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結果その1 ~ マスクについて: 小学校の「新しい生活様式」保護者アンケート@福岡県

小学校の「新しい生活様式」についての保護者アンケート@福岡県。6/28~7/5の募集期間で148通が集まりました。団体等に属さない一個人のアンケートに対して回答・シェアしてくださったみなさん、本当にありがとうございます。

◆ はじめに ~ この結果を話のネタにしてください

できるだけ早く集計し、教育委員会や議員さんにも届けるつもりですが、それで何かが急に変わるとは思っていません。マスクひとつ、消毒ひとつとっても、「するべき」「いや、必要ない」といろんな意見があります。専門家の見解すら分かれていたりするので、地位や権限のある人でも、何かひとつの答えを簡単に選ぶことはできません。

意見がさまざまに分かれているとき、私たちがすべきことは、まずお互いの意見や、その背景を、よく知ることではないでしょうか。

そのうえで、話し合って考えを深め、時にはあらため、もちろん専門家の見識も参照しながら、より多くの思いがすくい取られるような、モアベターな落としどころを探っていく。
問題を前に進めていくためには、そうやって当事者自身が深くかかわりながら取り組むことが必要だと思います。

とってもめんどくさいですけどね。昨年からのベストセラー、福岡出身のブレイディみかこさんが『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』に書いていたように、多様性って面倒なんですよね。

 テストのように決まった正解のない、実社会のさまざまな問題に取り組む人材を育てるため、というか、そういう人材でなければ今後主体的に生きるのは難しいため、小学校でも「アクティブ・ラーニング」の視点を取り入れ、対話やグループ学習を重視した学習が進んでいくはずでした。
(今、コロナ対策でかなり後退しており、これもまた問題だと思います)

マスクひとつ、消毒ひとつでも、本来、当事者である子どもたちや保護者、教員が語り合い、話し合う場があればいいなと思います。思いを受け止め合えるだけで、気持ちが楽になることもあるはずです。 


アンケートに先立って6月に2回、zoomで私的なおしゃべり会を開催し、のべ20人近い小中学生のお母さんが参加してくれました。また、休校以来SNSでも学校や子どもの生活についてさまざまな投稿をし、コメントをいただいてきました。

それで思うのは、コロナで集まれなくなり、授業参観や懇談会が消える以前から、保護者同士や、先生たちとのコミュニケーションは不足していたのではないかということです。
共働きが増え、先生の仕事が増え、個人情報保護の観点から名簿や連絡網もない。同じ小学校に、思っていることを話し合えるママ友がさほどいない人も多い。

そんな中で、声を上げたり、思いを誰かと共有したり、違う立場や意見の人と心をひらいて話しあう経験そのものが少なくなっている。
対立したくないから、話さない。何も言わないで、上から降りてきたものに従いつつ、不安や苦しみを個人的に抱え込んで‥‥。

それは、本当はつらいことですよね。私自身、個人で抱えてるのがしんどいなーと思って、SNSでみなさんの意見を聞いたり、アンケートを作ったりしています。

対立ではなく、対話をめざして話していけたらいいですよね。

また、今、我が子が元気で特に心配のない方たちにも、悩んでいる保護者や困難を抱えた子が少なくないと広く共有できればと思います。
親身に感じて、ちょっとした目配りや手助けをしようと思う人もいるだろうから。


150通近い回答からは、現在の状況やみなさんが考える問題点を、あるていど可視化できると思います。
これを材料やヒントにして、個々人が考えを深めるとともに、いろんなコミュニティで話題に上げていただきたいというのが私の願いです。

カッチリした取り組みでなくてもいいんです。
家族で話したり(実は夫婦にも温度差があったりしますよね)、友だちと話すときにちょっと一歩踏み込んでみたり、SNSで発信してみたり、そういう小さなことを多くの人が継続していくことで変わっていくと思います。

(もちろん、せっぱつまった困難は、然るべき先に相談され、早期に解決・軽減できることを望みます)

