故郷にJリーグのクラブチームがあって、本当によかった
二十四歳の春、わたしは突然帰省した。
新卒で三年働いた職場の、いろいろなハラスメントのストレスから、かちかちに強張り、思うように動かなくなってしまった身体と、心をかかえて、逃げ延びるように、東京から佐賀へと帰ってきた。
飛行機を降りて、空港の建物を出た瞬間に、暗がりにへたりこんで、わんわん泣いた。
無職になってしまったし、結婚を考えていた同い年の恋人も、ひとり暮らしのアパートの部屋も、そのまま置いてきてしまった。
これからわたしは、どうなるんだろう。
目の前に広がる夜の佐賀平