今までの行動・選択の責任を精算し、認めなければいけない時がきた。

『今うまくいっていないのは全て自分の人生の選択の結果であって、誰のせいにもできない。』

逃げ場のない袋小路に追い詰められたこの瞬間こそが、僕自身が自分の人生を主体的に生き始めた時であったし、教育に携わる資格を初めて得た時なのではないかと思っている。

自身の選択の積み重ねで陥っている窮地とはいえ、この逆境状態から約半年後に東京へ進出、まっとうなビジネスとして成り立たせることができた経験は、僕にとって強烈な成功体験となった。

目指す目標のために、やらないといけないやりたくない事もやってきたし、とやかくいう外野の声も乗り越えてきた。努力を努力で終わらせるのではなく、結果に結びつけてきた。

全部、自分でリアルに選んできた結果だ。

『どの口が何をいうかが大切』

生徒に口を出す人間だからこそ、語りかける言葉は実体験を伴う生きた本物でありたい。

今もなお、人生の人生と向きあうほどに悩みは山積し、答えのない問いにぶつかりながらも、もがくような日々だ。

ハッキリいって、大変だ。

超、大変だ。

けれど、自分に後ろめたさがなく、清々しい空気の中で生きている実感があるから、辛くはない。

そんな姿から、少しでも自分の人生と向かい合おうと思ってくれる生徒の子がいたら嬉しいと思っている。

タイミングにもう遅い、は存在しない。諦めるには早すぎる。

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