アンティファって何のこと? [まとめ]
今のコンテクスト(歴史的文脈)を翻訳するCONYAK・こんにやくです。今回は「アンティファ」とは何かについて考えたいと思います。
最近ニュースでよくみる「アンティファ」。
ジョージ・フロイドの白人警官による殺害事件を受け、今でもアメリカで続く抗議活動を扇動しているのは「アンティファ」だとトランプは言い、テロ組織にまで指定しました。ですが、実際はどうなのでしょうか?「アンティファ」とはどのような思想を持った人々を指すのでしょうか?
今回はThe Conversationの記事『What – or who – is antifa?(アンティファは何?誰?)』を参考にわかりやすくまとめました。
アンティファとは?
ファシズムや極右思想に反対する、多様な人が参加する政治的な抗議運動を指します。
アンティファとは単に反ファシストを意味する「Anti-Fascist(アンチ・ファシスト)」の略です。
アンティファは全米の抗議運動に置いて暴力を煽るために共謀しているとトランプ大統領、極右派や過激派は主張しているものの、アンティファとは主に非暴力的な手段でファシズムや極右思想に抗議する運動を試みている分散化された個人の集合体です。
アンティファに反対する人々の主張は?
アンティファの思想に反対することは反ファシズムに反対しているということです。
「ファシストの反対」の反対ですので、すなわち、自分をファシストと呼んでいることに値します。
ファシズムとは?
ファシズムとは極右的・独裁的な超国家主義の一種で、独裁的権力を持って反対派に対する強制的な弾圧を特徴とします。
ジェンダー・人種・民族・宗教・セクシャリティなどの属性で差別するだけでなく、その人々を暴力的に弾圧し、最終的には排除すべきだと考える思想です。
また、ファシストが対等とみなしているはずの異性愛者(ヘテロセクシュアル)である白人男性などでも、ファシズムのイデオロギーに反対する敵であれば(=アンティファ)暴力をもって対応します。
アンティファ運動とは?
初期の反ファシズム運動は、第一次・第二次世界大戦の合間にヨーロッパと北アメリカで始まり、主にファシストの暴行の標的となっていたアナーキスト、共産主義者、社会主義者によって催されました。
アンティファを含む現代のアメリカにおいての反ファシスト運動は、人種差別的なスキンヘッド、ネオナチやクー・クラックス・クラン(Ku Klux Klan、略称: KKK)などの白人至上主義者によるデモなどに抵抗する分散化されたネットワークの「アンチレイシスト・アクション・ネットワーク(Anti-Racist Action Network)」から発展しました。
アンティファはどんな人?
アンティファに参加する人の共通点は、ファシズムに反対するということです。様々な人が参加している運動なので、その中でも多種多様な政治的意見を持つ人がいます。
反ファシストには女性、有色人種、LGBTQコミュニティのメンバーなど、ファシストに抑制されてり排除される対象となるグループの人が多いとされています。
なぜなら、ファシストはこれらの人にとって、コミュニティや共有スペースに対する暴力など、身体や精神に危険を及ぼし、自らの存在への脅威となるからです。差別される個人や仲間を守るために反ファシスト運動に参加しています。
リーダーは誰?
アンティファにはリーダーはいません!
アンティファは多様で分散的なため、社会の不平等を暴力的に強いられることに反対する人であれば、事実上誰でも含まれることを意味します。
アンティファは恐るべき存在?
これを読んでいるあなたはファシストですか?
ファシストでなければ心配することはありません!
立場の弱い人たちに、社会的な不平等が暴力的に強いられることに反対しますか?
反対するなら、あなたもアンティファです!