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自由闊達にして愉快なる #SONY

ウォークマン世代の私

私の誕生日の前月(1979年7月)にウォークマンは発売されました。つまり、私はウォークマン世代ど真ん中で幼少の時からSONY製品は自分にとっての憧れでした。お小遣いを貯めてシルバーのウォークマンを購入したのが小学校高学年だったと記憶しています。

いつしか、“ソニータイマー(英語: Sony timer, Sony kill switch)”なる言葉も流行り、保証期間後に故障するといった都市伝説もあり、それを信じたのかどうかはわかりませんが、大人なるにつれて、徐々にSONY製品から他者製品に目がいくようになった気がしています。

本書を手にしたキッカケ

最近、ある有識者の方が『ブランド』とは何か?という話をされていて、NIKEの話をされていましたが、その時に私の頭にパッと浮かんだ企業の一つが“昔の”SONYだったので、なんとなく井深さんの本を読んでみようと思ったのがキッカケです。

本書の構成は前半にSONY創業者である井深大氏の私の履歴書(日本経済新聞)の全文が当時のまま記されており、後半は、日本経済新聞社の記者とSONY関係者との回想録、最後に“井深大語録”という建て付けになっており、起業家、経営者の方は「あのSONYもうちの会社と同じような大変な時期を経験していたんだ」ということに触れることの出来るなかなか濃い内容です。

これを手にしたのが2020年12月19日、井深さんがお亡くなりになったのが、1997年12月19日(享年89歳)だそうで、なんだか、、、たまたまですが。

企業の存在意義、働く意義

SONYの前身である「東京通信工業」の設立趣意書を見たことがない方は、一度読んでみてもいいかもしれません。我々の企業の存在意義って何なんだろう?自分のやっている仕事の意義って何なんだろう?と考えさせられます。

東京通信工業の設立趣意書
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/prospectus.html
「会社設立の目的」の第一項目の一部です。会社の設立の目的の一つが“最高の技術を自由に、存分に使って愉快で理想的な工場をつくること!”と謳っている

「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」

あと、私が井深さんがSONYの現状に対する危機感を社員に対して発信し続けた“井深大語録”の中で特に印象に残ったものを2つだけ挙げておきます。

「皆さんが、ソニーにどういう期待をもって入ってきたか知りませんが、寄らば大樹の陰という気持ちで、こういう大きい所へつかまっていれば何とかなるだろうという考え方で、入社されたとしたら、その考えは捨てていただきたいと思います。
 そういう考え方は、一番ソニーらしくない考えで、当社は社屋こそ立派ですが、中身は非常に不安定なものなのです。
 その不安定というものを、開発精神、開拓精神といったものにより、さらに常にダイナミックに動いている人たちの手で支えられているわけです。」
1962年4月社内報 (井深氏 当時26歳)
「私がチラホラ聞いたことですが、本当に役に立つ人がソニーを離れようとしているそうです。従来は、いいなあと思う人が他社から入ってきたのですが、いまは、ソニーのいい人がソニーを離れようという空気があります。これは、思いきって仕事をやりたくてもやれないという人が離れていくのではないかと、私は考えています。
 これは、もう一度、社内を見直して、“ソニーは働きがいのあるところだ。十分働けば認められる”という会社にしていただかねばなりません。」
1979年1月社内報 (井深氏 当時71歳)

良かったら読んでみてください。内容的には半日程度で読めます。「私の履歴書」のみであれば1-2時間で読めますので、息抜きにどうぞ(`・ω・´)ゞ



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