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里アンナ クリスマス・コンサート(2019/12/11)

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『里アンナ クリスマス・コンサート』に伺いました。(2019/12/11@杉並公会堂 小ホール)

奄美大島出身の里アンナさんは、3才から祖父に奄美の島唄を習い、その後島唄の大会で数々の賞を受賞。2013 年、2015 年ミュージカル「レ・ミゼラブル」にファンテーヌ役で出演。2018年大河ドラマ「西郷どん」メインテーマに歌で参加し、その圧倒的な歌唱力で話題を呼びました。ドラマの奄美編では愛加那の義理の姉、里千代金役としても出演。スペインやフランスなどでの海外公演も多く、世界を舞台に活躍されています。

今回のコンサートでは、ピアノの塩入俊哉さんと、チェロの柏木広樹さんが共演しました。
塩入さんは国立音楽大学大学院修了後、作・編曲家、ピアニスト、コンサートディレクター、サウンドプロデューサーとして宮本文昭をはじめ、木村弓、米良美一、川井郁子、本田美奈子、稲垣潤一など様々なアーティストを担当し、クオリティの高い音楽制作を通してその活動を支えています。フィギュアスケートのメダリスト・オン・アイス2008~2019では音楽監督を務めるなど、他ジャンルとの交流もしています。
柏木さんは東京藝大在学中に“G-CLEF”としてデビュー、バンド解散後はソロに転じ、2019年10thアルバム『VOICE』をリリース。「おくりびと」「冷静と情熱のあいだ」「新世紀エヴァンゲリオン」「きらきら眼鏡」「雪の華」などの映画音楽や、葉加瀬太郎、西村由紀江のサウンドプロデュース、押尾コータローの編曲など多彩に活躍中です。

コンサートは里アンナさんの歌と塩入さんのピアノによる奄美の『長朝花』『ヨイスラ』からスタート。里さんは第一声から強く通る歌声で会場の空気を一変させ、心に届く歌声を聴かせてくれました。余裕たっぷりの塩入さんのピアノ伴奏がさらに歌を美しく引き立たせていました。

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『行きゅんにゃ加那』は里さんが三線を弾きながら歌いました。

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続いて、塩入さんのピアノソロで2曲演奏されました。アンドレ・ギャニオン『めぐりあい』と、フィギュアスケートの羽生結弦選手がエキシビジョンで使用していたという松尾泰伸の『天と地のレクイエム』です。2015年のメダリストオンアイスでは、塩入さんのピアノ演奏で羽生選手が演技をしたそうです。塩入さんのピアノは非常に豊かな音色でとても聴き応えがありました。

前半最後は里さんが再登場して『西郷どん メインテーマ』。大河ドラマの放送でも里さんが歌っていたこの曲は、まさに圧巻の感動的な歌唱でした。

休憩を挟んだ後半は里さんが三線を弾きながら奄美の曲『朝花』『綾蝶』を歌ったあと、三線を置いて『太陽ぬ落てぃまぐれ』をマイクなしのアカペラで歌ってくれました。その素晴らしい歌唱に客席から感嘆の声が聞かれました。
続いて、チェロの柏木さんとピアノの塩入さんのデュオで柏木さんの作品『シリウス』が演奏され、美しいメロディーを持つ楽曲がたっぷりと歌いこまれました。
柏木さんのチェロと里さんのデュオで『奄美の子守唄』がやさしく歌われたあと、柏木さんが里さんと共演することになってから作曲したという『One』が塩入さんも加わって3人で演奏されました。「アンナさんの歌声からは祈り、そして強い意志を感じる」という柏木さんの楽曲はとても素晴らしく、見事なアンサンブルで歌い上げられました。

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詰めかけた聴衆の大きな拍手に応えて、アンコールにまず里さんのアカペラで「きよしこの夜」がしっとりと歌われました。そして、奄美では必ずラストに演奏されるという島唄『六調』が始まり、激しいリズムと聴衆の手拍子で賑やかに盛り上がってコンサートが終わりました。

皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!


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