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考察・料理レシピ本大賞 in Japan 2020

料理レシピ本大賞 in Japan 2020が発表になりました。
料理部門の大賞はリュウジさん『ひと口で人間をダメにするウマさ! リュウジ式 悪魔のレシピ』(ライツ社)
2018年の『やみつきバズレシピ』(扶桑社)、2019年『バズレシピ太らないおかず編』(扶桑社)と2年連続入賞の後、3年目の今年は大賞受賞です。
Twitterフォロワー158万人、You Tubeチャンネル登録者109万人、Instagramフォロワー79.5万人という圧倒的支持を受けての大賞。

お菓子部門の大賞は、こちらもYou Tubeで55.8万人の登録者を持つてぬキッチンさんの『材料2つから作れる! 魔法のてぬきおやつ』(ワニブックス)

もはやYou Tube→書籍化→ヒットの流れは止まりません。

昨年の料理部門大賞『世界一美味しい手抜きごはん』を引き合いに出すまでもなく、料理における「手抜き」は褒め言葉として使われるようになりました。
「手間」を「抜いて」おいしく作れるんだからサイコー、という声が聞こえてきます。
きっと流行語大賞にもなる。
2019年は「世界一」だったねー。

前記事で今年は明らかに風向きが変わったと書いたけれど、料理レシピ本大賞の発表でそこは証明されたかな。
もともと料理本は世相をいちばん反映する書籍ジャンルと言われていたけれど、今年ほどそれを感じることはなかったかも。
個人的には、特別選考委員賞を受賞された若山曜子さんの『フライパン煮込み』(主婦と生活社)に選者の矜持を見た思いがしました。

かつて、ブログ出身の料理研究家の本が大流行した時、エスタブリッシュな版元では、料理の修行をしていない素人料理家に対する厳しい目がありました。
あれから15年ほどが経ち、多少弱まってきた印象があったのですが、実は最近、仕事で企画提案した際、「ブログ出身料理家はNG」と門前払いになったケースがありました。
しかし、今年のこの様相を見ていると、そんなこだわりことにこだわる側は時代遅れじゃないの? と言えそう。強烈なインパクトを料理本業界に与えているように思います。
きっとね、変わりますね、料理本業界。

料理レシピ本大賞 in Japan 2020

○料理部門
大賞 
『ひと口で人間をダメにするウマさ! リュウジ式 悪魔のレシピ』 リュウジ著 ライツ社
準大賞
『藤井弁当』 藤井恵著 学研プラス
入賞
『syunkonカフェごはん レンジでもっと!絶品レシピ』 山本ゆり著 宝島社
『朝10分でできる スープ弁当』 有賀薫著 マガジンハウス
『力尽きレシピ』 犬飼つな著 光文社

○こどもの本部門
『おにぎり』 平山英三 ぶん 平山和子 え 福音館書店

○エッセイ賞
『頑張らない台所〜60歳からはラクしておいしい』 村上祥子著 大和書房

○コミック賞
『私でもスパイスカレー作れました!』 こいしゆうか絵 印度カリー子文 サンクチュアリ出版

○お菓子部門
大賞 
『材料2つから作れる! 魔法のてぬきおやつ』 てぬキッチン著 ワニブックス
準大賞
『志麻さんの気軽に作れる極上おやつ』 志麻著 マガジンハウス

○特別選考委員賞
『フライパン煮込み』 若山 曜子著 主婦と生活社

ありがとうございます。新しい本の購入に使わせていただきます。夢の本屋さんに向けてGO! GO!