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「営業はいらない」のだろうか?


「営業はいらない」という議論がある。

日本では2001年から2018年の間に「営業職従事者」が100万人減っており、米国では2015年のフォレスターリサーチ社のレポートによれば、450万人いる「BtoBのセールス従事者」のうち、100万人が5年間で職を失うという。

営業を合理化、自動化する技術「MA」「SFA」はA Iの進化もあいまって、人間が行う以上に最適なタイミングで最適なリード(見込み顧客)にアプローチをすることができるし、購入する方も不要なものを売り込まれるのは嫌だし時間の無駄でもあるという理由だ。

BtoB営業支援をしていることもあり、改めて考えてみた。

結論から言えば、確かにほとんどの営業マンの機能はITに代替されていくだろう。ただし、残る機能もあるのでてはないか。

営業部門に求められる機能をまとめると下記ではないだろうか。

①営業戦略策定機能(現状分析、対象企業ターゲティング、商品ラインナップ決定)
②リード獲得機能(アポ獲得まで)
③商品、サービスのスペック情報の伝達機能
④価格調整機能
⑤社内決済の支援機能(かわりに稟議書いたりとか、関係各所の色々な役員
得したりとか顔を立てたりとか、、)                ⑥サービスや商品を導入することによる価値の伝達(要は売上増やコスト削減、突き詰めると価格以上の利益獲得)
⑦この人から買いたいと思わせる魅力を伝える機能(?)
⑧コンサルティング機能(顧客ビジネスの現状を踏まえ、あるべき姿=Whatと、そこに至る方法=HOWを提示する。そのHOWの中の選択肢の一つとして自社サービス、商品が必要であることを伝えられる)
⑨カスタマーサクセス支援機能(導入後の当初の目標達成支援)

③④はすでに人は不要だ。
①はAIでできそうな気がする。
②はどうだろう、、。SNSで企業内の個人の情報が出ているので、今後は可能かもしれない。 ⑤は、、、社内稟議の合理化によりある程度減りそうだが、社内政治、人間関係やらか決裁に、影響ある会社がある限り難しい。
⑥はロジックなのでいけるかな。
⑦⑧⑨はより経営者に視点に近い視点がないと難しい。AIに経営ができるようになったらできるかもしれない。
⑦は難しいだろう。少なくとも同じ価格、同じサービスだったらAIより「この人から買いたい」というのはどこまでいっても残るように思う。余談だけど、以前訪問看護事業の経営をしていた時に、利用者の方が看護の専門性が何もいらない「ユニクロの買い物」まで、(在宅介護や家事手伝いの人に依頼すれば数分の一の値段なのに)担当看護師にお願いしていて、理由を聞いたら「それでも○○さんにお願いしたい」という理由を話されていて、理屈じゃないんだな・・・と思ったことがある。 

いわゆる「一般的にイメージする営業パーソン」は消えるだろうが、経営的視点を持ち、人間的魅力を持った営業は残る。もはやそれは「営業職」ではないのかもしれないが・・・。昨日読んだこの本は、タイトルは刺激的で内容もタイトル通りの内容だが、「営業はいらなくなるが、優れた営業ならば経営者にもなれるから、なるべき」という救いを残した内容となっている。営業に携わるかたは必読です。

営業たるもの、テクニック以上に経営的視点を身に着け、人間的魅力の向上を日々研鑽する必要があると改めて感じた。

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