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第1回THE NEW COOL NOTER 賞 ~ 受賞作振り返り【エッセイ部門】

第1回の楽しい思い出を振り返りたいと思います。
すでに第2回の応募数は前回を越えましたが、第1回のチャレンジが皆様のおかげで大成功に終わったので、それがこうして第2回に受け継がれているのだと思います。

noteの私設賞では、エントリ作品数も最大級の私設賞となりました。

第1回を支えてくれた応募者の皆様に感謝しながら、あのイベントを涙拭きつつ(/_;)
振り返ってみたいと思います。

こちらから第1回みこちゃんコンテストのすべての作品をすべてお読みいただくことができます。

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【エッセイ部門】のノミネート作品の結果を発表させていただきます。

審査委員は洋介さんにお願いいたしました。

各審査委員には、事務局より厳正なる審査の結果、予め部門賞候補作品を選ばせてさせていただき、その中から最終決定をいただいております。

洋介委員長による【エッセイ部門】受賞作と、ノミネート作品への批評は、以下のとおりとなります。

エッセイ部門受賞作 ~ みくりや佐代子さん

小学校6年生の夏の日の記憶。
子供の頃の記憶の感覚
照りつける上り坂を
自転車を押して登る二人。

坂を一緒に上る同級生は
三つの確認を望んでいるのかもしれない。

出会った同級生の母親は
子供ながらに働いた無意識の
想像とは異なる母親像だった。

美魔女という想像は
同級生にはお母さんがいないと
聞かされていたことから
偏った思い込みが創ったものだ。

「まどかはべっぴんだ」
何度も繰り返す同級生の母の言葉に
戸惑いながら少女の心の中は
常識から生じる違和感にとらわれてゆく。

もらえたお年玉並のお金は
物質的愛情の証
褒め言葉は非物質的愛情の証だ。

同級生は満足している。

愛されていることを
確認したい心は物心共に満たされた。

他人にも愛されていることを
示すことも満たされた。
自己肯定感と自己重要感が満たされた。

自分が愛されていることを知って欲しい。
他人に示すことで確かめる親子の愛情は
他人にはわからぬ
二人だけの秘密を培養したようだ。
この秘密は愚かしさと共に
最も正しい事実を把握している。

私の両親は銀行員だった。
両親には価値観を強要されて育った。
優しい両親だったことは間違いない。
愛情はたっぷり注いでもらえた。
ただ欲しかった愛情はもらえなかった。
そんなことは誰にでもあるだろう。

ただ褒められた記憶が少ないのだ。
父には野球の打撃を褒められたこと。
母には料理を手伝うと褒められたこと。
この二つしか記憶には無い。
褒められたことの少ない子供は
誰かに褒めてもらいたくて
14歳で少しグレてしまった。

目の前でも人前でも親に
褒めて欲しかっただろうか。
照れ屋なので人前では要らなかったな。
ただ優れたこと以外を褒めて欲しかった。

褒められると今でも嬉しい。
今は人前で褒めてもらっても嬉しい。
大切な人に褒められるととても嬉しい。

私は褒められると凄く張り切る。
行動の力強い原動力になる。
毎日を生きる大きな力になる。

大切な人を他人の前で褒める。
この人は私の大切な人です。
間違いなく一番の魔除だ。
愛ある世界の種が生まれる。

人を大切に思う心

悪口に悪口を返さない心
不平に不平を返さない心
不満に不満を返さない心
愚痴に愚痴を返さない心
文句に文句を返さない心

愛情に愛情を返す心。
愛情で包み込む心
愛ある言葉で生きること。

素敵なエッセイをありがとうございます。


2位ノミネート ~ 小野木のあさん
(みこちゃん奨励賞対象作品)

小学一年生の私の驚きと
嬉しさに満ちた夏の体験。
美しい風景を感じながら、ふと仰いだ空。
そこには白い雲が浮かんでいた。
雲を見ていると雲が動いていることに
女の子は気づく。
雲は動かないと思っていたのに雲は動くのだ。

にわかには信じられない
子供心が丁寧に描かれる。
女の子の感情の動きとは
こんなにも可愛いのか。

味わったことのない感動を覚えた。
小学一年生の女の子の心理の動きを
初めて知ったからだ。

いつもは止まって見えるけれども雲は動く。
この世界の真理を発見した大きな喜びを
伝えたい子供心がある。

家に帰って早くお母さんに伝えたい。
帰ると意外なことが起きていた。
お母さんは他の子のお母さんと
電話をしていて
あらぬ勘違いをして怒っている。

大人とは思い込みにがんじがらめに
縛られた生き物なのだ。
そして多くの大人は思い込みから
不条理が生まれることを知らない。

雲は動く天気は変わるという
純粋な子供心の感動は
大人の不要な思い込みに
閉じ込められてしまったのだろうか。
思い込みの少ない子供の意識と大きく
乖離した思い込みに縛られた大人の意識。

しかし何とその乖離が
強い記憶となって残ったという。
記憶は閉じ込められることなく
鮮明に刻まれたのだ。
人の意識とは何と面白いものだろう。

思い込みの多い大人と
思い込みの少ない子供の意識の対比が
おもしろくて鮮やかな心理描写が
印象に残る素敵な作品でした。

ありがとうございます。

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第2回THE NEW COOL NOTER賞の応募期間は終了しました。
みなさま、たくさんの応募、ほんとうにありがとうございました。

引き続き、応募作品への講評と、授賞に向けた審査をお楽しみください。

よろしくお願いいたします。

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