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“Disruptor of Engineering”はスタートアップの初期のような経験を得られるチャンス──執行役CTO成田一生の視点

クックパッド公式note

2022年、クックパッドは「Cookpad Disrupt Target」を定めました。これは私たちが長期的に取り組み、慣習や事業構造に大きな変化を起こす、つまり“Disrupt(=破壊的イノベーション)”することを検討している「食にまつわる6つの市場領域」です。

また、それを実現するための人材を求める取り組みとして、クックパッドでは「Disruptor採用」もスタート。採用されたDisruptorたちは事業拡大をより迅速に実現させるため、Japan CEOである福崎康平と密に連携しながら、高難度の事業ミッションに挑んでいきます。

今回はCTOを務める成田一生に、クックパッドのエンジニアとして求める資質や、さらに“Disruptor of Engineering”という枠を設けたことによる期待を、改めて尋ねました。

クックパッドは“変革の時期”。実はチャレンジの多い環境

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自分がエンジニア採用で意識していることの中で、最も大切なのはクックパッドのミッションである「毎日の料理を楽しみにする」という価値観に共感して、それを前提に置いた開発や考え方にどっぷり浸れるタイプであることです。

そしてもう一つ、「何をしているときに、そのエンジニアは一番楽しめるのか」を特に気にしています。楽しんで仕事ができるからこそ、主体性を伴った改善への意欲がどんどん湧いてくるのだと思いますし、すばらしいスピードで成長もできるはずです。クックパッドの中で「楽しめること」が噛み合うのかを、採用基準の大きな一つとして見ています。

クックパッドでは「決まったものが降ってくる仕事」はあまりなく、エンジニアであっても、プロダクトを変えていく意識を一人ひとりが持って、自分でやるべき課題を考え、進めていくことを求められます。そのマインドを持つ人でなければ、Disruptorに限らず、クックパッドのカルチャーに合わないかもしれませんし、逆にそれを持つ人にはとても働きやすい環境だと思います。

今回のDisruptor採用では、構想の初期に携わっていました。自分たちが抱えている課題は、クックパッドに対する「社外からの印象」が、良くも悪くもレシピサービスの枠に収まってしまっていること。確かに最も歴史の長い事業ですし、多くの方に使っていただいていますが、「新しいことに挑む余地がない=新しい挑戦をすることができない会社」というイメージを持たれてしまうことが、どうしても多いんです。

でも、既存事業は“変革の時期”と捉えて、たとえばレシピサービスであれば、従来の延長線にある課題解決よりも、「未来に向けたクックパッド」となるべく、アプリのUIや機能のさまざまな変更を重ねています。クックパッドというコミュニティの中で、料理の楽しさを共有し合っている人たちが、もっと楽しめるような仕掛けをしていっています。

入社された方からは「社外から見たイメージとは印象が全く違い、難易度の高い挑戦をしている会社だ」とわかってもらえる。実態と印象にギャップがあるんです。どうしたら僕らがチャレンジしていることが伝わり、また今いる環境から飛び出てチャレンジしたい人にとって、クックパッドがそれに適した場所であると思ってもらえるか話し始めたのが、Disruptor採用の第一歩でしたね。

会社のミッションさえも、個人の「やりたいこと」や野心のために利用してほしい

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CTOである自分としては、ぜひ「毎日の料理を楽しみにする」というクックパッドのミッションさえも、自分のやりたいことのために利用したいと思う人に、入社してもらえたら嬉しいです。つまり、自分のやりたいことを考え、それがクックパッドという会社なら追求できそうだと捉えて、そのためにミッションを使い倒すような意識ですね。

ミッションに従属するというよりは、ミッションを生かして自分のやりたいことを実現する。そういう意欲を持った人が入ってきて、既存の事業や組織との掛け合わせが起きることで、結果的にミッションへ向かっていける強い会社になっていくのだと思っています。今回のDisruptor採用も、その思想が表れているように僕は感じます。

なぜそれを重視するかといえば、既存の価値観を壊していくためには、どこかでエゴが必要なんですよね。ロジカルに積み上げていくだけでは、その突破力は生まれにくい。地道にサービスを磨いていくことだけをやり続けても、Disruptという「破壊的イノベーション」に負けてしまうジレンマがあります。

既存の組織の論理であったり、ユーザー感情の側に立ちすぎるがゆえに、前提を覆しながら大きな成長を目指す企業に負けてしまうのは、まさに「イノベーションのジレンマ」でしょう。それが起こらないように社内からイノベーションを起こしていくのが、会社の仕組みとしても大事だと考えています。

