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映画「ジョーカー」はかっこよすぎてクソ最低な映画だった

あー気分悪い。

ということで見てきました。
先週末の公開からあっという間にレビューも出まくってますけど、賛否両論だしとりあえず見てみないとあの「なんとも言えねぇ…」感は伝わらないと思うので、暇と財布に余裕がある人はさっさと観に行くのが良いと思います。話はそれからだ。
ただ僕的にはオープニングから不穏でお腹が痛くなったし、音がデカくて何回も効果音に脅かされてビクッとなるし、久しぶりに観るのしんどくなって途中で帰ろうかな…という気持ちになりながら見たので、人におすすめはしない。見に来てたカップルだいたい終わったあとお通夜だったし。

良かったところは今作の主人公となるアーサー(ジョーカー)役のホアキン・フェニックス。ヒース・レジャーに匹敵する恐ろしいまでの役作りと演技はすごすぎた。これを見るだけでもとりあえず元は取れます。ええもん見たわって気分になれます。さらに全編を通して映像がストイックにかっこいいので見とれてしまうシーンも多数。バットマンシリーズでおなじみの場所(あの病院だ!)とかストーリーもきちんと回収されてるのでその辺りも感慨深く見れます。

ただストーリーが、ジョーカー誕生を紐解く話だからまあ当たり前なんだけど、そりゃそうなるよね!と得心することにものすごく抵抗がある。いちおう律儀に法と社会正義を守ってその恩恵もちゃんと受けてる人には、わかるんだけど受け入れたくないっていうすごいモヤモヤ感があとに残る映画だし、ある程度エンタメとして受け入れる人でもスカッとはしないんじゃないだろうか。
あとなんだろう、自分の中にジョーカー像がある人には「え、ジョーカーってこんなだっけ?」と変な気分になるところも多々あります。振る舞いや立ち姿は知ってるジョーカーなんだけど、人の弱みに付け込まないし正義感を揺さぶらないし、つよつよメンタルじゃない。中身が違うよね、みたいな。
クライマックスのやりとりくらいかな、後はずっと弱かった。

とりあえずネタバレなしの感想はこんなもんで、以下はネタバレ








・ラストシーンからの逆算で全部アーサーの妄想でした説は個人的には無いかなぁと思う。時系列はそのままでところどころが妄想って感じ
・なんかうまく行ってないとこは大体現実で、シングルマザー絡みとか箱でやったショー。なんとなくうまくいったように終わったシーンが妄想っぽい
・ちなみにカウンセラーとアーカム病院の女医役は別のキャストやぞ
・3人の証券マン、ピエロの同僚(でかいやつ)、母親、マレーは殺したと思う。その後連行されてからが妄想かもしれないとは思った
・証券マン殺しの時の撃った弾数がおかしいはうっかりミスやと思う。銃が暴発したシーンも弾入ってるようには見えなかったし(逆にえっ弾入ってたの?ってびっくりした)その辺はちゃんとしてない気がするぞ
・オカンの殺し方も無理があった(呼吸器付けてたのに枕?)と思うし、あんまりその辺はリアルに描かず妄想かも?ってミスリード仕向けてる感
・そもそもブルース・ウェインと年齢差ありすぎるのでバットマンと対峙するのは今作とは別のジョーカーだよね。つまりジョーカーは概念
・なんだったら暴徒に紛れてサクッとウェイン夫妻を殺したヤツのほうがジョーカーっぽいよ
・アーサーはトーマス・ウェインの非嫡出子でブルースとは兄弟説は割と公式っぽいよね。ただストーリー的にはどっちでもいい
・シングルマザーとの逢瀬は妄想でしたってところは本気で背筋がゾッとした。けど、アーサーのルールだと彼女は殺してないよね(殺した派が多いけど今作のジョーカーはやらないと思う。小人も殺してないし)
・冷蔵庫に入ったのは自殺?
・あと銃を自分に向けたり自殺願望が結構あるジョーカーには違和感
・冒頭のストリートチルドレンもそうだし証券マンもウェイン氏も割とカジュアルに人を殴るのであの辺はゴッサムルールだと思う
・警察が凶悪犯を射殺できないのもゴッサムルールだよね
・社会が悪を生み出した、みたいな話になってるけどゴッサムシティという枠組みの話だから

とにかく見終わった後、色々考えさせられてメンタルがやられますので、早めに別の映画見てリセットするのが良いと思います。
もう一回ダークナイト見るか…

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