気まずい思いで

今日は私がロサンゼルスに住んでいた頃の気まずかったことをしみじみと思い出した。

その頃は学生で、仕事を探していたとき。
ちょうど日経新聞の求人募集で映画に字幕を付ける仕事というのがあり応募してみたところ、面接に呼んでもらえた。

面接の当日、会社に向かうと思いのほか遠く、しかも渋滞に巻き込まれ、連絡を入れたものの1時間半くらい遅れてしまった。。

山中を車で走りながら、こんなに遠かったらムリだなと思いながらも、なんとか到着した。

車を止めると、建物の入り口に30代くらいの男性が出てきて私にもう一度電話をかけているところだった。

面接に来たものだ、と伝えるとかなりムッとしていて、中に通してくれた。
仕事の内容を聞いてるものの、もうここはムリだと思っているのであまり頭に入ってこない。

一通り説明を聞き終わって、最後に「質問はありますか?」と聞かれたので何も興味を示さないのもマズいと思い。

「ワーキングパーミットが3か月後に切れるのだけれど、ビザの申請とかはできますか?」みたいなことを質問したら、

「どれくらい仕事できるかわからないのにできるわけないでしょ」と怒られてしまった。

怒られるのも仕方ない。
私が1時間半も遅れたのが悪いし、しかも場所が遠すぎるので通えない。申し訳ない気持ちで来た道を帰っていった。

思ったとおりその後、連絡はなかった。
仕事探さなくてはと思っていたけど、

次第に趣味でやっていたタロット占いに、友達が友達を紹介してくれ、忙しくなってきたので、仕事探しは保留することにした。

あるとき、友達から電話があり「ある人が占いしてもらいたいっていうので、紹介したいんだけど」という連絡があったので、

日にちを決めて家に来てもらうことになった。
男性ということで、どんな人だろうと思っていたら、

なんと3ヶ月前に面接で怒られた人だった。

きっと相手も私の顔を見てぎょっとしただろう。
私の内心は、「めっちゃ気まずい!」「どうしよう」と動揺しまくっていた。
でもその男性は、表情一つも変えずに丁寧に挨拶をしてくれたので、私も「えー!!この間の?!」なんていえないので、
平静を装いながら、やるしかない!と心に決めて、部屋に通した。

この間面接された人に私があれこれ言うのは、ものすごい気まずい。
まるで立場が逆転してるではないか、これはなんのカルマなんだろうか。

乗り越えなくてはいけない試練なんだろうか、と心の中は動揺しまくりだったけれど、

相手の男性は、まるで何もなかったかのように淡々と占って欲しいことを言っていたので、もしかしたら覚えていないのでは?と疑ってしまった。

話の中で、仕事を辞めたいというような話を切り出したので、「この間面接してくれたところですか?」と思い切って聞いてみたら、

「あぁ、そうです」と、流すように「それで、、」と続けたので、そこには触れて欲しくないだろうと思った。表情一つ変えないけど、私と同じように心の中ではめちゃくちゃ気まずいんだろうなと。

結局その会社は、経営的に厳しい会社だったらしく、面接に受からなくてよかったのだと改めてわかってよかったのだが、

こういう、以前、面接してくれた人を、今度は自分が面接するみたいな。
立場が逆転することって、たまに起こる。

子供の頃いじめていた子が、大人になって再会したら、相手の方が偉くなっていて逆にいじめられる。

みたいなことがあるから、人を邪険にしてはいけないのだと強く思った。






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