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RIZINの一人立ち

行って良かった!!

会場を出るときの僕の気持ちです。

良い興行の条件、特に日本のMMAの場合は

・試合そのものが面白い
・次に繋がるストーリーがある

だと思っています。

「レベルの高い選手達を集めて、ランキングと人気をにらめっこしながら総当たり戦をやる」

というのは資金力と人材とブランド力、世界規模での認知度があるUFCだけが出来る力業で、その他の団体は例えメジャーと呼ばれていてもハッキリ言ってしまえば…

「世界一を決める舞台風に世界観を作り上げて、人間ドラマを魅せる」

に尽きると思います。

2015年にRIZINが誕生した時の事を思い出しました…

対戦カード
http://jp.rizinff.com/_ct/16969509
http://jp.rizinff.com/_ct/16969713

ツギハギだらけの船出だったと思います。

これは馬鹿にしている訳では無く、RIZINのストーリーが見えない、人材も居ないのですから当然です。

この時誰が今のような状態を想像出来たでしょうか?

日本にメジャーMMAイベントが帰ってきたことは嬉しいが、過去の選手に頼った先行きの見えない状態に、僕は不安で不安で仕方ありませんでした。

この頃息を巻いてくれたのは

那須川天心とRENA

でした。そして話題先行として

山本美憂・アーセン、ギャビガルシア

などの選手達が注目を集めてくれました。

ファン同士も自分達の見たいカードはさておいて、SNSではお茶の間に届くカードについての議論が行われ、それは立場の良く分からない不思議な光景でした。
ファンが「我が事のように」語っていました。
皆本当に心配していたのでしょう。

風向きが変わった=方向性が定まったのは
2017年最初のRIZINからだと思います。

UFCでタイトルマッチの経験がある

堀口恭司

の参戦です。

UFCでベルトを巻く彼の姿が見られなくなると思った当時の僕は、散々悪態をついたものですが(反省…)

RIZINの求心力は爆発しました。

堀口選手を中心に据えたトーナメントが開かれ、引き寄せられるように選手達が集まり始めます。

女子トーナメントも行われ、男女共に大成功し

浅倉カンナ

というRIZINで成長した新ヒロインも誕生しました。

待望の、世界チャンピオンだった

浜崎朱加

も参戦し男女軽量級最高峰の二人がRIZINに揃い踏みです。
ここで初めて「世界」という言葉に真実味が出てきてRIZIN は「最強」を口にして良い場であるという博がつく訳です。

格闘技イベントにとって選手こそ資本であり財産である。

本当にそう思います。

いくらメイウェザーなどの飛び道具を使っても
地に足のついた選手達が居てくれなければ、ただのその場しのぎに過ぎません。

そういう意味で今回のカード発表があった時に

間違いなく記念すべき大会になる!

と確信しました。

まず今まで目玉カードの役割を担ってきた選手が誰一人居なかった事

那須川天心も堀口恭司もRENAも山本美憂も浅倉カンナも居ませんでした。
逆にいうと、それらの選手達が居なくとも成立するという事の証明です。

特に後半のバンタム級の2試合はトーナメントで巻いた種がガラガラポンされて「圧倒的な王者とそれを包囲する強者四人」という分かりやすい形となって花を咲かせた素晴らしい成果だと思います。

もう一つは

メインが朝倉未来VS矢地祐介である

という事です。二人ともRIZINでメジャーになった選手ですがレジェンドでもなければ他ジャンルからのスター選手でもない二人がRIZINの中だけで因縁を作り盛り上げたと言うことがとても重要なのです。

これはバンタム級のロード・トゥー・ホリグチについても同じですが

良い人材が揃えば、周りがお膳立てをしなくとも勝手にストーリーが転がり始める

という事です。

堀口恭司の偉業もあり

僕の性格の悪さ故に当初は言い訳にしか聞こえなかったRIZINが唱っているフェデレーション(他団体と競合しない協会)が戦略に聞こえるようになりました。(だって、選手が潤沢に揃っていればフェデレーションを提唱する必要はないもの)

とにかく、今回は地上波のゴールデン生中継が無い事で不満の声もありましたが、そのお陰で格闘技ファンファースト、現場第一主義…

那須川天心も堀口恭司もRENAも山本美憂も浅倉カンナも居なくとも

試合そのものが面白く
ストーリーが転がる

・心情むき出しの因縁の果たし合い
・頂点を目指す無慈悲な生き残り
・時代に抗う旧世代の闘い
・ファンの後押しから生まれた身内ネタ
・女子の勢力分布を一変させる実力者の参戦

正に神興業であったと思います。ですから今回のRIZIN17を総括すると…

RIZINが一人立ちした大会であった

と言えるのではないでしょうか。

あー、ホントに良い大会だったなぁ……

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