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泉 里沙 & 奥村友美 Duo Recital (2020/9/6@赤坂区民ホール)

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『泉 里沙 & 奥村友美 Duo Recital』に伺いました。(2020/9/26@赤坂区民ホール)

ヴァイオリニストの泉里沙さんは、東京藝術大学・大学院を経てウィーン私立音楽芸術大学大学院修士課程及びディプロマコースを修了され、ポートグルアーロ音楽祭最優秀賞など国内外での受賞歴多数。現在はリサイタルやウィーン・フィル奏者との室内楽公演など精力的に活動されています。
ピアニストの奥村友美さんは、東京藝術大学を経てベルリン音楽大学ハンス・アイスラー大学院を首席で卒業。パデレフスキー国内ピアノコンクール第1位などコンクール受賞歴多数。国内外のオーケストラとの共演も多く、ソロリサイタルや室内楽のほか、国立音楽大学で後進の指導と多方面で活躍されています。

今回のコンサートは新型コロナウイルスの影響により、春に予定していた公演を延期して開催されました。感染防止対策で客数を減らし、1時間のプログラムで構成した2つの公演に分割したうえで、換気のために1時間の休憩を入れるという対策が講じられました。

優しいメロディーのフォーレ『子守歌』で幕を開けたAプログラム。コロナ禍で制限された演奏活動などに触れたトークを挟み、奥村さんのピアノ独奏でドビュッシーの『月の光』がしっとりと美しく演奏されました。シューベルトの『ヴァイオリン・ソナタ D574』ではヴァイオリンが艷やかによく歌い、終楽章は喜びに溢れた勢いのある演奏が展開し、聴衆から大きな拍手が沸き起こりました。ドヴォルザークの『4つのロマンティックな小品より』に続き、チャイコフスキーの『懐かしい土地の思い出より瞑想曲』は美しいピアノに導かれて高揚感の高い充実した演奏でした。アンコールにはファリャの『スペイン舞曲』が高度なテクニックを駆使して情熱的に演奏されました。

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1時間の休憩を挟んだBプログラムは、すっきりとしたテンポによるパガニーニの『カンタービレ』のあと、ピアノ独奏によりショパンの『幻想即興曲』が鮮やかなタッチで華麗に演奏されました。緊張感に満ちた重苦しい曲調を持つプロコフィエフの『ヴァイオリン・ソナタ 第1番』を見事な集中力と、ヴァイオリンとピアノの濃密な対話で描かれ非常に聴きごたえがありました。プログラム最後にクライスラーの『美しきロスマリン』が優雅に演奏されたあと、アンコールには新型コロナにより亡くなった方々への追悼の気持ちを込めて『シンドラーのリスト』が悲しくも美しい音色で演奏されました。

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Aプログラム
フォーレ:子守歌
ドビュッシー:月の光
シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ D574
ドヴォルザーク:4つのロマンティックな小品より
チャイコフスキー:懐かしい土地の思い出より 瞑想曲
ファリャ:スペイン舞曲(アンコール)
Bプログラム
パガニーニ:カンタービレ
ショパン:幻想即興曲
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番
クライスラー:美しきロスマリン
J.ウィリアムズ:シンドラーのリスト(アンコール)

皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!


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