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規模が大きいからこそ面白い、ユーザーに価値を届けることを追い求める「クックパッド」のサービス開発者の仕事

「クックパッド」に掲載されるレシピは約343万品、つくれぽは約2200万件にも上ります。すでに大きなサービスではありますが、私たちクックパッドは現状に満足せず、料理をもっとクリエイティブで楽しいものに、「つくること」をわくわく楽しいことに、そして、料理を通じて、他の人とのつながりが楽しみとなり増えていくようなサービスへの成長を目指しています。そのために必要だと考えている「ユーザーが料理の楽しみを発信しあえる場」。そういう場を大きく広げることを目的として発足したのが、レシピ事業サービス基盤部です。

サーバーサイドを中心としたサービス開発エンジニアとして入社し、昨年の11月から部長を務める事になった私が、ユーザーに価値を届けることを追い求めるクックパッドのサービス開発についてお伝えします。

クックパッドのインターンに参加し、エンジニアとして新卒入社

クックパッドには、2017年に新卒入社しました。きっかけは学生時代に参加したサマーインターンです。そこで現場の優秀なエンジニアから順序立ててプログラミングやサービス開発を教えてもらい、ユーザーの体験を最優先に考えるクックパッドの開発姿勢に感銘を受けました。その講義内容と学びを噛み砕いて持ち帰り、当時Webエンジニアのアルバイトをしていたベンチャー企業の開発チームに共有し、一部の開発手法を実際に導入したことを覚えています。サマーインターンシップに参加したことで、「ユーザーのことを考え抜いてサービスをつくり、コードを書く」というクックパッドでの働き方をイメージすることができました。

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“毎日の料理を楽しみにする”ために大規模開発を実施し、コンセプトからリニューアル

入社4年目となった現在は、レシピ事業サービス基盤部の部長を務めています。クックパッドには複数のサービスがありますが、その中でもレシピサービス「クックパッド」は1998年3月開始から、投稿レシピ数は343万品を超え、日本では月間約6,100万人にご利用いただいています。
クックパッドには「つくれぽ」というレシピ作者に対して、レシピを見て作った人が、「ありがとう」を伝えられる手段が13年ほど前からありました。2006年のサービスリニューアル時に誕生したクックパッドの基本機能でしたが、そのつくれぽ機能のコンセプトを「レシピ作者へ感謝を伝えるもの」から、今日の料理を決めようとしているユーザーへの「おすすめ」と変更するリニューアルを行いました。現在は、レシピの良かったポイントをハッシュタグとしてつけることができ、検索ユーザーはハッシュタグを通して作った人のさまざまなおすすめの切り口からレシピを検索できる機能になっています。

このリニューアルはクックパッドにとって長期に渡る大規模開発でした。クックパッドはミッションである「毎日の料理を楽しみにする」会社です。今までプレミアムサービスで提供してきた人気順検索はユーザーの負担を軽減することができるかもしれませんが、「毎日の料理を楽しみにする」ことはできていないのではないかと感じていました。そこで、料理を楽しんでいるユーザーの体験が詰まっているつくれぽに着目し、ハッシュタグ機能を開発しました。料理の体験をより気軽に共有してもらい、それを検索できる構造にすることによって、他者の料理体験から考えもしなかったアイディアを得るなど、料理の楽しさを増幅させる狙いです。(より詳しいリニューアルに関するより詳しい話はこちらの note記事 を参照ください)

ハッシュタグ

ハッシュタグを中心とした体験や生態系は、これから磨き込みを重ねてクックパッドの軸となっていく予定です。今は、コアユーザーの集まっているアプリでの実装にとどまっていますが、料理を楽しみ合う場を広げ、大きくするために、今後は Web 展開など、より多くのユーザーへ働きかけていくことを目指しています。その過程でハッシュタグの価値を再発見したり、プラットフォームごとの最適化を行う必要もあるでしょう。Web からアプリへユーザーが移行する際の体験といったような、プラットフォーム間の繫ぎ込みについても整備する必要があると思います。

クックパッドのサービス開発のおもしろさと大切にしていること

サービス開発を進める中で、施策は実施して終わりではなく、その結果からいかに多くの学びを得るのかということが重要になります。学びを得るためには、施策の意図をしっかりと定め、その結果を可能な限り正しく解釈する必要があると考え、施策を打つ前にユーザー体験や数字の変化を予測し、実際の結果と比較することで、学びを積み重ねていく必要があります。レシピ事業サービス基盤部では、施策の結果から最大限に学びを得て、知見と経験を積み重ねながら前に進めるサービス開発をしたいと考えています。

