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コンサルがよく使うフレームワーク③ マーケティングのSTP

今回はマーケティングで用いるSTPというフレームを紹介します。

概要

STPとは、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の頭文字をとったものです。まあフレームというより、マーケティング戦略を考える上での流れのようなイメージです。すごくざっくり言うと、

・市場をいくつかのセグメントに分解して(セグメンテーション)

・どのセグメントを狙うかを決めて(ターゲティング)

・そのセグメントを攻略するために自社はどうやって差別化を図るのか(ポジショニング)

をちゃんと抑えましょう、という考え方です。

1.セグメンテーション

最初のステップのセグメンテーションでは、軸を設定して市場を分解していきます。複数の軸で分解することも多いです。軸としては、例えば地域とか、性別・年齢とか、所得とか、ライフステージとかでセグメントを分けたりします。大切なのは、「そのセグメント内の人たちはニーズが似ているけれど、他のセグメントの人とはニーズが異なっている」というところです。

なぜセグメンテーションするかというと、

・企業としては、市場が均一なら同じものを同じように売れば全体に売れるので効率がよい

・でも顧客としては、それぞれニーズが異なるので、自分のニーズに合ったものがほしい

という相反するような立場になるので、それぞれの落としどころとして、ほどよいセグメントに分けていきます。

なのでセグメンテーションをする上では、KBF(Key Buying Factor)と呼ばれる、顧客にとって購買する上で重要な要素は何かに注目する必要があります。文章で読んでいると簡単そうですが、意外と実ビジネスを考える上では非常に難しいポイントです。

2.ターゲティング

セグメンテーションした上で、自分たちはどのセグメントを狙っていくのかを考えていきます。

立ち上げて間もないスタートアップではない限り、企業は何らかの事業を行っています。その既存事業で獲得した強みなどをベースにターゲットを決めてしまいそうになりますが、少し立ち止まって、他のセグメントを狙うべきでは、と考えてみることも大切です。

例えば、

・各セグメントの市場規模や成長性はどうか

・優先的に獲得すべき顧客セグメントはないか(波及効果などをふまえ)

・競合が密集しているセグメントではないか

といった視点で分析すると、意外なチャンスが見えてくるかもしれません。逆に、規模も小さく、成長性の乏しいセグメント向けにばかり投資してしまった…ということになりかねないよう注意しないといけません。

3.ポジショニング

ターゲットをふまえた上で、自社は競合他社とどう差別化していくのか、がポジショニングです。ポジショニングを考える上で役に立つのが、とても有名な「4P」というフレームです。4Pについては、また別の記事で紹介したいと思います。

最後に

なんとなく上記の流れで考えている方も多いかと思いますが、意外とセグメンテーション、ターゲティングを考えるのは奥が深い&大変な領域です。

ですが、ここをしっかりやっておかないと、せっかくポジショニングを考えても「魅力のない領域で戦ってしまっていた」という状態に陥りかねません。もちろん、大手競合から見ると魅力がないが、当社はここで戦うというようなニッチ戦略をとるのも十分ありです。(当たり前ですが)しっかりと市場を見極めた上で、戦略を考えていきましょう。

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