その意味でも、現状のクックパッドに「自分ならもっとこうしたい」「ミッションのためにこんなことができる」といった不満を覚え、野望や企みを持てる人を採用していかなければ、結果的に自分で自分の首を絞め続けてしまう。これもDisruptor採用を実施する理由の一つです。

Disruptorには「課題を自ら見つけてほしい」

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「クックパッドでやりたいこと」を表現するのに、最もわかりやすいのは事業のネタを自ら持ち込んでくれることだと思います。スタートアップを立ち上げ、お金を工面して事業を作り上げるのは、とても大変ですが、食に関する事業をクックパッドへ持ち込んで実現すれば、少なくともオフィスはあり、VCにプレゼン巡りをする必要もなく、クックパッドの投資環境で新規事業にチャレンジできるかもしれない。

募集している“Disruptor of Engineering”の観点で言うと、一人のエンジニアとして新規事業を始めたい人でもいいですし、スタートアップのCTOのようなポジションを目指したい人にもいい機会です。大きな変革を起こそうとするオーナーに寄り添い、それをいかに技術で解決するか、という相棒のようなエンジニアを務められるポジションですから。

そのためには、当然ながら「技術の引き出し」も必要。もっと言えば、課題を解決するための能力の引き出し、それを見定める素早さ、そして時にはきれいな方法ではなくとも泥臭くクイックに解決できる決断力も、スタートアップの初期では求められます。従来のクックパッドを改善していく役割とは違う能力が欠かせないからこそ、“Disruptor of Engineering”というポジションの採用窓口を設けているんです。

あるいは、今は明確な「クックパッドでやりたいこと」が思いつかなくても、まずはぼんやりとしたアイデアだけを持って、入社してからじっくり育てていくのでも全く構いません。入ってみたからこそ見えるものもあるでしょうし、「実は誰もが変えたいと思っていても、やれていないこと」がわかってくるかもしれない。

贅沢なお願いではありますが、ぜひ「課題を自ら見つけてほしい」という期待はありますね。顕在化している課題に取り組むのではなく、特にこのDisruptor採用では、まだ僕らが気づいてすらいないことを持ち込んでほしい。それに気づいてもらえる人は、求めている人材像にぴったりだと感じます。

素早く解決し、素早く作る。そのためのマルチなスキル

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“Disruptor of Engineering”の募集要項には「エンジニアリング領域においてトップクラスの経験やスキル、あるいはポテンシャルをお持ちであること」と書いていますが、自分が思う「トップクラス」とは、セキュリティやプロダクトといった、特定の専門領域に尖っている人だけを指してはいません。むしろ、実世界の課題解決において、自分の専門領域において総合的にエンジニアリングを生かせる能力としての「トップクラス」だと思います。

セキュリティに長けているのであれば、時には開発をより早く進めるために取るべきトレードオフがあり、事業全体を見たうえで判断できる大局観も必要です。それを「脆弱性をないようにする」という観点に技術力を注いでしまうと、単に手段がすぐれているだけになってしまう。そうではなく、あくまで「目的がちゃんとあって手段が使える人」として、実現性に軸足を置いていかないと、推進力が弱まってしまうかもしれません。

もう一つ、募集要項では「エンジニアリングに軸足をおきながら、マルチなスキルをもち、突破力の高い方」とも書いていますが、これは「スーパーマンが欲しい」という意図ではありません。誰しも得意不得意があるものですし、エンジニアにおける突破力とは、「踏んだ場数」や「技術の引き出しの多さ」が影響してくるところです。

先ほど話したように「創業時CTO」は、頻繁に変わる目標に即して柔軟に手札を切れないと、事業を実現させられません。事業で必要になり得る技術スタックを知り、自分で全て書けない技術にも一通りの理解はあって、書ける部分は書き、書けない部分は業務委託で調達して……と、さまざまな手段を使って素早く解決できる動き方ができなくてはなりません。

大事なのは、技術がネックで事業が遅くならないこと。とにかく作って、早く出し、早くフィードバックして変えていく。それが楽しめることも資質です。なにしろ「10作ったうちの9を捨てる」という判断もよくありますから、それに耐えられることも肝心。突破力を生むためにも手数の多さは欠かせないですから、むしろ「捨てること」にも前向きで、そこから学びを得て次につなげられるくらいでないと務まらないでしょう。

得意でないこともゼロから勉強して、技術を広げていく行動に移せて、なおかつそれ自体を「楽しい」と思えて自然に挑戦している、学んでいくことが生きがいである、という人ならより合うポジションです。ある種のミーハーな感じも大事だと思います。