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「クックパッド」のサービス開発は、規模が大きいからこそおもしろいです。新規事業のようにドラスティックに数字が動かず、古くて巨大なコードを触るのは決して容易いものではなく、苦しいこともあるのは事実です。ユーザーベースが巨大な分、一つのミスへのリアクションの速さ、インパクトの規模はとても大きく、普通の規模だとぶち当たらない課題に直面することもあります。しかし、その分社会へ与える影響はとても大きいものです。
たとえば、新型コロナウイルスの流行によって緊急事態宣言が発令されたタイミングでは、保育園や学校の閉鎖によって、ユーザーさんが家族のために料理をつくる機会が増えるだろうと考え、その献立決定を支援するためのコンテンツを制作・公開したことがありました。その際には、非常に多くのユーザーから感謝のご意見をいただくことができ、日々の業務に対して大きな励みになったことを覚えています。この取り組みについてはメディアにも取り上げていただきましたし、改めて社会的な意義の大きいサービスに関わっているんだという実感を得ることができました。

また、新規サービスに比べて組織も大きいので、大勢で一つのものを作るおもしろさもここでしか体験できないものだなと思います。多種多様なメンバーが「毎日の料理を楽しみにする」という共通の目的に向かって進んでいることに心強さを感じます。ひとりひとりの能力も非常に高いため、まっすぐサービスに向き合って大きなチャレンジができるのも魅力的な環境だと思います。

可能性の大きな「料理」という領域でこれからも大きなチャレンジをし続けていく

料理が抱える問題、「クックパッド」が抱える問題は山積みです。正直に言って問題しかないのではとも思えるくらいです。加えて、外食やデリバリーの普及によって、安くて美味しいものが手軽に食べられるようになり、世界が料理を作らない方向に進んでいるというのも感じています。だけど、僕たちは料理や食卓が生み出す価値というものを信じているし、それを諦めたくはないんです。ユーザーさんの中には、なかなか会話が難しい反抗期のお子さんと食卓を囲んで話を聞いているというような体験談を送ってくださる方もいて、そういう話を聞くと料理ってやっぱり可能性の大きな領域だなと思います。人の身体を作っているのは食事なのでもちろん健康にも影響を与えますし、レシピを人に伝えるというのは世代を超えた文化の継承と捉えることもできる。そういう営みが一日に約3回世界中で行われているという事実自体が、すごく大きな可能性だと思いませんか。ですので、料理をしたいと思う人が増えるよう「毎日の料理を楽しみにする」ことに向き合っていきたいと思っています。
レシピサービスの「クックパッド」は保守運用をやっているフェーズなのではと思われることもあるようですが、先ほどもお伝えしたように、守りに入るばかりではなく、より毎日の料理を楽しいものにできるよう、サービスのコンセプトから変えるようなことにもトライし続けています。

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レシピ事業サービス基盤部は、エンジニア、デザイナー、ディレクタを合わせて 10人程度のメンバーで構成されています。それぞれの自走力が高く、論理的な物事の考え方ができ、ユーザーのことを想像できるメンバーばかりです。部長としては、ゴールを共有したら各々が能動的に動き、ちょっとずつ守備範囲を広げてカバーする、スポーツチームのような組織を作っていきたいと思っています。今所属しているメンバーも、エンジニアだけどプロジェクトマネージャーの役割を担っている人や、デザイナーだけどSQLやコードを書く人もいます。ただコードを書いているだけではつまらないと感じる方、ユーザーのことを考えて仕事をしたいエンジニアの方には、とてもおもしろい組織だと感じています。もし、この記事を通してクックパッドでの取り組みやサービス開発に関心を持ってくださる方がいれば、ぜひ気軽にお声がけください。

※数字はすべて2020年9月30日時点のものとなっております

募集要項:iOS エンジニアAndroid エンジニアWeb エンジニア 

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レシピ事業サービス基盤部 部長 
新井 康平 @SpicyCoffee66

1991 年生まれ。東京大学大学院を修了後、2017 年にサーバーサイドエンジニアとしてクックパッドに新卒入社。エンジニアとして新規サービス立ち上げ時のサーバーサイド実装やレシピサービスの検索基盤刷新を、PM としてレシピサービスの有料機能改善プロジェクトのリーダーなどを経験し、現在レシピ事業サービス基盤部にて部長を務める。 


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