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コミュニティ立ち上げの「熱力学」

コミュニティを立ち上げたもののイマイチ盛り上がらず自走しないと嘆く人がいます。

聞いてみると月に1本もイベントがないという。

それでは場が自走し始めるには至らないでしょう。

今回は、最初はゆるく脈絡なくて良いので、横のつながりができるイベントを短期間で連発する方がいい、というお話をします。

参加者は、最初「様子見」

facebookグループのようなオンラインで横に繋がる場を作ったとしても、以下が分かるまで様子見となるでしょう。

・どんな人がどんな目的でいるのか
・どんな行為がOK/NGなのか

文章で説明しても細かなニュアンスは通じないし、リアクションで示そうにも投稿もありません。

「とりあえず集まる」は、立ち上げ期は案外最も有効な手段だったりします。

参加者間の距離を近づけ、動機や関心を互いに理解することで、自走の前提となる横の関係を作り、方向性を見出すきっかけになるからです。

いつまでも目的なく集まるだけの会は単なるグダグダな会ですが、最適解は状況によって異なる、ということです。

接点を作り、種火を起こす
火が点いたら燃料投下

人と人、人とテーマ、各人のタイミングが噛み合うと、コミュニティが自走し始めます。

横の関係はコミュニティの成立要件であり、自走の基盤です。場の趣旨に沿ったことで、メンバー同士で盛り上がれば、自分たちで何かやろうという話になります。

そうなれば、その「種火」をより大きな炎とすべく、「燃料」となる様々な後押しをすれば良いのです。

内容を聞いてお墨付きを与えてあげる、同じことに関心を持ちそうな他のメンバーを引き合わせる、公式にアナウンスする、といったことです。

人はコントロールできない

しかし、自走する巡り合わせを100%起こすことは出来ません。
人をコントロールすることは出来ないからです。

主催者ができるのは、案を示す、行動のガイドラインを示す、プロジェクトを提案するなど、人に内在する力を刺激することであり、臨界点に達する確率を上げることまでです。

巡り合わせは、計画してできるものではなく、考え方としては「計画的偶発性」に似ています。

計画的偶発性とは
「個人のキャリアの8割は予想していなかった偶発的なことによって決定され、その偶然は自ら引き寄せることができる」という考え方。
「好奇心/持続性/柔軟性/楽観性/冒険心」が大事だと言われています。

狙って起こせなくても、その偶然を引き寄せるために人と人との接点を増やすというのが、現実的な対応でしょう。

熱量が下がる前に、次の集まりを設ける

機会を増やすのは、確率論の考えだけではありません。熱量の蓄積に似たイメージもあります。

人と会って何かしようと盛り上がっても、その後時間が開くと熱量は冷めてしまいます。

熱が下がり切る前に次の接点があれば、冷める前により高い温度に行けます。

熱が下がるより早い間隔で「加熱」され続ければ、やがて「臨界点」を超え、自走しだします。

逆に、イベントとイベントの間が空いてしまうと、同じ人と会っても「お久しぶり」から始めなければなりません。

そうしてまたその場でゼロから関係値を温め、また「今度何かしましょう」で別れ、何もしないまま温度が下がり・・・ということで、いつまでも自走が始まらないままになります。

なぜ「間があく」のか

コンスタントにテンポよくやれば良いだけなのに、間があくのはなぜか。

それは気が重くなるからです。
ではなぜ気が重くなってしまうのか。

企画に時間がかかるから。
準備に時間がかかるから。
調整に時間がかかるから。

なぜそんなに時間を掛けなければならないと思うのか。
固定観念があるからです。

大規模でなければならない。
きちんとしなければならない。

なぜそう思うのか。

参加者一人一人と向き合わず、頭数としか見ていないから。
参加者は、自分では何もできない受け身の「お客様」としか見ていないから。

あとは、効率化の甘さもあるでしょう。

まあ、そんなところではないでしょうか。

それではいつまで経っても場として立ち上がらないでしょう。

参加者を信じてみる

参加者自らが何か企画運営する機会を作り、役割をポンと与えてみると、案外喜んで動いてくれたりするものです。

もちろん、その場に価値を感じ、信頼関係が成立していることが前提ではありますが。

まずは信じて試してみると良いと思います。

気軽に試している内は、ちょっとくらいの失敗は多めに見てもらえますし。

「立ち食い蕎麦放浪記」のように、飲んでたノリでつくったものが、1万人になるのですから。。

ご参考:フルリモートのコミュニティ実験


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