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低予算で街の観光案内を可能にする、あの馴染みのサービス

観光名所が街にある場合、今はTwitterやFacebookなどSNSサービスを通じて、観光地の紹介や人を呼び込むプロモーションを行うことができます。

しかし、実際にお客さんが現地に来てくれたとき、その名所を案内するためにも人が必要だったり、パンフレットを刷ったり、いろいろとお金がかかるものです。

イギリスのモンマスという街を舞台に、とあるサービスを使って街ごと観光地に仕立てた事例があります。

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イギリス・ウェールズ州の「モンマス」には、観光名所として1000以上もの史跡がありました。しかし、せっかく観光客が来てくれても、それぞれがどんなエピソードを持った史跡なのか、きちんと説明する方法がありませんでした。しかしコーディネーターを雇うお金もない。

そんな状況を打破するために、既存のWebサービスを活用して、街ごと博物館化することに成功しました。

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そのアイデアは、街中の、1,000カ所のローマ・中世時代の史跡にQRコードの入ったプレート(冒頭写真)を設置するというもの。

そのQRコードをスマートフォンなどで読み込むと、その史跡についてのWikipediaページに飛ぶことができるようにしました。このプロジェクトは、Wikipediaの情報を町全体に張り巡らせる、という初めての試み。その成功事例として街の名前を取った「MONMOUTHPEDIA(モンマスペディア)」と名付けられました。

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【POINT】
・誰もが使ったことのある無料のWebサービスをそのまま活用しているので、専用のウェブページを作成する必要がない

・世界各国から来る観光客のために(Wikipedia自体が)様々な言語にも対応

・QRコードを設置するだけなので、コストと時間を減らせる

・大きな手間をかけずとも情報は常に更新されていく

・モバイルでアクセスできるので、一人一人が自分の好きな場所を観光しながら解説してもらえる、パーソナル・ガイドとして出来上がっている。

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例えば、『Monmouth Castle』(モンマス城)を調べてみると、上記のように日本語Wikipediaページが表示されます。日本語ページがない場合、他言語ページへのリンクが一覧で表示されるとのこと。

日本でも行われている取り組み

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実は、このQRコードを使った街のWikipedia 化プロジェクトは、日本でも行われています。

「横浜をWikipediaタウンにしよう!街歩き」

⇒横浜の観光資源である歴史的建造物(掃部山公園、汽車道、横浜情報文化センター、インド水塔)についての記事をその場で作成し、ウィキペディアに投稿するというワークショップです。(参考サイト

「二子玉川をウィキペディア・タウンにしよう」

⇒東京・世田谷区で行われたイベント。土木遺産として有名な「駒沢給水塔」や世田谷区地域風景資産「砧下浄水場」などの「渋谷町水道」関連施設のWikipediaページを作成(参考サイト

「関西の“観光ウィキペディア”を作るプロジェクト」

⇒大阪市のNPO法人「スマート観光推進機構」が中心となり、大阪だけでなく京都や奈良など、関西エリアの観光情報を、Wikipediaでガイドブック化することにより、周遊しやすくする。


その街・地域ならではの歴史・伝統・文化体験を、Wikipediaなど既存のサービスをうまいこと使って、いかに低予算で観光案内できる仕組みを整えるか。ぜひこの目線を地方活性化などにも役立てていきたいですね。

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