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福島旅レポート①

 彼が、7月12日の誕生日に合わせて、福島への旅行を企画してくれた。2人で東北に行くのは初めてのことで、とてもわくわくして、しおりまで作った。
 この旅行の目的は『食べる!』2年前まで摂食脳に支配されていたわたしの変化を感じることもできた。元摂食の爆食旅をお楽しみください〜!

 誕生日の朝方に見た夢は何とも不思議だった。それは餃子を作る調理実習の夢だったが、わたしは餡を頭でこねていた。髪の毛にまとわりつけながら、シャンプーをするように餡をこねるというシュールな夢。それほどわたしは食べることが好きだ。

 朝、起きてラインを見ると両親からメッセージが届いていた。父からは「気楽な一年にしてね」と。普通は幸せなとかを形容詞につけるのではないかと思うが、うつ病に悩まされるわたしにぴったりなメッセージだと思った。うん、気楽に生きたい。
 私たちは生きているだけで十分なのに、いろいろ背負って、根詰めがちだ。気楽にのほほーんと生きるぐらいがちょうどいいのかもしれない。

 空港について、荷物を預けに行くと先客が。2メートルはある大きなサーフボードを預けようとしているが、サイズが微妙に大きいらしい。ボードのケースを折り曲げてガムテープでぐるぐる巻きにされて預けられていた。何とも間抜けな感じで可愛かった。

 それから保安検査場を通ったが、あそこはいつも緊張する。何にも悪いことはしていないのに、ピーッと鳴って、再検査になるのではないかとドキドキする。わたしは怪しまれないように堂々と、通り抜けた。何事もなく終わったが緊張で疲れていた。
 もっとポップで楽しい音楽を流して、キャラクターが描かれたケースとかに荷物を入れれたらいいのにと思う。そしたら飛行機を乗る前にテーマパークに入場するような気分を味わえるのに。

 朝から動いてお腹ぺこぺこになった。「げこ亭」という和定食が食べられるお店でブランチ?を取ることにした。ここの魚はとてもおいしい。鮭の塩焼きを頼んだが、焦げていないのに香ばしい。こんなに?というほど盛られていたお米もペロリと食べてしまった。

隣のテーブルにいた細身の女性が、男性にご飯を半分以上あげていた。今は小食な人なんだなと思うぐらいだが、摂食の時はその様子を見ると罪悪感に襲われていた。人より食べることを恐れていたあの頃は、ご飯も完食することを拒んだ。米を食べると脂肪になると信じ、ご飯をカロリーでしか見ていなかった。栄養を学んだり、食べる楽しさを知って好きに食べられる今が楽だと改めて感じた。

 飛行機に搭乗時間になった。搭乗する小型機を見て不安になった。こんな小さい鉄の塊が本当に空を飛ぶのだろうか。
 大人になるにつれて、飛行機が怖くなったように感じる。生と死について深く考え、人を疑うようになり、空を飛ぶことに恐怖を覚える。

 出発の時が来た。ブオーンと耳にも体にも響く音を聞いて緊張感が高まる。離陸してフワッと空中に浮かび上がる。
 窓から見える街が遠ざかるにつれて、死が近づくような気分になった。それでも、本を読むことに集中して時間が経つのを待った。
 梅雨前線の影響で機体が揺れることもあったが無事、福島空港に到着した。

 飛行機から降機してターンテーブルまで行くと私たちの荷物は回っていた。早すぎる。到着して10分足らずで、荷物を私たちの元へと届けてくれる福島空港はすごいと思う。世界最速か?

 レンタカー屋に行くと、方言を話す店員さんたちがいた。ケンミンショーを見ている気分になった。関西とは違う言葉遣いを聞いて旅に来たんだと実感した。

 空港から車で1時間ほど移動して、インスタグラムで見つけた「ウミネコ商店」にやってきた。
 店内に入ると甘いお菓子の香りとコーヒーの香ばしい匂いがわたしをおそった。パンや焼き菓子がたくさん陳列されていて、心が踊る。
 わたしはコーヒーを、彼は青いクリームソーダとプリンを注文した。

 コーヒーは酸味や苦味があるけど軽やかな印象だった。クリームソーダもレモンが効いており、甘すぎず飲みやすかった。プリンはもちもちとしっかりしていた。濃厚なプリンにあっさりとした生クリームをつけると絶品だった。

大きなプリン🍮


 おいしいものを口に運ぶ時、わたしの口は半開きになる。食べたくてたまらなくて、口が先に迎える準備をしてしまう。このプリンも気持ちが急くほど美味しかった。

 そして今晩宿泊する「新つた」さんへ移動した。藤井聡太さんが対局を行った部屋はとても立派だった。露天風呂に入ったり、お茶菓子を食べて、夕食の時間を待った。

 夜は「HAGI」というフレンチの店で修行されたシェフがいるお店に訪れた。地元の食材が存分に使われたコース料理をいただいた。
 目にも口にも楽しい料理の数々でわたしは満たされた。が、わたしは空きっ腹にワインを突っ込み酔った。途中で胃薬を飲みながら何とか最後まで食べ切ることができた。

 摂食障害の頃は、こんなに夜に食べられなかった。夜に食べることに罪悪感があった。けれども、わたしの体は飢餓状態だったので胃は底無し沼だった。
 そんなわたしの胃も正常化し、満腹がわかるようになった。最近は以前に比べて、食べられない。せっかく食べることに罪悪感がなくなったのに、わたしの胃の限界がすぐに来てしまう。
 あの回復期の頃にわんこそばを食べに行けばよかったという後悔が残っているので、ぜひ回復中の方は挑戦してほしい。回復すれば、本当に食べられなくなって、体重も落ち着くから。

 お腹一杯になって幸せに満たされたわたしは、気持ちよく寝ようとした。
 けれども、わたしに不安が襲ってきた。こんなに幸せでいいのだろうか、明日から予定通り活動することができるのか、様々なネガティヴ思考に囚われて、わたしは泣いた。幸せすぎて不安になるとか何とも贅沢な。
 そんなわたしの側に彼はずっといてくれた。もう一度入浴し、薬も効いてきたのでわたしは眠った。

つづく…

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