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あの「ムー」に!「東スポ」に聞いた!ここまでわかった!珍獣「ツチノコ」最新レポート(青山学院大学新聞)5月号

編集 東スポ ツチノコ (2)

↑世紀のスクープだったが…(紙面データ:東京スポーツ新聞社提供)

 読者の皆さんも一度はその名を耳にしたことがあるだろう。日本を代表する未確認生物(UMA)・ツチノコ。胴体が太いヘビのような形をしているとされる幻の珍獣だ。

 ツチノコの歴史を辿れば、古事記にも記載があったというほど。UFOやカッパよりも現実味があるからか。21世紀になってもなお各地で町おこしの立役者になるほど、その人気は衰えることを知らない。

 未だに捕獲例がないそんなツチノコの正体を探るため、取材班はUMAや超能力など、「世界の謎と不思議」に挑戦してきた月刊誌「ムー」の編集部に話を聞いた。

本紙を読む「ムー」の三上丈晴編集長

青山学院大学新聞を熟読する「ムー」の三上丈晴編集長

 同誌の三上丈晴編集長によると、今日のようにツチノコが広く知られるようになったのは、エッセイストの故・山本素石さんが73年に著した『逃げろツチノコ』の影響が大きいという。また、『釣りキチ三平』で知られる故・矢口高雄さんの漫画『幻の怪蛇バチヘビ』によって70年代にツチノコブームが巻き起こった。
 古来よりツチノコに関連する伝承は各地であるが、これらの書籍により現在まで続くツチノコのイメージが確立されていったという。

 さて、そんなツチノコだが、どのような特徴をしているのだろうか。

「大体、フランスパンやビール瓶ほどの大きさと言われている。ツチノコの体が全部筋肉だとしても、重さは5㎏に満たないのでは」
「転がる、縦にまるまる、落っこちてくると言われている。怒ると膨張するという記録もあり、体を膨張させることでジャンプする可能性がある」

と前出の三上編集長は話す。
ツチノコの捕獲に成功すれば、両手で抱えることができそうなサイズ感をしており、活動的な生態をしているようだ。

【通説、ツチノコ=ヘビ説】

 さて、「幻のヘビ」ともいわれるツチノコだが、そもそもヘビなのだろうか。

 三上編集長によれば、ヘビとは限らないものの、爬虫類である可能性が高いという。ヘビの中には一生のほとんどを地中で過ごすため、目撃例が極端に少ない種が多い。ツチノコの語源は「土の子」だという説もあり、ほとんど地上に姿を見せることがないために、未だに発見されていない新種のヘビだということも考えられる。

【有力説、ツチノコ=トカゲ説】

一方で、「ツチノコ=トカゲ説」も捨てがたい。

 三上編集長は、「日本にペットとして入ってきたアオジタトカゲをツチノコだと誤認したとも考えられる」と話す。アオジタトカゲの膨らんだ腹部や鱗模様はツチノコそっくり。さらに、日本でツチノコブームが起きた70年代と、アオジタトカゲが日本に輸入された時期は重なるのだ。果たしてこれがツチノコの正体なのだろうか…。

 とはいえ、ツチノコの特徴として知られている「尺取り虫のような動き」や「高いジャンプ力」、「転がる」といったものにアオジタトカゲは当てはまらない。そもそも足があることも、ツチノコのイメージに合わないだろう。これについて三上編集長は、「日本に足のないアオジタトカゲの亜種が存在しており、手足のない分だけ敏捷性に優れるのでは」との見解を示した。

 ここからはツチノコの捕獲について考えてみよう。そもそも一体どこに生息していると考えられるのか。

 三上編集長によれば、兵庫県宍粟市千種町など目撃が集中する地域が各地にあるが、北海道と沖縄での目撃例はないそう。また残念ながら、関東近郊で目撃が多発している地域はないという…
 青山学院大学のある、青山・相模原両キャンパス周辺でのツチノコ探索は、厳しいものになりそうだ。

 また、巷に広く流布する噂に「ツチノコは毒を持っている」というものがあるが、どうなのだろうか。毒を持っているとすれば、捕獲には危険を伴うことになるだろう。
 三上編集長は、「毒を持っているのか確かなところは分からない」と前置きをしたうえで、「動物を襲っているシーンは目撃されているが、ツチノコにかまれて毒にやられた報告はない」と指摘した。ツチノコが主に土の中に生息しているのであれば、モグラのようにミミズや昆虫などを捕食する可能性が高い。これらの生物を主食にすると考えると、あまり強い毒を保有する必要性はなさそうだ。

 ただ、「生物に『絶対』ということはないからね」と三上編集長は語る。生物の進化には例外が付きまとうため、ツチノコが毒を保有する進化をたどってきたことも否めないという。

 最後に気になる疑問を聞いてみた。

「ツチノコを食べることはできるのか」

 想像してみてほしい。目の前にツチノコがいる状況を。腹部がこんもりと膨れており、食べたらいかにもおいしそうではないか。
 これには三上編集長も「どうだろうねぇ」と苦笑したが、「(毒ヘビの)マムシなども毒を出す部位を取り除いたり、酒につけたりすれば食べたり、飲んだりできる」と語り、たとえツチノコに毒があるとしても、食すことのできる可能性を示唆したのだった。


【東スポが断言!?ツチノコ=ヒル説徹底検証】


 ツチノコの正体については、上記のように「ムー」の三上編集長が指摘する「ヘビ説」と「トカゲ説」が二大有力説として挙げられる。インターネット上に転がるツチノコの特徴を鑑みても当たらずといえども遠からずだ。

 しかしながら、数多くのUMAについて取材を続けてきた、東京スポーツ新聞UMA担当デスクの三浦伸治さんはここで第三の説を唱える。

「ツチノコ=ヒル説」だ。

東スポUMA担当による「ヒル説」って?

まずはツチノコの主な特徴について整理しておく。

手足はなく、
毒を有する可能性があり、
肥大化することもある。

縞模様があり、
ジャンプ力が高い。

これらの特徴は、全てヒルに該当するのである。

何より、ヒルは雌雄同体であるため、単体での繁殖が可能だ。

古事記にも登場し、現在に至るまで目撃情報が絶えないのは、
繁殖し続けているからではないだろうか。

ヘビもトカゲも、繁殖のためには少なくとも雌雄の二匹が必要である。
けれども、ツチノコの目撃情報はいつでも単体で、
かつ似たような大きさのものばかり。

インターネットで「ヒル」を検索すると、
なんともツチノコっぽい見た目をもつものも多数ヒットした。

三浦さんによる第三の説、かなり信ぴょう性が感じられる。

ツチノコなんて

ツチノコなんて、UMAなんだからいるわけないと思っているあなた。

いやいや、いない証明だってできやしない。

UMAに関する記事では、一番売れるというツチノコ。
根強い人気の裏には
「どこかにいるに違いない」
という人々にとってのロマンがあるのだ。

ロマンを求める人々がいる限り、これからもツチノコは目撃され続けるだろう。

三上丈晴編集長と記者

「ムー」の三上丈晴編集長(中央)と記者


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「青山学院大学新聞」2021年5月号より記事を加筆しました。

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