2年や3年で勢力図が一気に変わる世界ですから、固定観念にとらわれてしまうとすぐ遅れてしまう。技術は変化していくものですから、「今はどういう技術が一番マッチしているか」という観点で見続けられるほうがいいですね。先を見通し、新しいものはひとまず触って体感しておく、ということを息を吸うように実践できている人が望ましいでしょう。

「投資フェーズ」にあるクックパッドだからできること

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現在のクックパッドは2017年からの10年間を「投資フェーズ」と設定しています。事業収益だけでなく、次世代の価値観を生み出すような新しい事業、あるいは既存事業のピボットも含めて、長期的に成長していけるようなサービスへ投資していく意向があります。短期的な収益を追うよりも、サービスの本質を追うことを強く求められている時期です。

「稼がなければいけない」で始める事業と、価値を蓄えていって「長期的に収益につながるかもしれない」という事業では、やれることが全く変わってくるはず。まさに未来を描くような事業を始めるチャンスです。「毎日の料理を楽しみにする」という価値に向かう、長期的な事業を始めたい人にとっては、他の会社や環境では得難い機会になると思います。

クックパッドは伝統的にエンジニアに対してのサポートが厚い会社です。最新のデバイスが使える、開発環境が整っているといった、今では他社も実践されているようなことも、いち早く実現してきました。

また、これも伝統の積み重ねといえるかもしれませんが、開発チームに加わることで見ることができる、クックパッドの開発の歴史から学べることは大きいです。たとえば、クックパッドのiOSアプリは、日本のiOS開発者からはモジュール分割による先進的な開発手法を評価されることがよくあります。そういったソースコードを目の当たりにできることを、入社したエンジニアから喜ばれることが多いです。

トライアンドエラーを繰り返してきたことで、技術的な手法には相応の蓄積があるので、いろいろと利用できるものが多いはずです。さらに、それらを実際に作った人、運用してきた人に話を直接聞けるのもメリットと言っていいでしょう。

「作っていないと息が止まる人たち」の集団でありたい

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料理の周辺にある未解決な課題は、自分が気づいてるものだけでもたくさんあります。

一例を挙げれば「調理の瞬間をどのように支援するか」。レシピは調理を始めるまでを助けるものですが、実際の調理中の動作まではサポートしきれない。「みじん切り」を知らない人にはレシピの記載だけでは不十分ですし、「中火で熱する」も火加減から判断基準までまちまちですよね。

それから、業界でよく言われることとして「冷蔵庫の中身を誰も知らない」という問題。庫内カメラといった技術は市販もされていますが、真にソリューションと呼べるものはまだないと感じています。ただ、冷蔵庫の次の目玉機能には確実になり得るはずです。冷蔵庫の中身からレシピを推薦したり、入っているものをデータ化して別事業へ展開したりも考えられます。

レシピの推薦ひとつとっても、さまざまな文脈を経た結果として、作る料理を決めるものです。アレルギー対応、減塩食など疾病へのケアをはじめ、「今日の給食がカレーだったから、夜はそれ以外にしよう」とか、「子どもが野菜ぎらいだから変えていきたい」とか、「二日酔いだから胃に優しいものがいい」とかいった制約条件がユーザーによって異なる。

それらの制約条件を踏まえたうえで「提案してもらったらうれしいレシピ」はどのように存在し、またサービスとして提供可能なのか。あるいは、クックパッドマートの食材提案でも、好みや食事の履歴、冷蔵庫の中身との兼ね合いなど、さまざまな条件があります。そういった「料理の周辺にある未解決な課題」はたくさんあり、それらを本気でやりきりたい人が出てきてくれたら嬉しいですね。

そこで、面接時にプロトタイプがもうあれば、さらに素晴らしいです。思いついたものをプロトタイプにできるのは、エンジニアの大きなアドバンテージです。やはり「やりたいこと」を持っているのは、エンジニア採用であればマストになってきます。

エンジニアは、物を作る仕事です。作ること自体が楽しくて仕方がない人でないと、気持ちだって盛り上がらないはずです。クックパッドのエンジニアは、何かを作っていないと息が止まっちゃうような人たちの集団でありたいですから。

(文・長谷川賢人)

クックパッドでは、新しい市場を開拓するJapan CEO直下プロジェクトリーダーを募集しています

私たちが持つプラットフォームサービス、ユーザーコミュニティ、その他のアセットを活用し、新たな市場領域の開拓を先導する、Japan CEO直下のプロジェクトリーダー『Disruptor』を募集します。

ご興味をお持ちの方は、以下のDisruptor採用特設サイトよりカジュアル面談あるいはエントリーをお申し込みください。


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