「主体性を高めるトレーニング」って検索されてるけど、調べ方間違ってるよ
学校では、子どもが主体的に学ぼうとする姿勢を引き出すために日々工夫を凝らしたり研究したりしている。
ぼくも元教員なので、主体的に学ぶ姿というものを深堀りしてきた。だからこそ、主体性を高めるトレーニングという言葉は違和感がありありなのだ。
主体性って簡単に言うと、自分から考えたり手を動かしたり、質問したりする姿だと思う。ということは、自分の興味関心に左右されると考える。だから、教員は一見面白みのない教科書の内容にゲーム要素を入れたり、知的好奇心を刺激するような話をして興味関心を高め、学ぶ姿勢を主体的にするよう努めていると考えている。
ここで重要なことは、子どもたちは学校に通って教科書に載ってある知識を一通り学ばなければならないという半強制的な環境が用意されているという点だ。
学ぶ内容を選ぶことができないという点で、主体性は発揮しにくい状況になる。だから、先生たちは興味関心を高める術を模索していると言える。
一方大人は、学ぶ内容のほとんどを選ぶことができる。自分がその都度必要だと考える知識や技能を高めるために主体性がないと悩むことがあるだろうか。
このように考えると、主体性とは自分がもとから興味のあることや、他人の話を聞いて興味をもったことを基に発揮されるものだとぼくは考えている。
とはいえ、これらはぼくのイメージなのできちんと辞書で調べてみた。
辞書では、自分の意思や判断で行動することとある。なるほど、思っていたよりシンプルである。
ということは、主体性を高めるトレーニングとは、つまり、意志力や判断力を鍛えるということなのだろうか。
次に主体性を高めるトレーニングを紹介しているブログにお邪魔した。うーん、結局自己肯定感の話が多く、とても抽象的であまり参考になるとは思えない。
そもそも、「主体性を高めるトレーニング」で検索している人たちはどんな困りごとがあるんだろう。
おそらく、挫折経験が多いとか、やりたいことがあっても躊躇してしまう方かなと想像する。
また、やる気のない部下や指示待ちでなにも聞いてこない部下がいる場合に上司の方が調べるのかもしれない。
こう考えると主体性を高めるよりもほかに、調べるべき事柄が見えてくる。
挫折経験が多い人は、まず多くの人がいろいろなことで挫折するということを知ってほしい。基本的に人間は挫折する。
そして、それは続けるための知識がないからだ。例えば、習慣化するには1か月半はかかる。それまでは、なるべく短時間の練習を積み重ねる方がよく、習慣になったら、少しずつ時間や負荷を伸ばす方法がよいのである。しかし。多くの人は、始めたときのやる気に任せて練習しすぎてしまう傾向になる。それで、脳が疲れてしまい続かないのである。
要は、知識が足りないから挫折しているだけということに気付いてほしい。
また、部下が主体的に慣れないのは、本人の問題かもしれないし、マネジメントの問題かもしれない。本人の問題なら脳内の神経伝達物質であるセロトニンが不足しているかもしれないし、マネジメントが問題なら目標設定とか仕事の任せ方に問題があるのかもしれない。
今一度、深く考えて、もっと具体的な問題を明らかにして対策するべきだろう。
主体性を高めるトレーニングと検索しても現状では、実りある知識を得ることはできないのだから。
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