豊かな時間

つれづれなるままに、日くらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ

兼好法師の徒然草のはじまり。
誰に読んでもらうでもないけれど、自分のために綴ってみる。

母になって約１年。
産後大量出血で死にかけた時は、ただただ夫と娘の側にいたいと願ったのに、
いざ現実に戻ると、寝ない食べない飲まない娘にイライラ。
自分の時間が中々取れず、思い通りにいかない毎日にイライラ。
SNSで流れてくるキラキラ生活にモヤモヤ。

ところが最近、心臓が痛くなることが時々あって、病院で検査もしているし、大したことではないと分かっていても、産後の記憶が蘇る。
人っていつ死ぬか分からない。今をもっと大切に、この瞬間を感謝して、愛情いっぱい抱き締めて生きていかなければ。

贅沢なんて出来なくて良い。
中々進まない離乳食を娘に食べさせながら、おかあさんといっしょをBGMに、夫と食べる、焼いただけ蒸しただけディナーの、なんと豊かなこと。
親の思う通りにいかなくとも、いつもニコニコしてくれる娘の、なんと可愛いこと。
娘の就寝後に夫婦二人で果物をつついたり、チーズをかじったりしながらお喋りする時間の、なんと幸せなこと。

こんな時間を最優先に、この先の人生を組み立てていこう。
守りたい、私の人生の豊かな時間。
忘れたくない初心。