前置きがかなり長くなりました💦 
これから4回に分けて、アンケートの結果をご紹介していきます。

言うまでもありませんが、これは私イノウエエミの知人友人や、彼らのシェアを中心に集まった回答なので、母集団に偏りがあります。統計データではなくあくまでアンケート結果としてごらんください。

 
●●●1.マスクについて ●●●

アンケート募集期間中に、学校から新たなプリントやメールなどでお知らせがあった学校も少なくないようです。

学校からの指導の有無も、登下校中にお子さんがマスクをしているか否かも、回答時点での話だとご理解ください。

なお、お知らせの方法も、一斉メール・プリント・ほけんだより・学校だよりの1コーナーに記載など、学校によりさまざまな状況です。

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 ⭐所感

・(図1より)学校での指導の有無にかかわらず、登下校中もマスクをしている子が7割近い

・( ↓ 図5より)保護者が「登下校中のマスクは必要ない/適宜つけ外しをすればよい」と思っていても、実際は7割近くの子がマスクを常に着用している

20200628ア-マスク保護者考え


・( ↓ 図6より)徒歩20分以上かけて登下校している子の過半数がマスクを着用している

20200628ア-徒歩20以上

 
・( ↓ 図7より)
ただし、「学校から指導されている」群は、「指導がない」群よりもマスクをずっと着用する率が下がり、適宜つけ外しをする率が上がっている

20200628ア-マスク着脱指導

・通学路の状況によっては密を避けられない。「マスクを外す代わりに距離をとる/しゃべらない」という対応も子どもには難しい。もちろん、熱中症にも死亡や重症リスクはある。

以上より、

☑ 学校・保護者両者がていねいな指導を繰り返すことによって、子どもが適切にマスクの着脱をできる可能性が高まる? 

☑ 一方的な通達・指導のみでなく、子ども同士で話し合いや実演をする(シチュエーションごとの劇ふうに)など、子どもの意識を高める必要がある? 


 ⭐アンケート回答より、マスクについての記述

※ほとんど同じ内容は集約しています

 
・マスク着用による熱中症が心配

・指導されてはいるが、子どもたちには判断しづらいと思う

・登下校中については指導されていない。我が子は自己判断で外して登下校しているが、低学年や生真面目な子が心配

・暑かったら取るんだよと伝えているものの、子どもは自覚してコントロールすることを忘れがち

・適宜外してよいと言われても、自分だけ外すことの判断や、心理的に自分だけ外すことに抵抗がある子どもも多いのではないかと思う

 
・先生が「今はマスクを取っていいよ」と言うとみんなとるらしい

・適宜つけ外しをという指導はあるが、体調不良を訴える子も多いようだ。

・している子はいつもしている、していない子はいつもしていない、という状況のようだ。

  
・児童数が多く登校時間の調整もなく、密な通学路を話しながら行くため、マスクが必要な状況。

・距離が保てないからか、登下校時にマスクをしていないと先生から注意されるらしく、それが嫌でマスクをしたまま登下校している。どこからOKでどこからダメなのか、子どもには判断がつきにくいのかも。

 
・風通しがいい外で必要なのかな?

・可能な限り外す許可をしてほしい。マスクで子どもの顔まわりがかぶれてきている。

・マスクもしてるし、ランドセルで熱がこもるのが心配。夏は置き教科書とリュックがメジャーにならないかなと思います。


・マスクの着用義務を解除するのは賛成。
その際、咳エチケットについて学校や家庭で子供に詳しく説明を。プリント配布だけではなく、なぜ必要なのか、やり方などの実演もすべき。

 以前暮らしていた地域(アメリカ)では「コフ(咳)カップ」と言って、咳やくしゃみをする際の口の押さえ方(素手を使わない方法)を小さい頃から教えていた。日本ではそのまま咳やくしゃみをして親がそばにいても何も言わない。ニューノーマル下の新しいルールとして親子で学んでいくべきだと思います。


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